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プリン消滅事件。
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「この犯人はかならず見つけてみせる。父ちゃんの名にかけて!! 」
ゴミ箱の中に転がる亡骸を見て、彼は心に誓った。
「俺の買ってきた、プリン食べたな!! 」
少年はバンとテーブルを両手で叩いた。その手の間にはプリンの空の亡骸がころがる。
その場にいたものはいっせいに目を向けた。
目、目、目、三つの目線が少年を見る。
「犯人はこの中にいる!! 」
少年、この家の長男 金田一は声をあげた。
「いや、犯人は既に分かっている!! 」
そう金田一は学期末試験が終わりコンビニでプリンを買い、食べようとテーブルの上に置いていた。
部屋で着替えをして、ついそのままベッドに倒れ込み眠ってしまったのだ。
残されたテーブルの上のプリン。
容疑者はソファの上で寛いでいる沙織。
同じくソファにちょこんと座っている星矢。
そして、リビングで転がってスマホをイジっている美雪。
父、母は、まだ仕事から帰って来ていない。
「美雪、食べたのはお前だな。」
一は美雪を指さした。
「な、なんで? 酷いお兄ちゃん。沙織だって、星矢だっているのに!! 」
美雪は星矢を指さした。
星矢はペロリと口元を舐めた。
「ほら、今口元を舐めた!! 」
美雪は自分じゃないと訴えた。
一は静かに頭を振った。
「酷いお兄ちゃん! 実の妹を疑うの? 」
そう沙織と星矢は、母が連れてきたコであった。
「美雪、お前以外考えられない。」
「そ、そんな…… 」
美雪は絶望した目で、兄の一を見る。
「もし星矢なら…… 容器がこんなに綺麗な形で残ってはいない。」
テーブルに置かれた、プリン容器は綺麗なままだ。
一がゴミ箱に捨てられていた容器をテーブルの上に置いた。
「沙織なら、これ程綺麗に蓋を剥がせない!! 」
一はもう一つの証拠をテーブルの上に出した。
綺麗に剥がされたプリンの蓋のフィルムを置いた。
「沙織なら、ビリビリに切り裂かれているはずだ。」
「そ、そんな…… 」
美雪は後ずさりした。
「プリンを食べた犯人は、お前だ!! 美雪!! 」
一はいま一度、美雪を指差した。
「お、お兄ちゃんが悪いのよ!! そんな所にプリンを置いとくから!! 」
美雪は開き直った。
「もう一つ買ってきて、私にくれてもいいじゃないケチ!! 」
「人の物を勝手に食うほうが悪いに決まってるだろが!! 」
美雪は一をケチだと罵る。
「置いとく方が悪いのよ!! 」
「なら、お前が置いてるケーキを食べても怒らないな!! 」
一は冷蔵庫の中にある美雪のケーキの話をする。
「ソレとコレとは、話が別よ!! 」
「いっしょだろうが!! 」
二人の喧嘩が始まった。
「なに? 外まで声が聞こえてるわよ。」
帰って来た母が、二人に声をかける。ソファの上にいたものたちは、母に駆け寄った。
「ワン!! 」
「にゃん!! 」
まるで出迎えるように。
「お母さん聞いて、お兄ちゃんが酷いの!! 」
「お前が俺のプリンを食べたんだろうが!! 」
「はい、はい。」
母は腕に出迎えてくれた二匹の家族を抱きしめた。
「おーい。プリン買ってきたぞ!! 」
父がプリンを買って帰ってきた。
【完】
ゴミ箱の中に転がる亡骸を見て、彼は心に誓った。
「俺の買ってきた、プリン食べたな!! 」
少年はバンとテーブルを両手で叩いた。その手の間にはプリンの空の亡骸がころがる。
その場にいたものはいっせいに目を向けた。
目、目、目、三つの目線が少年を見る。
「犯人はこの中にいる!! 」
少年、この家の長男 金田一は声をあげた。
「いや、犯人は既に分かっている!! 」
そう金田一は学期末試験が終わりコンビニでプリンを買い、食べようとテーブルの上に置いていた。
部屋で着替えをして、ついそのままベッドに倒れ込み眠ってしまったのだ。
残されたテーブルの上のプリン。
容疑者はソファの上で寛いでいる沙織。
同じくソファにちょこんと座っている星矢。
そして、リビングで転がってスマホをイジっている美雪。
父、母は、まだ仕事から帰って来ていない。
「美雪、食べたのはお前だな。」
一は美雪を指さした。
「な、なんで? 酷いお兄ちゃん。沙織だって、星矢だっているのに!! 」
美雪は星矢を指さした。
星矢はペロリと口元を舐めた。
「ほら、今口元を舐めた!! 」
美雪は自分じゃないと訴えた。
一は静かに頭を振った。
「酷いお兄ちゃん! 実の妹を疑うの? 」
そう沙織と星矢は、母が連れてきたコであった。
「美雪、お前以外考えられない。」
「そ、そんな…… 」
美雪は絶望した目で、兄の一を見る。
「もし星矢なら…… 容器がこんなに綺麗な形で残ってはいない。」
テーブルに置かれた、プリン容器は綺麗なままだ。
一がゴミ箱に捨てられていた容器をテーブルの上に置いた。
「沙織なら、これ程綺麗に蓋を剥がせない!! 」
一はもう一つの証拠をテーブルの上に出した。
綺麗に剥がされたプリンの蓋のフィルムを置いた。
「沙織なら、ビリビリに切り裂かれているはずだ。」
「そ、そんな…… 」
美雪は後ずさりした。
「プリンを食べた犯人は、お前だ!! 美雪!! 」
一はいま一度、美雪を指差した。
「お、お兄ちゃんが悪いのよ!! そんな所にプリンを置いとくから!! 」
美雪は開き直った。
「もう一つ買ってきて、私にくれてもいいじゃないケチ!! 」
「人の物を勝手に食うほうが悪いに決まってるだろが!! 」
美雪は一をケチだと罵る。
「置いとく方が悪いのよ!! 」
「なら、お前が置いてるケーキを食べても怒らないな!! 」
一は冷蔵庫の中にある美雪のケーキの話をする。
「ソレとコレとは、話が別よ!! 」
「いっしょだろうが!! 」
二人の喧嘩が始まった。
「なに? 外まで声が聞こえてるわよ。」
帰って来た母が、二人に声をかける。ソファの上にいたものたちは、母に駆け寄った。
「ワン!! 」
「にゃん!! 」
まるで出迎えるように。
「お母さん聞いて、お兄ちゃんが酷いの!! 」
「お前が俺のプリンを食べたんだろうが!! 」
「はい、はい。」
母は腕に出迎えてくれた二匹の家族を抱きしめた。
「おーい。プリン買ってきたぞ!! 」
父がプリンを買って帰ってきた。
【完】
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