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殺人!
しおりを挟む夜になり、静かに宿を抜ける。
この時間はほとんどの人が寝ているが、起きてる人は酒場にいるはずだ。
人がいる場所を予想し、何処でどういう風に殺すか、頭の中でイメージを膨らませる。
相手するなら酔ってる奴で、一人がいい。
いくらジョブを手に入れたと言っても、まだレベルが低すぎる。
なるべく最初は慎重にことを進める!
酒場に到着し、人が出てくるまで、物陰に身を潜めていると……
冒険者風の男三人が出てきた。
一人はしっかりした足取りで背中に男を背負っている。
どうやら一人は酔い潰れて寝てしまっているようだ。
最後の男はちどり足で、ヨロヨロと歩いている。
「おい、大丈夫か? お前一人で帰れるか?」
「ぅぅおう……へへへ」
「心配だな! 気をつけて帰れよ!」
「にへへ……」
男を背負っている方が心配しながらも帰っていく。
残されたもう一人も、フラフラと歩き壁にぶつかりながら反対方向に歩みを始めた。
狙うならコイツだろうな。
寝てるとはいえ二人を相手にするのは怖い。
それよりは、このフラフラしてる男の方がいいだろう。
ひっそりと追いかけていく。
途中で路地裏に曲がり男は倒れて動かなくなった。
コイツも酔い潰れて寝てしまってのか。
だが油断大敵、本当に寝ているか声をかけてみる。
「すいません! 大丈夫ですか?」
「ふがぅぅぅ~ZZZ すびぃぃZZZ」
ははは! やばいな、この瞬間がたまらない!
自然と笑みが溢れてしまう。
早く殺したくてウズウズしているのだ。
「起きてください。 起きてくれないと……殺しますよ、ははは」
手で揺さぶってみるが起きない。
完全に寝てしまっている。
アイテムボックスからナイフを取り出し、男の首元に当てる。
そして一気に切り裂いた。
「うぅぅ!? ・・・」
一瞬だけ呻いたが大丈夫だ。
このぐらいなら誰にも聴こえていないはず。
手の動脈を測り、死んだことを確認し終えたら、恒例の死体あさりを楽しむ。
男が着ている革鎧や靴、短剣等を外して回収した。
他にも色々あるが、ここに長く滞在するのはまずい!
お愉しみは宿に戻ってからだ。
テーブルに並べられた男の持ち物。
2,000オーツ、冒険者カード、革鎧、靴、銅の短剣。
殺して奪う、これほどまで爽快な気分になるとは思わなかった。
もう俺は戻れないな。
一生人殺しからは抜け出せない。
手に入れた物は、装備していたらバレそうだし、売った方がいいだろうな。
ちょっと惜しいがしかたない。
冒険者カードは身分を証明したり、レベルや職業、スキルが分かるように、できている。
【職業】 剣士(LV3)
【スキル】 剣撃
俺が使うと本人じゃないことが分かってしまいそうで怖い。
そうなったら殺したことも分かるだろうから、アイテムボックスに永久保存と。
これで俺の手持ちは2,400オーツになった。
装備を売ればさらに増えるな!
殺人者は楽して稼げる最高の職業だ。
おっと忘れてた。
殺人者といえば、殺すことで経験値を得てレベルアップする特殊なジョブ。
ステータスを見てみるか……
【名前】 マサト
【年齢】 28歳
【職業】 殺人者(LV3)
HP(F+) MP(F+) 体力(F+)
筋力(F) 防御(F) 速度(F+)
技術(E) 魔力(F+) 魔防(F)
【武器】 なし
【防具】 服(効果なし)
【指輪】 なし
【スキル】 殺人
自分よりレベルの高い冒険者を相手したことで一気にレベルが2もあがったようだ。
少しレベルアップしたぐらいではステータスは変わらないか……うん? スキルがあるな。
タッチして内容を見る。
【殺人】……MPを消費して発動可能。 人を殺す際に威力が上がる。 技術の高さで威力が変わる。
やはり対人戦で役に立ちそうなスキルだ。
技術の高さが肝になってくるな。
モンスター戦で俺は役にたたないだろう。
引き続き人を殺すか……
「ふぁ~眠てえ~」
今日はもう疲れた。
一旦寝て身体を休めよう。
宿のベッドに横たわり目をつぶる。
人を殺した罪悪感などは無く、すっと眠りについた。
昨日手に入れた装備を売るために武器屋にきた。
いくらで売れるか楽しみだ。
「これくらいで、どうだ!」
「ああ! これで売る」
【革鎧】 5,000
【靴】 500
【銅の短剣】 2,000
合計……7,500オーツ。
店主からお金を受け取りアイテムボックスにしまう。
手持ちと合わせて9,900オーツだ。
思ったより結構稼いだな。
「ローブは売ってないのか?」
「ここは武器屋だ、それは装飾屋に行ってくれ」
ローブは防具ではなく服になるみたいだ。
武器屋のオッサンに場所を教えてもらうと、すぐ隣にあった。
いちいち聞く必要もなかったか。
さっそく向かった。
とりあえず適当な服、タオル、黒いローブを購入した。
2,000オーツを支払いさっそく着替えた。
ステータスを確認してみたが、ただのローブでは防御は上がっていなかった。
ちゃんとした装備を手に入れないと駄目か。
お次は道具屋にきた。
ここでの目的は、回復アイテム等を買うことだ。
ポーション等が乗った棚を見ていると、毒々しい色をした薬を見つけた。
これは、いったい何だろうか。
「それが気になるのかしら?」
ここの店主である三十代ぐらいの女が話しかけてきた。
女の服装は占い師のような魔女のような格好をしている。
「ああ、これは何なんだ?」
「それは毒よ! モンスターとか人に使うの……まぁ、でも、人にはあんまり使わないでほしいかな」
ほぉ~こんなのがあったのか。
このゲームを適当にプレイしていたせいで知らなかったが、毒もあるみたいだ。
「緑色が毒で、黄色が麻痺、その茶色が眠り薬よ」
人を殺すのに、もってこいじゃないか。
まさに、俺の為に用意されたアイテムだ。
もちろん購入する!
ポーションには色々あるが、今回は一番安いポーションにする
【下級回復ポーション】✕5……1,000
【下級魔力ポーション】✕5……1,000
【毒薬】✕2……600
【麻痺薬】✕2……600
【眠り薬】✕2……600
3,800オーツを支払い薬品を貰う。
ちょっとした疲労やHPを回復するぐらいなら宿が断然安いが、戦っている最中でも回復できるように買い込んでおく。
これで戦う準備は万端になった。
「変な事に使わないでね! すぐバレるから」
「分かった! 気をつける」
「ありがとう、また来てね!」
バレるのかよ!
毒の扱いには気をつけた方がよさそうだ。
でも、死体は消えるから殺す時には使えると思うが。
手に入れたら、使いたくなってしまう。
とりあえず使う準備だけでもしておくか。
もう一度武器屋に行き、ナイフを三本購入した。
ほとんどお金がなくなった、また稼がねば。
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