72 / 128
流石です、姉様。
しおりを挟む
セルビア達には、セルビィの言葉は耳に入ってはいなかった。ただ、天使に反抗的に何かを言われた事で 呆然と立ち尽くしていた。
「反抗期、よね。」
セルビアは、呟く。令嬢達は、信じられなかった。あのセルビィが 天使が、自分達に反抗的な態度を取るなんて。自分達を愛してくれたセルビィが、あの女狐を庇うなんて。
「反抗期よ。」
「その時期よね。」
「決して、胸だけ女に取られた訳じゃないわ。」
セルビアの呟きに応える様に三人も、呟く。
去って行くセルビィを、ただ呆然と四人の令嬢は見詰める。
ぱさり と、少し積もった雪が木の枝から下に落ちた。
一部始終見ていたナルトは、深い溜息を付いた。ナルトも、信じられなかった。まさか セルビィが、セルビア達よりビッチを選ぶなんて。
「マジかよ。」
セルビィが言っていた事は、よく聞くと総て姉達を称える言葉であったが 反抗的なセルビィの態度に驚愕して耳に入っていなかった。
ただ、呆然と立ち尽くす令嬢達。
ナルトは近くに居る、護衛兵にセルビア達を屋敷に戻すようお願いする。
セルビア達は、馬車に乗せられて屋敷に帰って行った。
セルビィは、フローネの手を掴んで足早く歩いていた。引き連れられているフローネは、セルビィの肩が秘かに震えているのがわかった。
(セルビィ様、泣いている? )
セルビィは、微笑みを堪えるので必死だった。
(流石です、姉様。)
まるで図ったように、現れた姉達。そして、他を圧倒する美しさ。その美しさに押される、フローネとアラン達。
セルビィの思い描いた展開が、目の前に繰り広げられた。
(圧倒的な美しい姉様に、尻込みする阿呆様達。弱さを全面的に醸し出していた尻軽さんに、阿呆様達は庇護欲をかき立てられたでしょう。)
セルビア達は、見知らぬ内にアラン達のフローネに対する庇護欲をかき立てていた。
(流石です、姉様。今日は、何時も以上に凛々しく美しかったです。)
すれ違う人を気にする事もなく、セルビィは歩き続ける。廊下を渡り、ある中庭に辿り着いた時。
「ま、待って、セルビィ様。早いです~ぅ。」
セルビィの足の速さにフローネが、悲鳴を上げた。
(忘れてました。)
セルビィは、足を止めた。息を切らしながら、フローネはセルビィに縋り付く。
「ハァ、ハァ、ハァ。」
「すみません、フローネ様。大丈夫ですか? 」
セルビィは、フローネを引き離しながら顔を見る。
「フローネ様、御願いです。姉様達を、許して下さい。」
セルビィは、哀しそうな顔をフローネに向ける。
「姉様は、自分に厳しく。人にも、厳しいのです。」
「セルビィ様。」
「姉様は、自分に出来る事は 他の人にも出来ると思っているのです。」
「しかし、あの態度は無い。」
何時の間にか追い着いてきたアランが、言った。
「彼女達に優しさを、感じませんでした。」
エリックが、続いた。
「それは、 きっと、フローネ様と一緒に居るの見てを嫉妬したのでしょう。」
セルビィは、辛そうに言った。
(姉様が、阿呆様達の為に嫉妬何んてしませんけど。)
「嫉妬は、醜い感情です。神はお許しに成りませんよ。」
「一人の者を、四人で責めるなど騎士として許せん。」
シモンが言うと、レイモンドが続いた。
「そうですね、怒るなんて御門違いですね。」
(姉様、怒っていたな。三日も、黙って家を空けたのが悪かったのでしょうか。)
「すみません、フローネ様。許して下さい。」
セルビィは、哀しそうに言った。フローネは、首を左右に振り。
「お姉様は、きっと セルビィ様を心配なさったのですわ。私は、気にしません。」
「フローネ様。」
(そうです、姉様達は僕の事を心配して下さったのです。分かっています。)
セルビィは、フローネの手を掴んで引き寄せる。
「有難う御座います、フローネ様。」
セルビィは、嬉しそうに微笑んだ。
「フローネは、優しいな。」
「ええ、聖母の様です。」
レイモンドとシモンが言うと。
「えっ? そんな事有りません。」
フローネは頰を染めながら首を振り、恥ずかしげに身を捻る。
「ご謙遜を。」
「フローネは、健気だな。」
エリックが褒めると、アランが目を細めた。
「フローネ様。何かあったらきっと、護ります。」
セルビィは、強く手を握り締める。そして、アラン達を見回して
「勿論。アラン王太子殿下達も、お力を貸して頂けますよね。」
上目遣いで、縋る様に四人を見る。
「ああ、セルビィ。力を貸そう。」
「約束は、守りますよ。」
「神のお心のままに。」
「騎士として、弱気者を護るのは当然だ。」
四人は、其れ其れにフローネに微笑んだ。
「ありがとうございます、アラン殿下。エリック様、シモン様。レイモンド様、セルビィ様。心、強いですわ。」
フローネは、飛び切りの笑顔を皆に見せた。
「姉様達には、僕がちゃんと話をします。」
「はい、セルビィ様。」
「僕は、フローネ様を 信じています。」
「はい、セルビィ様。」
