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005.試験と魔法
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「若い人間が溢れているな。それに険しい顔をしている」
「今日は入学試験日ですから当然ですよ」
どうやら小さいいさかいも所々で起っているようだ。
全く人間というのは、かくも難儀な生き物であるな。
アカデミーとやらに入る為に、集まってはみたものの、互いが互いを上回る為に競う事しか出来ずにいる。
種として協力出来ないとは・・・愚かなものよ。
「どうしました?」
「どうもせぬ」
「・・・受付、済ましてしてしまいましょうか」
質素な机を挟み、白き衣を纏った人間と対峙する。
対した力は感じぬが・・・。もしやこれがアカデミーとやらで、教える立場にある人間の実力であるのか?
この程度であれば、太陽の傾きが変わるよりも前に、我はこの地を滅ぼせるであろう。
「専攻はどちらを希望ですか?」
「私は魔導を希望します」
「そちらの方は?」
「専攻とはなんだ?」
小娘も受付の人間も、言葉を発せずにただただ我を見ている。
なんと不快な事であろうか。
「ルキさんは本当に知らなかったのですね。専攻というのは、専門的に学ぶ学問分野の事です。ルキさんは魔法が得意ですよね?」
「う・・・む。我は魔法が得意ではあるな」
本当は魔術なのだが。
「でしたら私と同じ魔導を専攻されればいいと思います。でも・・・剣の腕も凄かったですし、剣導でもいいのかもしれませんが」
小娘が元気を無くしているようだが、理由が分からぬ。
「我も魔導というのを専攻してみるとするか。人間の剣技など学んでも意味が無いのでな」
魔族の魔術、人間の魔法、似て非なるこの力、我自身が知見を得るのも悪くなかろう。
「人間の剣妓?」
受付の人間がいぶかしんだ目で見てくる。我の口調から怪しんでいるのだろうか。
ここは始末しておいた方が・・・。
「ルキさんはちょっと変わっていまして! 才能のある人ってどこか変わっているじゃないですか! ね? そうですよね? ルキさん!」
「う・・・うむ」
「なるほど。まあアカデミーには、ちょっと拗らせた人も来ますから」
小奴が上手く纏めたので文句は無いが、我がバカにされた気もする。
「名前と出身を書いてください」
名簿を受け取った小娘が、我の名も記して受付に返していた。
「あちらの魔法演習場で実技試験が行われます。側で待機していて下さい」
教師が指さす方向に、まるで戦場跡のような場所がある。
さしずめ攻撃魔法を主体とした、訓練場なのであろう。
「小娘、何故我を庇った」
「何の事ですか?」
「先程のやり取り、それに我の出身地の偽造。あの用紙に記した我のいずる地は、お前のいずる地と同地であったぞ」
「ええ・・・。私があなたを庇った理由、それは私もルキさんも合格したら教える。それで如何ですか?」
「貴様の都合は関係ない。今答えよ」
「あなたは・・・、恐らく私と目的を同じくしている人だと、思ったからです」
「ほう・・・。貴様に興味がわいた。よいだろう・・・合格とやらを得た暁には、我に貴様の全てを話してもらうぞ」
「元からそのつもりですから」
小娘との小さき戯れが終わると、男が笛を鳴らす。
「名前を呼ばれた順に前に出て魔法を行使してください! 今回の課題はあそこにある甲冑に攻撃を加える事です!」
説明はそれだけか・・・。察するに、あの木偶に着せた甲冑への損傷具合で実力を図ろうというのか。
審査員役と思われる数人の者が並び、最初の挑戦者の名が呼ばれ、自信満々といった面持ちで若い男が前に出る。
男は指定された位置に着くと、杖を持ち上げた。
「”フィアマ・デ・ドゥランテ”」
男の杖からは人の身の丈ほどの火球が飛び出し、甲冑に向かって飛び立つ。
火球は甲冑を包み込み、その鉄を熱してから消え去った。
「なんだあれは・・・あの程度の魔法しか使えぬというのか?」
我のうろたえとは正反対に、男は出来に満足したのか、並んでいる審査員共に目線を送っている。
「ルキさんに比べれば、対したことないのかもしれないですが、あれでも充分な実力なんですよ?」
「人間の実力を過大評価してしまっていたか・・・」
審査員共が納得した顔で頷いているところを見ると、これでも人間にとっては充分な実力、というは本当なのだろう。
