魔力が足りない!?剣士になるので私に構わないでください

誘真

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魔力供給

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次の日。
朝のルーティーンを終え訓練場に向かうと、既にティムはいた。

「さて!昨日の返事を聞かせてもらえるかな~?」

遠くにだが他の騎士の姿が見えるので、例のキャラになっているのだろう。
ふうっと溜め息をひとつ。
昨日は急に色々な情報を詰め込まれてパンクしていたが…。

「ああ、ペアを組もう」

信用した訳ではない。
ただ拒否権がないのなら、積極的に取り組む方が得策だ。
それにシスターに「教会から自由になれ」と言われたのだ、こそこそと逃げ回らないでいいよう、潰せるなら潰したい。

「やったー!マリーの事、信じてたよ~!」

ピョンピョンと跳ぶティムは一見喜んでいるように見えるが…目の奥が笑っていない。
昨日はなぜ気付かなかったのだろう…。

「おめでとう、ペア成立だな」
「部隊長!」

後ろから声がして、振り返ると部隊長がいた。

「早速だが、ペアの手続きを行おう。付いて来い」
「は~い!」

悠々と歩く部隊長と、その後をトコトコと付いていく大きなティムの後ろ姿を見て…急に恐くなった。
朝に部隊長が訓練場にいる理由は?ティムとグル?
私は嵌められた?選択を誤った?

一瞬「逃げる」という思考が掠めるが…本当にグルなら問答無用で王都に送られるだろう。

腹を括って後に続いた。



---



「さて、ペア手続きと…説明だな」

数ある会議室の一室。
部隊長は紙を取り出しながら私にサインを促す。

「まずはペアを組め。話はそれからだ」

文言にざっと目を通したが、以前も1度だけ書いた事のある、普通のペア成立書のようだ。
少し躊躇したが、自分の名前を書き込む。“マリー”と。

ティムも横に来て名前を書く。
本名かどうかは不明だが“ティム・フォンタージュ”と明記した。

「…これでペア成立だ」

ふぅーっと、部隊長が重い息を吐いた。

「部隊長はどこまでご存知ですか?」
「…俺は直接関わっている訳じゃないが…」
「でも、ほとんど知ってると思っていいかな」

素のテンションに戻ったティムが話を遮る。

「部隊長は僕達の仲間じゃない。けど、趣旨は理解して協力してくれている立場さ」
「仲間に死なれちゃ目覚めが悪いからな…。それに俺も教会のヤロー共をのさばらせるのは違うと思ってる」

部隊長がチラリとティムに目をやると、ティムは心得たように水壁を張った。

「この部屋は防音対策がしてあるが…一応、な」
「もしも誰かに聞かれると、関係ない部隊長まで反逆罪になっちゃうからね」
「…はぁ。何故こんな事に巻き込まれたのか…」
「この国の未来の為に、でしょ。そろそろ腹を括りなよ」

部隊長とティムが話した内容は、私の想像をはるかに超えていた。


元々王家と教団が懇意であるのは知っていたが、自分達の地位を上げ、騎士団の株を下げようと本気で動き出したのだ。

根も葉もない噂をばらまくだけでは飽き足らず、最近は怪我人や死人が出るのも厭わない計画を実行している。
例えば教団が事故に見せかけて崖から岩を落とし怪我人を出し、それを“たまたま”通りかかった王家が献身的に助けたり。

また騎士団の目を掻い潜り国境を越えて魔物を捕獲し、それを街中で放ち、被害が出てから討伐する計画も立てていた。
これは魔物を放つ直前で阻止出来たらしいが。
もしこれが実行されていれば、魔物を見逃した騎士団の無能さと、魔物を倒した教団への信頼アップと、一石二鳥だっただろう。

そして今、教団の動きが活発化しているにも関わらず、何も掴めていないらしい。
それだけ慎重に、何か重大な事をしようとしているのではないかと警戒はしているが…。
事が起こってから対応するのは得策ではないので、こちらから餌を撒けないかと作戦を練っているようだ。

「そこで、君の出番だよ。上層部の失踪したお嬢様が現れたら、気の逸った連中が君に接触して来るんじゃないかと。ま、これは最終手段だけどね」
「最終手段?」
「そう。まずはただの街娘役をやってもらうよ。教団の奴ら、どうやら王都のゴロツキに下働きをさせてるみたいでね。こっちがゴロツキになって、接触してみるのさ。君は…それが上手く行かなかった時の最終手段だね」