セルビィは、優しくフローネの手に口付けをする。フローネは真っ赤になって、俯いた。
アラン達四人は、圧倒的に強く美しいセルビア達よりも、庇護欲をそそる弱く可愛らしいフローネに心酔して行くのであった。
(流石です、姉様。姉様達のお陰で、ひと味が足されました。)
フローネに心酔するアラン達の様子に、セルビィは秘かに艶やかに微笑んだ。
「反抗期、よね。」
セルビアは、呟く。令嬢達は、信じられなかった。あのセルビィが 天使が、自分達に反抗的な態度を取るなんて。自分達を愛してくれたセルビィが、あの女狐を庇うなんて。
「反抗期よ。」
「その時期よね。」
「決して、胸だけ女に取られた訳じゃないわ。」
セルビアの呟きに応える様に三人も、呟く。
去って行くセルビィを、ただ呆然と四人の令嬢は見詰める。
ぱさり と、少し積もった雪が木の枝から下に落ちた。
一部始終見ていたナルトは、深い溜息を付いた。ナルトも、信じられなかった。まさか セルビィが、セルビア達よりビッチを選ぶなんて。
「マジかよ。」
セルビィが言っていた事は、よく聞くと総て姉達を称える言葉であったが 反抗的なセルビィの態度に驚愕して耳に入っていなかった。
ただ、呆然と立ち尽くす令嬢達。
ナルトは近くに居る、護衛兵にセルビア達を屋敷に戻すようお願いする。
セルビア達は、馬車に乗せられて屋敷に帰って行った。
セルビィは、フローネの手を掴んで足早く歩いていた。引き連れられているフローネは、セルビィの肩が秘かに震えているのがわかった。
(セルビィ様、泣いている? )
セルビィは、微笑みを堪えるので必死だった。
(流石です、姉様。)
まるで図ったように、現れた姉達。そして、他を圧倒する美しさ。その美しさに押される、フローネとアラン達。
セルビィの思い描いた展開が、目の前に繰り広げられた。
(圧倒的な美しい姉様に、尻込みする阿呆様達。弱さを全面的に醸し出していた尻軽さんに、阿呆様達は庇護欲をかき立てられたでしょう。)
セルビア達は、見知らぬ内にアラン達のフローネに対する庇護欲をかき立てていた。
(流石です、姉様。今日は、何時も以上に凛々しく美しかったです。)
すれ違う人を気にする事もなく、セルビィは歩き続ける。廊下を渡り、ある中庭に辿り着いた時。
「ま、待って、セルビィ様。早いです~ぅ。」
セルビィの足の速さにフローネが、悲鳴を上げた。
(忘れてました。)
セルビィは、足を止めた。息を切らしながら、フローネはセルビィに縋り付く。
「ハァ、ハァ、ハァ。」
「すみません、フローネ様。大丈夫ですか? 」
セルビィは、フローネを引き離しながら顔を見る。
「フローネ様、御願いです。姉様達を、許して下さい。」
セルビィは、哀しそうな顔をフローネに向ける。
「姉様は、自分に厳しく。人にも、厳しいのです。」
「セルビィ様。」
「姉様は、自分に出来る事は 他の人にも出来ると思っているのです。」
「しかし、あの態度は無い。」
何時の間にか追い着いてきたアランが、言った。
「彼女達に優しさを、感じませんでした。」
エリックが、続いた。
「それは、 きっと、フローネ様と一緒に居るの見てを嫉妬したのでしょう。」
セルビィは、辛そうに言った。
(姉様が、阿呆様達の為に嫉妬何んてしませんけど。)
「嫉妬は、醜い感情です。神はお許しに成りませんよ。」
「一人の者を、四人で責めるなど騎士として許せん。」
シモンが言うと、レイモンドが続いた。
「そうですね、怒るなんて御門違いですね。」
(姉様、怒っていたな。三日も、黙って家を空けたのが悪かったのでしょうか。)
「すみません、フローネ様。許して下さい。」
セルビィは、哀しそうに言った。フローネは、首を左右に振り。
「お姉様は、きっと セルビィ様を心配なさったのですわ。私は、気にしません。」
「フローネ様。」
(そうです、姉様達は僕の事を心配して下さったのです。分かっています。)
セルビィは、フローネの手を掴んで引き寄せる。
「有難う御座います、フローネ様。」
セルビィは、嬉しそうに微笑んだ。
「フローネは、優しいな。」
「ええ、聖母の様です。」
レイモンドとシモンが言うと。
「えっ? そんな事有りません。」
フローネは頰を染めながら首を振り、恥ずかしげに身を捻る。
「ご謙遜を。」
「フローネは、健気だな。」
エリックが褒めると、アランが目を細めた。
「フローネ様。何かあったらきっと、護ります。」
セルビィは、強く手を握り締める。そして、アラン達を見回して
「勿論。アラン王太子殿下達も、お力を貸して頂けますよね。」
上目遣いで、縋る様に四人を見る。
「ああ、セルビィ。力を貸そう。」
「約束は、守りますよ。」
「神のお心のままに。」
「騎士として、弱気者を護るのは当然だ。」
四人は、其れ其れにフローネに微笑んだ。
「ありがとうございます、アラン殿下。エリック様、シモン様。レイモンド様、セルビィ様。心、強いですわ。」
