日本昔話村

たらこ飴

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洞窟②

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 その後またしても困った事態に襲われた。権田が転んだのに巻き込まれ下敷きになってしまったために、背負っていた籠が薪の重みで壊れてしまったのだ。おまけに右足首を捻ってしまった。車を動かす予定だったのに最悪だ。何でいつも自分ばかりが不運に見舞われるのか、まるで歩く不幸製造機だと落ちた薪を拾いながら自嘲していたら、ちょうど奥に洞窟があるのを権田が見つけた。

「おい、あそこに入って休もうぜ。疲れたしよ」
 
「何だか気味が悪いぞ」

「もしかしてお前怖いのか? まさかの怖がりちゃん?」

 うざい、非常にうざい。何でこいつは子供みたいに好奇心旺盛なんだ。もしここで洞窟を避ければ、この先ずっと怖がりだとネタにされいじられ続けるに違いない。奴のことだから帰ってから幸にも面白おかしく話すだろう。

「別に怖くなんかない、入るぞ」

 何だかんだ言いながら権田のペースに巻き込まれているのが悔しかった。壊れた籠と薪をそのままにして恐る恐る中に入り奥まで進むと、暗闇の中で蠢く大きな影があり僕たちは同時に声を上げた。

「……誰だ?」

 怯えたように影が言った。暗闇で顔は見えないが、身体の大きさ的に耕太郎に違いない。

「君は耕太郎か? この間は川で助けてくれてありがとう。僕は傑っていう者だ、こいつは幻之介」

 お礼を伝えるついでに自己紹介をすると、耕太郎は「……オラのことを馬鹿にしにきたのか?」と訊ねた。

「そうじゃない、薪を拾いにきたついでに探索をしてたんだ」

 未だ警戒するようにこっちを見る耕太郎に向かって僕は続けた。

「信じられないことかもしれないけれど、実は僕たちはこの時代の人間じゃないんだ。道に変な乗り物が置いてあったろう? あれは車っていう未来の機械だ。僕たちはそれに乗って来たんだけど、途中でこの村に迷い込んでしまった。帰り方も分からなくなって困ってる」

「オラにはよくわからねぇけど……」

 耕太郎は困ったように頭をかいた。

「あのさ、お前に頼みがあるんだわ!」権田が言った。「この村に幸って子がいるだろ? 傑の車をその子の家まで運んで欲しいんだ。俺らあそこに泊まっててさ。今置いてある場所から車を動かしてぇんだけど、こいつが怪我したもんで」

「幸……」

 権田が彼女の名前を出した途端耕太郎が動揺したように挙動不審になり、俯いた。

「何だおめぇ、幸のことが好きなのか?!」

 権田に冷やかされた耕太郎は、「ち、違う!」と慌てたように否定した。

「いい女だよな~、顔も身体も性格も最高だ。アレは男が放っておかねぇぜ」

「おい権田、余計なことを言うな」
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