記憶の吸い出しでは、このような人間の常識は読み取れぬからな。
この小娘は良い拾いものであったのかもしれぬ。
我に過剰に干渉せず、行動に疑問を持たぬ都合の良い存在など、そうそう見つかるものでもなかろう。
「次!」
次は若い女か。どうやらここに集ったのは、人間の中でも若い個体のようだ。
我の容姿もここに集った人間共と相違ない。これも都合が良いな。
「”アックワ・デ・ピックロ”」
空中に数個の水球が出現し、甲冑に向けて飛んでいくが、表面を濡らした程度であった。
「今の娘は明らかに、実力不足だと思うが?」
「そうですね・・・ルキさんと比べなくても普通に落ちたと思います」
審査員が先ほどとは違い、娘の魔法に反応していない。
なるほど、このリリスという娘の言う通りかもしれぬ。
甲冑は無言で魔法の攻撃を受け続けているが、目立った損傷は見当たらない。
生身の人間が身に付けているのであれば、当人は既に死んでいるのだろうが、甲冑すら破壊できぬ力に、我は価値があるとは思えぬ。
「次! リリス、前へ!」
「貴様の番のようだが」
「行ってきます」
小娘は前へ出て三日月の杖を構え、離れた位置でも聞こえるほどに大きく息を吸った。
「”トゥオーノ・デ・マッシモ”」
我に遠く及ばぬが、今までの人間共とは比べるまでもない力で、甲冑に雷を落とす。
甲冑はその衝撃に耐えられず、半壊し部分的に溶けている。
この娘、人間にしては対した実力を持っているようだが。これならあの騎士共を、自分で葬れたと思うのだがな。
審査員も含め群衆はざわめきを止めぬ中、小娘は一礼して我の元に戻ってくる。
「緊張しました・・・」
「貴様は合格とやらであろう」
「ルキさんにそう言われると、安心します」
小娘が向けてくる笑顔に、どう答えていいかも分からずにいると、我の名前が呼ばれる。
「最後はルキフェル、前へ!」
人間に呼び捨てにされるなど、不快極まりない状況ではあるが、ここで暴れては勇者に静かに近づく計画が台無しになる。
ここは我も我慢を覚える機会となろう。
前に出て、指定された位置に立つが。
「貴様等に問うが、何ゆえ物言わぬ甲冑等に攻撃する?」
「人に使う訳にいかないでしょ? 納得できないなら帰ってもらって結構」
「魔の道は実践の場でこそ試される。下らない茶番だな。反撃もせぬ、文句も言わぬ物に力を行使し、自らの成長を確認し満足をする。これでは人間の力は向上しなくとも、不思議ではない」
「随分自身がありそうだが、喋ってないで早く実力を見せて欲しいな」
「・・・貴様の物言いは不快ではあるが、戦場での力を見せてやるとしよう」
方手を前に出し、甲冑に狙いを定める。
「おい! あいつ杖持ってないぞ?」
「まさか媒介物なしで魔法を使えるのか?」
「そんなこと出来るわけないだろ! きっと忘れたマヌケなんだよ! だから審査員に絡んでうやむやにしようとしたんじゃないか?」
「そうだな! あいつはとんだハッタリ野郎なんだよ」
魔族であり魔術を行使する我に、そのような物は必要ないのだがな。
まあよい・・・この程度のたわごと、我にとっては小鳥のさえずりと変わらぬ。
それに、実力は嫌でも分かるのであるからな。
「”ディスパリション・デ・ペディオンフェアー”」
発行する球体が甲冑を包み込み、それを中心に巨大なクレーターを形成しながら物質が消滅する。
範囲を限定的にしたゆえ、周りの人間には被害が出ていないようだが。
もう少し力を、抑えておくべきだったかもしれぬな。危うく何人か葬るところであった。
「でえええええええええええ!」
「はあああああああああああ!」
「何!? 何が起こったの!?」
「あいつ! 媒介物無しで魔法を使った!?」
騒がしいな。消滅させておいた方が、良かったかもしれぬ。
「今日は入学試験日ですから当然ですよ」
どうやら小さいいさかいも所々で起っているようだ。
全く人間というのは、かくも難儀な生き物であるな。
アカデミーとやらに入る為に、集まってはみたものの、互いが互いを上回る為に競う事しか出来ずにいる。
種として協力出来ないとは・・・愚かなものよ。
「どうしました?」
「どうもせぬ」
「・・・受付、済ましてしてしまいましょうか」
質素な机を挟み、白き衣を纏った人間と対峙する。
対した力は感じぬが・・・。もしやこれがアカデミーとやらで、教える立場にある人間の実力であるのか?
この程度であれば、太陽の傾きが変わるよりも前に、我はこの地を滅ぼせるであろう。
「専攻はどちらを希望ですか?」
「私は魔導を希望します」
「そちらの方は?」
「専攻とはなんだ?」
小娘も受付の人間も、言葉を発せずにただただ我を見ている。
なんと不快な事であろうか。
「ルキさんは本当に知らなかったのですね。専攻というのは、専門的に学ぶ学問分野の事です。ルキさんは魔法が得意ですよね?」
「う・・・む。我は魔法が得意ではあるな」
本当は魔術なのだが。
「でしたら私と同じ魔導を専攻されればいいと思います。でも・・・剣の腕も凄かったですし、剣導でもいいのかもしれませんが」
小娘が元気を無くしているようだが、理由が分からぬ。
「我も魔導というのを専攻してみるとするか。人間の剣技など学んでも意味が無いのでな」
魔族の魔術、人間の魔法、似て非なるこの力、我自身が知見を得るのも悪くなかろう。
「人間の剣妓?」
受付の人間がいぶかしんだ目で見てくる。我の口調から怪しんでいるのだろうか。
ここは始末しておいた方が・・・。
「ルキさんはちょっと変わっていまして! 才能のある人ってどこか変わっているじゃないですか! ね? そうですよね? ルキさん!」
「う・・・うむ」
「なるほど。まあアカデミーには、ちょっと拗らせた人も来ますから」
小奴が上手く纏めたので文句は無いが、我がバカにされた気もする。
「名前と出身を書いてください」
名簿を受け取った小娘が、我の名も記して受付に返していた。
「あちらの魔法演習場で実技試験が行われます。側で待機していて下さい」
教師が指さす方向に、まるで戦場跡のような場所がある。
さしずめ攻撃魔法を主体とした、訓練場なのであろう。
「小娘、何故我を庇った」
「何の事ですか?」
「先程のやり取り、それに我の出身地の偽造。あの用紙に記した我のいずる地は、お前のいずる地と同地であったぞ」
「ええ・・・。私があなたを庇った理由、それは私もルキさんも合格したら教える。それで如何ですか?」
「貴様の都合は関係ない。今答えよ」
「あなたは・・・、恐らく私と目的を同じくしている人だと、思ったからです」
「ほう・・・。貴様に興味がわいた。よいだろう・・・合格とやらを得た暁には、我に貴様の全てを話してもらうぞ」
「元からそのつもりですから」
小娘との小さき戯れが終わると、男が笛を鳴らす。
「名前を呼ばれた順に前に出て魔法を行使してください! 今回の課題はあそこにある甲冑に攻撃を加える事です!」
説明はそれだけか・・・。察するに、あの木偶に着せた甲冑への損傷具合で実力を図ろうというのか。
審査員役と思われる数人の者が並び、最初の挑戦者の名が呼ばれ、自信満々といった面持ちで若い男が前に出る。
男は指定された位置に着くと、杖を持ち上げた。
「”フィアマ・デ・ドゥランテ”」
男の杖からは人の身の丈ほどの火球が飛び出し、甲冑に向かって飛び立つ。
火球は甲冑を包み込み、その鉄を熱してから消え去った。
「なんだあれは・・・あの程度の魔法しか使えぬというのか?」
我のうろたえとは正反対に、男は出来に満足したのか、並んでいる審査員共に目線を送っている。
「ルキさんに比べれば、対したことないのかもしれないですが、あれでも充分な実力なんですよ?」
「人間の実力を過大評価してしまっていたか・・・」
審査員共が納得した顔で頷いているところを見ると、これでも人間にとっては充分な実力、というは本当なのだろう。
記憶の吸い出しでは、このような人間の常識は読み取れぬからな。
この小娘は良い拾いものであったのかもしれぬ。