フローネは、飛び切りの笑顔を皆に見せた。
「姉様達には、僕がちゃんと話をします。」
「はい、セルビィ様。」
「僕は、フローネ様を 信じています。」
「はい、セルビィ様。」
セルビィは、優しくフローネの手に口付けをする。フローネは真っ赤になって、俯いた。
アラン達四人は、圧倒的に強く美しいセルビア達よりも、庇護欲をそそる弱く可愛らしいフローネに心酔して行くのであった。
(流石です、姉様。姉様達のお陰で、ひと味が足されました。)
フローネに心酔するアラン達の様子に、セルビィは秘かに艶やかに微笑んだ。
10
あなたにおすすめの小説
田舎娘をバカにした令嬢の末路
冬吹せいら
恋愛
オーロラ・レンジ―は、小国の産まれでありながらも、名門バッテンデン学園に、首席で合格した。
それを不快に思った、令嬢のディアナ・カルホーンは、オーロラが試験官を買収したと嘘をつく。
――あんな田舎娘に、私が負けるわけないじゃない。
田舎娘をバカにした令嬢の末路は……。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
私に姉など居ませんが?
山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」
「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」
「ありがとう」
私は婚約者スティーブと結婚破棄した。
書類にサインをし、慰謝料も請求した。
「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
裏切られた令嬢は死を選んだ。そして……
希猫 ゆうみ
恋愛
スチュアート伯爵家の令嬢レーラは裏切られた。
幼馴染に婚約者を奪われたのだ。
レーラの17才の誕生日に、二人はキスをして、そして言った。
「一度きりの人生だから、本当に愛せる人と結婚するよ」
「ごめんねレーラ。ロバートを愛してるの」
誕生日に婚約破棄されたレーラは絶望し、生きる事を諦めてしまう。
けれど死にきれず、再び目覚めた時、新しい人生が幕を開けた。
レーラに許しを請い、縋る裏切り者たち。
心を鎖し生きて行かざるを得ないレーラの前に、一人の求婚者が現れる。
強く気高く冷酷に。
裏切り者たちが落ちぶれていく様を眺めながら、レーラは愛と幸せを手に入れていく。
☆完結しました。ありがとうございました!☆
(ホットランキング8位ありがとうございます!(9/10、19:30現在))
(ホットランキング1位~9位~2位ありがとうございます!(9/6~9))
(ホットランキング1位!?ありがとうございます!!(9/5、13:20現在))
(ホットランキング9位ありがとうございます!(9/4、18:30現在))
旦那様。私が悪女ならば、愛人の女は何になるのかしら?
白雲八鈴
恋愛
我が公爵家主催の夜会の最中。夫が愛人を連れてやってきたのです。そして、私を悪女という理由で離縁を突きつけてきました。
離縁して欲しいというのであれば、今まで支援してきた金額を全額返済していただけません?
あら?愛人の貴女が支払ってくれると?お優しいわね。
私が悪女というのであれば、妻のいる夫の愛人に収まっている貴女は何なのかしら?
【完結】記憶が戻ったら〜孤独な妻は英雄夫の変わらぬ溺愛に溶かされる〜
凛蓮月@騎士の夫〜発売中です
恋愛
【完全完結しました。ご愛読頂きありがとうございます!】
公爵令嬢カトリーナ・オールディスは、王太子デーヴィドの婚約者であった。
だが、カトリーナを良く思っていなかったデーヴィドは真実の愛を見つけたと言って婚約破棄した上、カトリーナが最も嫌う醜悪伯爵──ディートリヒ・ランゲの元へ嫁げと命令した。
ディートリヒは『救国の英雄』として知られる王国騎士団副団長。だが、顔には数年前の戦で負った大きな傷があった為社交界では『醜悪伯爵』と侮蔑されていた。
嫌がったカトリーナは逃げる途中階段で足を踏み外し転げ落ちる。
──目覚めたカトリーナは、一切の記憶を失っていた。
王太子命令による望まぬ婚姻ではあったが仲良くするカトリーナとディートリヒ。
カトリーナに想いを寄せていた彼にとってこの婚姻は一生に一度の奇跡だったのだ。
(記憶を取り戻したい)
(どうかこのままで……)
だが、それも長くは続かず──。
【HOTランキング1位頂きました。ありがとうございます!】
※このお話は、以前投稿したものを大幅に加筆修正したものです。
※中編版、短編版はpixivに移動させています。
※小説家になろう、ベリーズカフェでも掲載しています。
※ 魔法等は出てきませんが、作者独自の異世界のお話です。現実世界とは異なります。(異世界語を翻訳しているような感覚です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる