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訪問者
訪問者・2
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綾音が借りた親類の別荘は、山の頂からの湧水を水源とする湖のほとりにあった。
そのコテージに泊まり、みんなで湖のボートで釣りをし、林で散策したりバーベキューや花火をしたりしてリゾート地を存分に楽しんだ。
そしてバスに乗って山を下る帰り道で、山の中腹よりやや下のバス停で途中下車をした。この辺りまで下るとマンションがぽつりぽつりと立ち、コンビニや飲食店も見えてくる。ほどほどに田舎で閑静な場所だ。
俺たちは淳也の先導でそのなかのひとつ、真新しい中層マンションの入り口にやってきた。
「ここが藤代さんが住んでるところだよ」
「えっ、ここ?」
誰かがそう言った。もっと豪華な所だと思っていたのだろう。稀少種が住んでいる場所とは思えない、ありふれたマンションにがっかりしたようだ。
今回の旅行に参加したのは全部で十一人だが、俺だけがβで他は皆Ωだ。
何故なら今回の本当の目的は別荘に遊びに行くことではなく、藤代さんの家を見に行く事だったから。
Ωにとってαはいつか番になるかもしれない存在、その住まいということは自分がそこで暮らす可能性があるということだ。なのでその住まいに憧れを持っていたの。普通のマンションを見れば失望もするだろう。
綾音は……と見ると特に何とも思っていないようだ。それどころか尊敬する先輩の住まいだと感動している。単純なやつだ。
淳也がマンションの入り口にあるインターホンを押そうとすると、後ろから声が掛けられた。
「君たち、そのマンションに何か御用?」
振り返ると六十代前半くらいの男の人が買い物袋と大きな荷物を持って立っていた。
「はい」
淳也が明るくハキハキと答えた。
「こんにちは。僕たち藤代李玖さんと同じ大学の後輩です。藤代さんにはいつもお世話になってます。近くまで来たので立ち寄らせてもらおうと思いまして」
「ああ、藤代くんのお友達。ちょっと待ってね、居るかどうか確認してみるよ」
「はいっ。お手間を取らせてすみません。ところであの……」
「ああ、僕?ここの管理人。さあ、入って。ここで待っててね」
一緒に中に入り、管理人さんが内線を掛けている間、しばし待つ。
それにしても淳也め、上手いこと言ったな。まるで俺たちが藤代さんと親しい仲みたいじゃないか。実際はただの金魚の糞なのだが、そう言ったら入れてもらえたかどうか分からんな。
しばらくすると藤代さんがやってきた。
「いらっしゃい。どうしたの、みんな。よくここが分かったね」
「突然ごめんなさい。僕たち綾音さんに誘われて山の別荘に遊びに来てたんです。帰り道に先輩のお家があるって聞いたから、僕、どうしてもこのまま新鮮なお土産を渡したくて。はい、これ、山で取れたキノコと木苺です」
あんぐり。淳也、お前準備いいな……。
「ありがとう、嬉しいよ」
「淳也くん狡い!藤代さん僕も僕も!僕、湖で鱒釣ったんだ」
「そんな魚美味しくないよ、僕は川で釣った山女魚を持ってきた!」
「僕のは採れたての蜂蜜です!栄養もいっぱいあるしすっごく美味しいんだから」
「僕はこれ、あのね……」
「藤代さん、僕だって……」
「みんなありがとう。ここじゃなんだから僕の部屋に行こう。そこでお土産を貰うよ。片付けてる暇なかったから結構散らかってるけどいいかい?」
「勿論です、急に来ちゃってごめんなさい」
「じゃあ行こうか」
藤代さんは収集のつかなくなった騒ぎをさりげなく収めて皆を奥のエレベーターへと誘った。
「さあ、どうぞ入って」
藤代さんの部屋は家族用と同じ造りのようで部屋数もあり、独り暮らしにしては広かった。
ゆったりくつろげるリビングは大きな出窓からの光で明るく、その向こうにはテラスが広がっている。
「散らかっててごめんね」
「いえっ、急に押しかけてすみません」
「すぐに帰りますからお構いなく」
「おみやげ、冷蔵庫に入れてくるから適当に寛いでてね」
「「はいっ」」
藤代さんが離れていくと、皆は物珍しそうに周りを見回し始めた。
室内は無垢材の床に淡いグレイのカーペットが敷かれ、白を基調とした輸入家具でまとめられていた。大きめのカウチソファーに置かれた空色と濃紺のクッション。チェストや観葉植物……インテリア雑誌を再現したような部屋だ。センスは良いが物が少なくて少し殺風景だが、高校の時の部活らしい写真や家族写真が飾られていて、生活感がある。みんな初めて見る藤代さんの過去と家族構成に興味深々で、写真を食い入るように見ていた。
「ねえ、涼平くんあれ見て」
綾音が俺の服の袖を小さく引いた。
「あのガラスのキャニスター、いっぱいお菓子が詰まってる」
綾音が指差した北欧風のチェストの上には大きめのガラスの容器があり、中にはキャンディやクッキー、チョコレートやビスケットなどが入っている。
「藤代さま甘いものお好きなのかな。可愛い」
小さい子が喜びそうなカラフルな包みを二人で見ていると、
「ああそれ?知り合いの子にあげるんだ」
戻ってきた藤代さんがそう言ってガラス瓶から菓子を二つ摘まみ、綾音に渡した。綾音は大喜びで貰って、お礼を言って一つを俺に寄越した。
「その子の一生懸命食べる姿が可愛いんだ。ついあげたくなっちゃう」
いつもの笑顔と違う、見たことのない甘い顔。離れて見ていた皆ですらハッとなった。
「……っ、そうなんですね。藤代さま、子供お好きなんだ」
「うん好きだよ。だから子供はいっぱい欲しいな。番になってくれる人に頑張って産んでもらわなきゃ」
藤代さんは幸せそうに笑ったが、部屋の空気はその一言で張り詰めた。
彼が番の話題に触れたのはこれが初めてだった。互いを牽制し合う雰囲気が立ち込める。綾音の顔も少し強張った。
「藤代さん、僕も子供大好きです」
「僕も」
「僕だって」
「そうなんだ」
「僕んち多産の家系です。大家族になれますよ」
「それは凄いね」
「ぼくも……」
「僕だって……」
またもやアピール合戦が始まった。おっとりしてる綾音はいつも出遅れて参加しないのだが、今回も沈黙を守っている。というよりやけにおとなしい。
「綾音?」
「綾音さん、つまんないからむこうの部屋見せてもらわない?行こうよ」
「……ええ」
「おい」
皆の騒ぎにしらけた顔をした淳也が綾音に声を掛けてきた。止めようとしたけれど綾音がフラフラと付いて行ってしまったので俺も慌てて後を追った。
リビングを抜けた先は書斎だった。
壁一面の本棚には藤代さんが専攻している科目の本だけでなく、社会経済や医学書、科学の資料など多岐に渡って詰め込まれていた。勉強部屋にしているのだろう。広い机にはパソコンの大きなモニターが二台あった。机の上には欧風の雑誌と英語で書かれた経済誌、大学の専攻ゼミの資料や書きかけの論文が乗っている。
案外広い書斎使ってるんだなと意外に思った。
綾音ん家を見てるとつくづく思う。αの頭脳はホントに優秀なのだ。名家の血を色濃く引き継いでいる綾音の姉さんやオヤジさんなんかは特に凄くて、分厚い専門書でも数回パラララ……と捲れば全てを理解してしまう。俺ら凡人がやる速読どころじゃない。隅から隅まで記憶して、一字一句見逃さない。一体どんな脳の造りだ。αってのは俺らβやΩとは根本から違う人種なんだよ。ましてや稀少種なら分厚い辞書の丸暗記もお手の物、こんなに沢山の辞書も資料もいらないじゃん。最高級品の頭脳があるのにまだ何の勉強するんだよ。
そう思いながら何となく近くのノートを見たら、書きかけの分子構造式が目に入った。
うわっ、凄え。
延々と続くホスホジエステル結合の生体高分子の組成式、幾何学的なフラノース分子とリン酸エステル構造の結合。吸光度を使った融解温度の計算式と、なじみのあるRNAとDNAの二重螺旋の構造の横には、見た事のない三重、四重の螺旋の分解式が書いてある。
え、藤代さんの専門って生体科学じゃなかったよな。なにこれ、何でこんなに詳しいの。
「うわっ、凄いねー。やっぱり藤代さま、頭いいなあ」
「そんなの当り前じゃない。稀少種だよ?このくらいのことは普通だよ」
横から綾音達も覗き込んできたが、二人にはこれが何の式かは分からなかった。だが俺はその中の一部分に既視感があった。ここの部分、最近どこかで見たんだよな……
確か生体科学の講義中に教授の蛇足で出た話じゃなかったかな。難病の素となる物質の組成式だったような。脳の伝達物質を壊す性質を持つので、この部分が解明出来れば未知の難病を治す手掛かりになるとか何とか。しかしどうしても構造が分からず解明が全く進んでない、と学会で権威のあるその教授は言っていた筈。
もしかして、その構造式がいま目の前で紐解かれてる?
