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前編 ここから全ては始まった
6話
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守永は、文字の書かれていたであろう部分が、ぐちゃぐちゃに歪んでしまって読めないメモの部分をどうにか解読する方法を考えた。
「うーん。メモ帳……ぐちゃぐちゃ……読めない……解読……なんて書かれていたのか、知りたいのになぁ。」
守永は仕方ないから、と決断を早めてメモ帳に残されていたメモの解読を諦めた。守永の持ち前の根気強さが既に失われていた為らしい。諦め心が打ち勝ったのである。早々に通路に繋がる扉のドアノブを握りしめ、守永は部屋を後にした。
通路には──通路一杯に広がる赤の絨毯。造りが、洋館にも洋風なホテルにも見てとれるような、部屋が等間隔毎に立ち並んだ通路となっていた。寝室1、2などと部屋番号と見受けられる銅製プレートが扉に打ち付けられていた。
「さて、部屋を出たのは良いもののこれからどうしたら良いんだ? ここは人気が少ない洋風なホテルか何かだろうか。」
守永が、ぶつくさ独り言をしていると、寝室3の銅製プレートの提げられた扉の向こうから何やら人の声が聞こえてきた。
「誰か居るのか? こんなどこかわからない辺鄙な場所に?」
守永がこの豪奢な洋館に対して小声で悪口を吐いた。すると、声がだんだんと大きくハッキリと聞こえてきた。
「何なのよ! あいつら。いきなりあたしを拐って、こんな訳のわからない場所にあたしを閉じ込めやがって!」
始めは、かすかにしか聞こえなかった声を、守永が耳を澄ませ近づくにつれて、声の主の性別の判別が段々とつくようになってきたのだ。それは女性の声であった。
守永は、扉の先から聞こえる声に落ち着きが戻り、しーんと静まるのを待ってから、数回扉をノックした。
「はい、誰? 誰なの?」
「うーん。メモ帳……ぐちゃぐちゃ……読めない……解読……なんて書かれていたのか、知りたいのになぁ。」
守永は仕方ないから、と決断を早めてメモ帳に残されていたメモの解読を諦めた。守永の持ち前の根気強さが既に失われていた為らしい。諦め心が打ち勝ったのである。早々に通路に繋がる扉のドアノブを握りしめ、守永は部屋を後にした。
通路には──通路一杯に広がる赤の絨毯。造りが、洋館にも洋風なホテルにも見てとれるような、部屋が等間隔毎に立ち並んだ通路となっていた。寝室1、2などと部屋番号と見受けられる銅製プレートが扉に打ち付けられていた。
「さて、部屋を出たのは良いもののこれからどうしたら良いんだ? ここは人気が少ない洋風なホテルか何かだろうか。」
守永が、ぶつくさ独り言をしていると、寝室3の銅製プレートの提げられた扉の向こうから何やら人の声が聞こえてきた。
「誰か居るのか? こんなどこかわからない辺鄙な場所に?」
守永がこの豪奢な洋館に対して小声で悪口を吐いた。すると、声がだんだんと大きくハッキリと聞こえてきた。
「何なのよ! あいつら。いきなりあたしを拐って、こんな訳のわからない場所にあたしを閉じ込めやがって!」
始めは、かすかにしか聞こえなかった声を、守永が耳を澄ませ近づくにつれて、声の主の性別の判別が段々とつくようになってきたのだ。それは女性の声であった。
守永は、扉の先から聞こえる声に落ち着きが戻り、しーんと静まるのを待ってから、数回扉をノックした。
「はい、誰? 誰なの?」
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