我に過剰に干渉せず、行動に疑問を持たぬ都合の良い存在など、そうそう見つかるものでもなかろう。
「次!」
次は若い女か。どうやらここに集ったのは、人間の中でも若い個体のようだ。
我の容姿もここに集った人間共と相違ない。これも都合が良いな。
「”アックワ・デ・ピックロ”」
空中に数個の水球が出現し、甲冑に向けて飛んでいくが、表面を濡らした程度であった。
「今の娘は明らかに、実力不足だと思うが?」
「そうですね・・・ルキさんと比べなくても普通に落ちたと思います」
審査員が先ほどとは違い、娘の魔法に反応していない。
なるほど、このリリスという娘の言う通りかもしれぬ。
甲冑は無言で魔法の攻撃を受け続けているが、目立った損傷は見当たらない。
生身の人間が身に付けているのであれば、当人は既に死んでいるのだろうが、甲冑すら破壊できぬ力に、我は価値があるとは思えぬ。
「次! リリス、前へ!」
「貴様の番のようだが」
「行ってきます」
小娘は前へ出て三日月の杖を構え、離れた位置でも聞こえるほどに大きく息を吸った。
「”トゥオーノ・デ・マッシモ”」
我に遠く及ばぬが、今までの人間共とは比べるまでもない力で、甲冑に雷を落とす。
甲冑はその衝撃に耐えられず、半壊し部分的に溶けている。
この娘、人間にしては対した実力を持っているようだが。これならあの騎士共を、自分で葬れたと思うのだがな。
審査員も含め群衆はざわめきを止めぬ中、小娘は一礼して我の元に戻ってくる。
「緊張しました・・・」
「貴様は合格とやらであろう」
「ルキさんにそう言われると、安心します」
小娘が向けてくる笑顔に、どう答えていいかも分からずにいると、我の名前が呼ばれる。
「最後はルキフェル、前へ!」
人間に呼び捨てにされるなど、不快極まりない状況ではあるが、ここで暴れては勇者に静かに近づく計画が台無しになる。
ここは我も我慢を覚える機会となろう。
前に出て、指定された位置に立つが。
「貴様等に問うが、何ゆえ物言わぬ甲冑等に攻撃する?」
「人に使う訳にいかないでしょ? 納得できないなら帰ってもらって結構」
「魔の道は実践の場でこそ試される。下らない茶番だな。反撃もせぬ、文句も言わぬ物に力を行使し、自らの成長を確認し満足をする。これでは人間の力は向上しなくとも、不思議ではない」
「随分自身がありそうだが、喋ってないで早く実力を見せて欲しいな」
「・・・貴様の物言いは不快ではあるが、戦場での力を見せてやるとしよう」
方手を前に出し、甲冑に狙いを定める。
「おい! あいつ杖持ってないぞ?」
「まさか媒介物なしで魔法を使えるのか?」
「そんなこと出来るわけないだろ! きっと忘れたマヌケなんだよ! だから審査員に絡んでうやむやにしようとしたんじゃないか?」
「そうだな! あいつはとんだハッタリ野郎なんだよ」
魔族であり魔術を行使する我に、そのような物は必要ないのだがな。
まあよい・・・この程度のたわごと、我にとっては小鳥のさえずりと変わらぬ。
それに、実力は嫌でも分かるのであるからな。
「”ディスパリション・デ・ペディオンフェアー”」
発行する球体が甲冑を包み込み、それを中心に巨大なクレーターを形成しながら物質が消滅する。
範囲を限定的にしたゆえ、周りの人間には被害が出ていないようだが。
もう少し力を、抑えておくべきだったかもしれぬな。危うく何人か葬るところであった。
「でえええええええええええ!」
「はあああああああああああ!」
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