俺は目を疑った。
ということはこの構造式で未知の病の特効薬を作れるんじゃないか?こんな重要な組成式が個人の部屋の一角、ノートの片隅で解明されていっていいのかよ。もっと大きな専門機関の研究室で、厳重なセキュリティに守られて進められていくプロジェクトじゃねえの?
そのコテージに泊まり、みんなで湖のボートで釣りをし、林で散策したりバーベキューや花火をしたりしてリゾート地を存分に楽しんだ。
そしてバスに乗って山を下る帰り道で、山の中腹よりやや下のバス停で途中下車をした。この辺りまで下るとマンションがぽつりぽつりと立ち、コンビニや飲食店も見えてくる。ほどほどに田舎で閑静な場所だ。
俺たちは淳也の先導でそのなかのひとつ、真新しい中層マンションの入り口にやってきた。
「ここが藤代さんが住んでるところだよ」
「えっ、ここ?」
誰かがそう言った。もっと豪華な所だと思っていたのだろう。稀少種が住んでいる場所とは思えない、ありふれたマンションにがっかりしたようだ。
今回の旅行に参加したのは全部で十一人だが、俺だけがβで他は皆Ωだ。
何故なら今回の本当の目的は別荘に遊びに行くことではなく、藤代さんの家を見に行く事だったから。
Ωにとってαはいつか番になるかもしれない存在、その住まいということは自分がそこで暮らす可能性があるということだ。なのでその住まいに憧れを持っていたの。普通のマンションを見れば失望もするだろう。
綾音は……と見ると特に何とも思っていないようだ。それどころか尊敬する先輩の住まいだと感動している。単純なやつだ。
淳也がマンションの入り口にあるインターホンを押そうとすると、後ろから声が掛けられた。
「君たち、そのマンションに何か御用?」
振り返ると六十代前半くらいの男の人が買い物袋と大きな荷物を持って立っていた。
「はい」
淳也が明るくハキハキと答えた。
「こんにちは。僕たち藤代李玖さんと同じ大学の後輩です。藤代さんにはいつもお世話になってます。近くまで来たので立ち寄らせてもらおうと思いまして」
「ああ、藤代くんのお友達。ちょっと待ってね、居るかどうか確認してみるよ」
「はいっ。お手間を取らせてすみません。ところであの……」
「ああ、僕?ここの管理人。さあ、入って。ここで待っててね」
一緒に中に入り、管理人さんが内線を掛けている間、しばし待つ。
それにしても淳也め、上手いこと言ったな。まるで俺たちが藤代さんと親しい仲みたいじゃないか。実際はただの金魚の糞なのだが、そう言ったら入れてもらえたかどうか分からんな。
しばらくすると藤代さんがやってきた。
「いらっしゃい。どうしたの、みんな。よくここが分かったね」
「突然ごめんなさい。僕たち綾音さんに誘われて山の別荘に遊びに来てたんです。帰り道に先輩のお家があるって聞いたから、僕、どうしてもこのまま新鮮なお土産を渡したくて。はい、これ、山で取れたキノコと木苺です」
あんぐり。淳也、お前準備いいな……。
「ありがとう、嬉しいよ」
「淳也くん狡い!藤代さん僕も僕も!僕、湖で鱒釣ったんだ」
「そんな魚美味しくないよ、僕は川で釣った山女魚を持ってきた!」
「僕のは採れたての蜂蜜です!栄養もいっぱいあるしすっごく美味しいんだから」
「僕はこれ、あのね……」
「藤代さん、僕だって……」
「みんなありがとう。ここじゃなんだから僕の部屋に行こう。そこでお土産を貰うよ。片付けてる暇なかったから結構散らかってるけどいいかい?」
