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ついにこの日が来てしまった。
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「リリー、何処だい。」
ダミアン王太子はロジック侯爵家でリリースを探す。
「リリー。」
(ついに来たしまったこの日が。)
リリースは衣装部屋のドレスのスカートの中に隠れていた、パターンである。
(いや、行きたくない学園なんか。)
リリースはドレスのスカートの中で小さくなっていた。リリースを探すダミアンの声が近づいてくる。
そう、今日は待ちに待った乙女ゲームの開催日である。
(別に待ちに待っていませんけど!! )
つまり、学園の入学式である。
(ついに来てしまったわ、悪夢の開催日が!! )
リリースは頑張った。
何とか婚約を解消に導こうと、ダミアンに嫌われるべ涙ぐましい努力を重ねた。
が、ダミアンの意思はびくともしなかった。正式に婚約者となってしまったリリースは、王家に対して『婚約解消してください』とは言えなくなってしまった。
(だって、そんな事したらお家が潰れてしまいますわ。)
だからこそ努力したのだ、ダミアンに嫌われるべく涙を称え。
(涙を称え、乙女の危機を貫いたのに。)
ころころだった子犬から、リリースは頑張ってぱんぱんの子豚になった。歩くより転がった方が早いのでは、と言われるくらいに球体迄に体を酷使したのだ。
(だって、どすこいさんは嫌でしょう。マニアじゃなければ、普通嫌よね。)
だがダミアンは言った。
「子豚みたいで、美味しそうだね。」
(ギャーーァ!! デブ専? )
色っぽい顔でダミアンはリリースの頬をなでた。
だからリリースは今度は痩せてみせた。デブ専なら見たくもない程のホネホネに。
だがダミアンは言った。
「しゃぶりつきたくなるね。」
(犬か!! )
これまた色っぽい顔で言う。
その後ママンズに、普通の体重に戻されたけれども。
(今だに食事管理をされてるし!! )
どうやら見た目で心動かすダミアンではないようだ。
「なんて、素敵。」
(じゃ、ないわ!! )
リリースはダミアンの甘いマスクにぽーとなった、瞬間首を振る。
(駄目よ、騙されては駄目!! ぶら下げるのよ、首に縄を着けてみんなの前で。)
リリースは乙女ゲームを思い出す。どの乙女ゲームかは忘れたが、確かにリリース・フォン・ロジックがぶら下がっているイラストを見ている。隣にヒロインの肩を抱いて妖しく微笑んでいるダミアンを。
(いやーー、死にたくない!! どうして、どうして、婚約解消出来ないの!? )
リリースはカタカタと体が震えだす。嫌われるために乙女ゲーム王道の悪役令嬢のようにダミアンに我儘や必要以上の束縛をしてみた。
(乙女ゲームでは嫌われるわよね、普通。)
だがダミアンは言った。
「可愛いリリー。リリーの我儘はみんな聞いてあげたい。嬉しいよ、私を大好きでいてくれて。」
(なに変態、変態なの!? )
本当に嬉しそうにダミアンはリリースの手を取った。
何をしても、ダミアンのリリースへの気持ちはびくともしない。
(騙されては駄目、ヒロインに会ったら『ころっ』と変わっちゃんだから。)
「そして、私は絞首刑。」
リリースは体を抱きしめた。今のところダミアンは甘くて優しい。それが学園に行けば、豹変することは分かっている。
「行きたくない。」
(行きたくないよ~。)
怖さはまだまだあるが、甘くて優しいダミアンに心惹かれていることは否めない。
「ほら、かっぱえびせんのように『やめられない止まらない』みたいな…… 」
全然違うと、作者は思う。
「違うわ、あれよあれ。辛いから食べないようにしようと思うけど、つい手がのびるように…… 」
食い物から離れなさい。
「………そうよ、お化け屋敷よ!! 怖いものはみたさ!! 」
リリースはつい立ち上がった、ドレスを着せていたソルトーが倒れる。
「リリー、みーつけた。」
「ヒッ!! 」
立ち上がったリリースをいつの間にか近づいていたダミアンが後ろから抱きしめる。