なるほど…。街の住民に被害が及ばないように、計画を探るのか。

「本当は教団や王家を叩ければ一番いいんだが、どれも証拠がない。捕まるのは何も知らない末端のゴロツキばかりでな…」
「頭を痛めてる騎士団と、教団をひいては王家を潰したい僕達と、利害が一致してるってわけ」
「僕達…?そういえばティムは騎士じゃないのか?」
「見せかけとして騎士団に所属しているけれど、本当は“反乱軍”として動いてるよ。ペアがいなかったのも、動きやすいようにわざと組んでいなかったのさ」

思わず眉をひそめる。
反乱軍…。ここが辺境ということもあるかもしれないが、初めて聞いたな。
それにしても響きが危険過ぎる。
確かに王家や教団のやり方は汚いが、正義感だけで反逆罪の恐怖に打ち勝てるのだろうか…?

「何故ティムは反乱軍に入ったんだ?」
「ちょっと…ね。君と一緒で、大事な人を殺されたのさ…」

遠くを見るような、でも強い意思を感じるような、不思議な眼差し。
きっと過去には出来ない何かがあったのだろう…。

「…って事は、私も反乱軍に所属するのか?」
「いや、その必要はない。このゴロツキ計画は騎士団主導だ。そこに反乱軍が乗っかってきた状態でな…」
「乗っかったって、失礼だな~。発案は僕達なのに」

部隊長はティムを見て…また深く溜め息をついた。

「色々ややこしいが、マリーは間違いなくこの砦の騎士だ。今回は遠征任務でしかない。終わったら必ず帰ってこい」
「…はい!」

初めて獲た居場所だ。辺境だろうが騎士団の底辺だろうが、私にとっては居心地の良い唯一の場所だ。
必ず帰ろう。

「…そしてここからは騎士団としての話だ。反乱軍がマリーをどう扱うかは知らないが、俺から言える事は一つ。力を付けろ。強くなれ。これは命令だ」

思わず困惑してしまう。
強くなれ?今まで散々訓練してきて、強さは申し分ないと思うが…?

「マリーはペアの規則を知らないんだったな。酷かもしれんが…命令だと思って我慢してくれ」

部隊長の声が重々しく聞こえる。

「ペアは魔力の受け渡しが出来る。これは知ってるか?」
「ええ…聞いた事がありますが…」
「それをマリーとティムでしろ。今すぐに。そして1ヵ月後の出発までに完全に掌握するんだ」
「は、はい!」

部隊長の剣幕に圧され、反射的に返事をする。が、詳細は何も知らされない。
なのに部隊長は席を立ってしまった。

「ティム。悪いが後は任せた。…彼女を必ずここに帰してくれ」
「了解です~」

そう言いながらティムが水壁を解除すると、部隊長は部屋を出ていった。

…嫌な沈黙が流れる。

「さぁ~て。こうしてても仕方ないし、命令を遂行しよっか。マリー、こっちに来て~」

ティムが会議室の奥の部屋に足を進める。
そういえば入った事はないが、何かあるのか…?




促されて入った部屋には、やけに大きなベッドとシャワールームがあった。
造りは砦の寮と同じようだが、机やクローゼットがない。
そしてなぜ会議室の奥にあるのか…?
そんな疑問を抱いていると、ガチャリと鍵の掛かる音が響いた。

「なっ…!?」
「あれ~?誰かに覗かれたかったの~?」
「その喋り方はやめろ!」
「…慣れてもらいたいんだけど…」

ブチブチ文句を言いながら、また水壁を張る。

「さて、と。本題だけど、さっきの反応からみて、マリーは魔力の受け渡し方法を知らないって事でいいのかな?」
「あ…ああ。今まで必要なかったからな」
「とりあえず座って話そう。こっちに来て」
「だったら隣の部屋に…」

鋭い眼差しで睨まれ、言葉を続けられなかった。

大きなティムがベットに腰掛けると、ギシッと軋む。
その音に何故か緊張してしまう。
密室に、ベッドに、胡散臭い男。
信用した訳じゃないし嫌な状況だが、部隊長からの命令だ。
固まる身体を動かし、ティムから離れた所に座った。

「どうしてペアは男女で組むか知ってる?」
「さあ…。男剣士と女術師が多いから、確率の問題でそうなっているんじゃないのか?」
「男女で組むと効率がいいから、わざと“そう”促してるんだよ。マリーだって術師になるように言われたんじゃない?」

初めて騎士団に所属した時、魔力が足りないのに術師を薦められたな。
性別の適性の問題かと思ったが…違ったのか?

「確かに、男の方が魔力を全身に巡らせ筋力に変えるのが上手くて、女性は想像力が豊かで魔力を具現化するのが上手い。でも互いに“出来ない”訳じゃない。現に僕もマリーも出来ている。なのに騎士団は試しもしない。どうしてだろうね?」
「それが…“男剣士と女術師の方が効率が良い”に繋がるのか?」
「そういうこと」

ティムはおもむろに立ち上がり…私の目の前に立った。
長身で体格の良いティムに見下ろされると、威圧感で恐怖を感じる…。

「な、何だ…?」
「怖い?でも、ごめんね。部隊長の命令なんだ」

そう言うと両肩を掴まれ、ベッドに押し倒される。

「なっ、何をする!放せ!!」
「魔力の受け渡し方法はね…男性の精液に魔力を込めて、女性の子宮で吸収する、これしかないんだよ」

暴れる私をものともせず、ティムが耳元で囁いた。

「なん…だって?」
「今から僕達はセックスするってこと」

言われた事実に驚愕し、思わず動きを止めティムの顔を見る。

「…はぁ?冗談だろ?」
「冗談でこんな事言わないってば。とにかくヤッてみれば分かるから」

こちらの了承も得ず、ティムが私の騎士服を脱がしていく。

「ちょ、ちょっと待て!!」「待たない」「どういう理屈でモガッ」

口に布を突っ込まれ、いつの間にか両手は背中で一纏めにされていた。
冷たい感触から、おそらく水の枷だろう。

剣士として鍛えた両足を振り上げ抵抗するが、一瞬でうつ伏せにされ、体重をかけられ、ベッドに沈むしかない。
体格の差が憎らしい。

「…暴れないで。手荒な事はしたくない」

大人しくなった私を確認し、口から布が出される。

「…っはぁ、先に説明するべきじゃないのか?」
「説明して逃げられたら面倒でしょ。さっさとヤッて、部隊長に報告しよう。これも仕事のうちだよ」
「…本当に、こんな方法なのか?嘘じゃないだろうな?」
「どうして嘘をつく必要があるのさ。もし嘘で君が部隊長に報告したら、僕の首が飛ぶのは想像できるでしょ?」

…確かに、嘘をついてまでこんな事をするメリットはないだろう。
ティムが自分で言っているように、すぐにバレるのは明確だ。
となると、本当にこれしか方法がない訳で…。

…初めてだとか、相手が嫌だとか、個人的理由で拒否できるものではないだろう。
そもそも騎士は魔物と対峙していて、命の保証はない仕事だ。
セックスぐらい、どうって事はない。
犬に噛まれたと思えばいい。

「…分かった、信じる。抵抗しないから、さっさと済ませてくれ」
「物分かりの良い相方で助かるよ。さ、服を脱いで?」

ティムが私の上から退く。が、服を脱ぐ?
急に羞恥心が襲う。

「…脱ぐ必要があるのか?」
「多分汚れると思うけど…。今後も“する”し、その度に着替えるのは効率が悪いと思うけど」
「その…汚れないようには出来ないのか…?」
「…じゃあ下だけ脱いで。さすがにパンツとスカートは汚さない自信はないよ」

手枷を解除してもらい、のろのろとブーツを脱ぎ、震える手でスカートとタイツとパンツを脱ぐ。
部屋の明るさが気になったが、これも仕事だ。
今後も何度もするのだろう、恥ずかしがっている場合ではない。

「顔を見たくないだろう?うつ伏せになって、好きな人でも思い浮かべるといいよ」
「そんな人…いない…」

思わず弱々しい本音が漏れてしまう。
くすり、と笑われた気がして、顔に熱が集まる。
くそっ…!これ以上醜態を晒してたまるか…!

「腰を上げて…枕を下に入れるね。足を広げて…そう。出来そうならお尻を突き出してくれるとありがたいかな」

歯を食い縛りながらティムの言葉に従う。
うつ伏せで尻だけ突き上げた恥ずかしい格好で。
羞恥心は“命令”という2文字で切り捨てる。
これでもし、魔力が増えなければ刀の錆びにしてやる…!

「本当に、魔力が増えて、強くなれるんだろうな…!?」
「お互いの相性もあるし、やってみないと分からないけど…。でも増えるのは確実だよ。だって僕の与える魔力は人よりずっと多いからね」

羞恥で震える私の声など気にせず、ティムは準備を進めていく。

「全然濡れてないね…。本当なら前戯でもしたいところなんだけど…そんな雰囲気じゃないよね」

そう言いながらベッドボードの小さな引き出しから何か取り出した。

「心配しないで、粘性のあるポーションだよ。これを塗るけど、できるだけマリーに触らないようにするから」

カチャリと瓶の開く音がする。

「今からするのは“魔力を増やす仕事”だ。命令されてするんだ。マリーは何も考えないで、僕に任せて」

濡れた冷たい指が触れる。

「膣を濡らして、僕のが入るように指で解すよ。少し冷たかったり痛かったりするけど、必要な処置だと思って我慢してね」

クチュリと粘質な音を立てて、周りにポーションが塗られる。
冷たさと慣れない感覚に、思わずピクリと動いてしまう。
そんな私の反応に気付いているだろうに、ティムは黙々と塗っている。

時間をかけてゆっくりとなじませ…そしてポーションの冷たさが気にならなくなった頃、ティムが動いた。

「今から指を入れるよ」

つぷりと音を立てて、ゆっくりと中へ入っていく。

「ぐっ…」

たった指1本なのに、異物感が半端ない。
私の鍛え上げた筋肉が異物を排出しようと指を締め付け、それがまた余計に異物を感じてしまう。

「うわ…これは凄い…」

ティムが指を出し入れすると、感じた事のない、言葉では言い表せないぞわぞわとした感覚が背中を走る。
口を開けば否定的な事しか出てこないので、更に歯を食い縛る。

「2本に増やすよ…」

もう口に出さないで欲しい。が、宣言がないと心の準備が出来ないのも事実だ。

ポーションが足されたのだろう、ヒヤリとした感覚に続き、2本の指が圧迫感を伴い入ってくる。

「解すよ…」

2本の指がゆっくり前後に動き、その後、中を拡げようとバラバラに動く。
もちろん私の中は指に逆らい締め付けるので、お腹が中からぐいぐい圧され…正直、気持ち悪い…。

「ダメだな…。マリー、もう少し力を抜ける?」
「…無理だ…」
「このままじゃ僕のが入らないんだけど…」

そう言ってカチャカチャとズボンの前を寛げるティムにちらりと目をやると…
何だ!?あの凶悪なサイズは!?
男性のソレは遠征中の水浴びで見てしまった事はあるが、あんなのではなかったぞ!?

「そっ…!なっ…!」
「これ、無理やり入れると間違いなくマリーが傷付いちゃうんだよね。それは僕も望んでないから…ごめんね、仰向けにするよ」

驚愕で動けない私をコロンと転がし、仰向けにする。
そして私の足の間に身体を入れ、耳元で「力を抜いて…」と言うと…。

「ひゃぁん!」

何だ!?今の!?

「あっ、あっ、あっ…!」
「ここは感じるみたいだね、良かった」

ティムの手が私のある部分を掠めると、まるで全身に電気が走るようで。
浮かせた腰を下ろす事ができない。
初めての感覚に翻弄される。

「なんっ…!あっ、あっ、これっ…!」
「初めて?クリトリスって言うんだけど…女性が気持ちよくなれるところだよ」

優しく触っているようなのに、強烈な“何か”を感じる。
怖い、怖い、怖い、何だこれは…!
何かにすがりたくて、でも目の前の男にすがるのは嫌で、シーツをぎゅっと握る。

「初めてで慣れないだろうから…これぐらいにしようか。もう一度中を触るよ…」

ぐちゅりと、さっきより明らかに粘性の高い音を立てて、また指が入ってくる。
でも仰向けだから?それとも身体が慣れたのか?さっきより異物感はない。

数本に増やされた指が出入りし、中で動くと締め付けてしまうが、花芯を撫でてなだめられると違和感が薄くなっていく。

「はあっ…!あっ、あっ、っ…」
「どう?気持ちよくなってきた?」

気持ちいい…?これが…?ティムに翻弄されているだけなのに…!

「今日は早く終わらせるね。マリーに負担かけたくないし…」

そう言うと、反り返った股間を私の下腹部に近付ける。
見たくないのに、何故か目が離せない。
きっと怖いからだ…!そうに違いない…!