きゅう~(失神)
リリースは久方振りに気を失うのであった。
ダミアン王太子はロジック侯爵家でリリースを探す。
「リリー。」
(ついに来たしまったこの日が。)
リリースは衣装部屋のドレスのスカートの中に隠れていた、パターンである。
(いや、行きたくない学園なんか。)
リリースはドレスのスカートの中で小さくなっていた。リリースを探すダミアンの声が近づいてくる。
そう、今日は待ちに待った乙女ゲームの開催日である。
(別に待ちに待っていませんけど!! )
つまり、学園の入学式である。
(ついに来てしまったわ、悪夢の開催日が!! )
リリースは頑張った。
何とか婚約を解消に導こうと、ダミアンに嫌われるべ涙ぐましい努力を重ねた。
が、ダミアンの意思はびくともしなかった。正式に婚約者となってしまったリリースは、王家に対して『婚約解消してください』とは言えなくなってしまった。
(だって、そんな事したらお家が潰れてしまいますわ。)
だからこそ努力したのだ、ダミアンに嫌われるべく涙を称え。
(涙を称え、乙女の危機を貫いたのに。)
ころころだった子犬から、リリースは頑張ってぱんぱんの子豚になった。歩くより転がった方が早いのでは、と言われるくらいに球体迄に体を酷使したのだ。
(だって、どすこいさんは嫌でしょう。マニアじゃなければ、普通嫌よね。)
だがダミアンは言った。
「子豚みたいで、美味しそうだね。」
(ギャーーァ!! デブ専? )
色っぽい顔でダミアンはリリースの頬をなでた。
だからリリースは今度は痩せてみせた。デブ専なら見たくもない程のホネホネに。
だがダミアンは言った。
「しゃぶりつきたくなるね。」
(犬か!! )
これまた色っぽい顔で言う。
その後ママンズに、普通の体重に戻されたけれども。
(今だに食事管理をされてるし!! )
どうやら見た目で心動かすダミアンではないようだ。
「なんて、素敵。」
(じゃ、ないわ!! )
リリースはダミアンの甘いマスクにぽーとなった、瞬間首を振る。
(駄目よ、騙されては駄目!! ぶら下げるのよ、首に縄を着けてみんなの前で。)
リリースは乙女ゲームを思い出す。どの乙女ゲームかは忘れたが、確かにリリース・フォン・ロジックがぶら下がっているイラストを見ている。隣にヒロインの肩を抱いて妖しく微笑んでいるダミアンを。
(いやーー、死にたくない!! どうして、どうして、婚約解消出来ないの!? )
リリースはカタカタと体が震えだす。嫌われるために乙女ゲーム王道の悪役令嬢のようにダミアンに我儘や必要以上の束縛をしてみた。
(乙女ゲームでは嫌われるわよね、普通。)
だがダミアンは言った。
「可愛いリリー。リリーの我儘はみんな聞いてあげたい。嬉しいよ、私を大好きでいてくれて。」
(なに変態、変態なの!? )
本当に嬉しそうにダミアンはリリースの手を取った。
何をしても、ダミアンのリリースへの気持ちはびくともしない。
(騙されては駄目、ヒロインに会ったら『ころっ』と変わっちゃんだから。)
「そして、私は絞首刑。」
リリースは体を抱きしめた。今のところダミアンは甘くて優しい。それが学園に行けば、豹変することは分かっている。
「行きたくない。」
(行きたくないよ~。)
怖さはまだまだあるが、甘くて優しいダミアンに心惹かれていることは否めない。
「ほら、かっぱえびせんのように『やめられない止まらない』みたいな…… 」
全然違うと、作者は思う。
「違うわ、あれよあれ。辛いから食べないようにしようと思うけど、つい手がのびるように…… 」
食い物から離れなさい。
「………そうよ、お化け屋敷よ!! 怖いものはみたさ!! 」
リリースはつい立ち上がった、ドレスを着せていたソルトーが倒れる。
「リリー、みーつけた。」
「ヒッ!! 」
立ち上がったリリースをいつの間にか近づいていたダミアンが後ろから抱きしめる。
きゅう~(失神)
リリースは久方振りに気を失うのであった。
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