「入れるよ。深呼吸して、力を抜いて…」

くちゅりと音を立て、入り口に宛がわれると…親指で花芯を強く押し潰された。

「あああぁぁっ…!!」

その瞬間、ズドン!とお腹に衝撃を受け…

「ごめんね、一気に入れた方が痛くないから…」

ティムと私の間に、空間がなくなっていた。

「はっ、はっ、はっ…」

痛い?いや、それよりお腹がキツい。圧される。出したい。

「馴染むまで少しこのまま触るから…。マリーは気持ちいい感覚だけ探してて…」

押し潰した花芯をいたわるように、やわやわと撫でられると、腰がビクビク動く。が、ティムが密着しているので上手く快感を逃せず、触られるたびに中を締め付ける。
異物だった物が、少しづつ馴染んでいく。

「あっ、あっ、…っ、はぁっ…」
「うっ…これはヤバい…」

ティムの懇願の色が混ざった声を聞くと、下腹部がキュンと吸い上げたのが分かった。

「ああっ…!?」
「マリー、今のは反則…。ごめん、もう無理…」

ずずっとティムが腰を引くと、名残惜しげに引き留めようと締め付け、ティムが押し入って来るともっと中へと吸い上げて。
異物感と、少しの痛みと、それ以上の何か。
無意識で、自分の中がティムを求めている。

「やっ…!あっ…、あっ、はぁっ…」

ゆっくりとした動きだが、お腹を圧されるたびに声が出てしまう。
我慢したいが、口を閉じる事さえできない。

「中が凄い…すぐに出そうだよ…」

恍惚としたティムの声に羞恥を覚える。

どうして?なぜ順応してるんだ?私の身体は。
命令で仕方なくしているだけなのに…!

「少しだけ…我慢してね…」

ティムの動きが速くなる。
私を慣らすための動きから、出すための動きへ。
痛くないように、労ってくれていたのを自覚してしまった。

「あっ、はっ、あっ、あっ、あっ!あっ!」

最奥をズンズン突かれ、痛みも圧も麻痺してくる。
自分の嬌声すら遠くに聞こえ、ベッドの軋む音と、いつからか止めどなく出ている愛液がかき混ぜられる音だけが大きく響く。

「っ、もう…、出る…」
「はっ、あっ、あっ、あっ!あっ!」

打ち付けられる衝撃が強くなる。
身体がバラバラになりそうだ…!

ばちゅん!と今までで一番深く圧され、ティムが動きを止めた瞬間。

「くっ…!」
「あああああっ…!!!」

何かが一気に流れ込んできた。
身体の中から爆発しそうだ…!

「ぐっ、締め付けが…っ、ごめん、もうちょっと…」

ティムがビクリビクリと小刻みに身体を動かす度に、熱い何かが身体に蓄積される。
これ以上は無理だ。
今すぐ抜いて欲しいのに、荒い呼吸をするのに精一杯で、指先すら動かせない。
剣士として散々鍛えてきたのに…情けない。

「…っはぁ…、抜くよ…」

ぐちょりと粘質な音を立てながら、ティムが私から出ていく。
が、麻痺したままのそこはすぐに閉じる事なく、こぽりと粘液を吐き出しお尻を伝う。
気持ち悪い。拭きたい。でも身体が動かない。

どさり、と隣にティムが寝転んだ。

「凄い…。マリーの魔力、倍以上になってる…」
「…えっ?何だって…?」

ようやく息が整ってきた。
軋む股関節をなだめながら震える足を閉じ、大きく息を吐く。

「どうして私の魔力が分かるんだ…?」
「あ、言ってなかったっけ?僕は光魔術も使えるんだよ」
「『解析』か…」

普通は1人につき1属性しか適正がないが、時々複数の適正を持つ人がいる。
主にエルフの血をひく者達だが、ティムもそうだったのか。

「そう、解析でマリーの魔力を見せてもらったけど…。これは中々良い伸びじゃないかな。“した”甲斐は十分にあるよ」
「そういえば、さっき身体が妙に熱かったが…」
「僕の魔力だね。初めてだからすぐに抜こうと思ってたのに、マリーの中が離してくれないからさ」
「そっ…!なっ…!」

カッ!と顔が赤くなる。
無意識だが締め付けた自覚はあるので、反論できない。

「冗談はさておき、どう?身体は辛くない?おかしな所はない?」
「あ、ああ…。もう大丈夫そうだ」
「一気に倍以上の魔力が入ったからね、魔力酔いを起こしてもおかしくないよ。普段と違うと感じたらすぐに言ってね」

急に真面目な顔をしたので、怒りで上げた拳をそっと下ろすしかなかった。

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