「勿論です、急に来ちゃってごめんなさい」
「じゃあ行こうか」
藤代さんは収集のつかなくなった騒ぎをさりげなく収めて皆を奥のエレベーターへと誘った。
「さあ、どうぞ入って」
藤代さんの部屋は家族用と同じ造りのようで部屋数もあり、独り暮らしにしては広かった。
ゆったりくつろげるリビングは大きな出窓からの光で明るく、その向こうにはテラスが広がっている。
「散らかっててごめんね」
「いえっ、急に押しかけてすみません」
「すぐに帰りますからお構いなく」
「おみやげ、冷蔵庫に入れてくるから適当に寛いでてね」
「「はいっ」」
藤代さんが離れていくと、皆は物珍しそうに周りを見回し始めた。
室内は無垢材の床に淡いグレイのカーペットが敷かれ、白を基調とした輸入家具でまとめられていた。大きめのカウチソファーに置かれた空色と濃紺のクッション。チェストや観葉植物……インテリア雑誌を再現したような部屋だ。センスは良いが物が少なくて少し殺風景だが、高校の時の部活らしい写真や家族写真が飾られていて、生活感がある。みんな初めて見る藤代さんの過去と家族構成に興味深々で、写真を食い入るように見ていた。
「ねえ、涼平くんあれ見て」
綾音が俺の服の袖を小さく引いた。
「あのガラスのキャニスター、いっぱいお菓子が詰まってる」
綾音が指差した北欧風のチェストの上には大きめのガラスの容器があり、中にはキャンディやクッキー、チョコレートやビスケットなどが入っている。
「藤代さま甘いものお好きなのかな。可愛い」
小さい子が喜びそうなカラフルな包みを二人で見ていると、
「ああそれ?知り合いの子にあげるんだ」
戻ってきた藤代さんがそう言ってガラス瓶から菓子を二つ摘まみ、綾音に渡した。綾音は大喜びで貰って、お礼を言って一つを俺に寄越した。
「その子の一生懸命食べる姿が可愛いんだ。ついあげたくなっちゃう」
いつもの笑顔と違う、見たことのない甘い顔。離れて見ていた皆ですらハッとなった。
「……っ、そうなんですね。藤代さま、子供お好きなんだ」
「うん好きだよ。だから子供はいっぱい欲しいな。番になってくれる人に頑張って産んでもらわなきゃ」
藤代さんは幸せそうに笑ったが、部屋の空気はその一言で張り詰めた。
彼が番の話題に触れたのはこれが初めてだった。互いを牽制し合う雰囲気が立ち込める。綾音の顔も少し強張った。
「藤代さん、僕も子供大好きです」
「僕も」
「僕だって」
「そうなんだ」
「僕んち多産の家系です。大家族になれますよ」
「それは凄いね」
「ぼくも……」
「僕だって……」
またもやアピール合戦が始まった。おっとりしてる綾音はいつも出遅れて参加しないのだが、今回も沈黙を守っている。というよりやけにおとなしい。
「綾音?」
「綾音さん、つまんないからむこうの部屋見せてもらわない?行こうよ」
「……ええ」
「おい」
皆の騒ぎにしらけた顔をした淳也が綾音に声を掛けてきた。止めようとしたけれど綾音がフラフラと付いて行ってしまったので俺も慌てて後を追った。
リビングを抜けた先は書斎だった。
壁一面の本棚には藤代さんが専攻している科目の本だけでなく、社会経済や医学書、科学の資料など多岐に渡って詰め込まれていた。勉強部屋にしているのだろう。広い机にはパソコンの大きなモニターが二台あった。机の上には欧風の雑誌と英語で書かれた経済誌、大学の専攻ゼミの資料や書きかけの論文が乗っている。
案外広い書斎使ってるんだなと意外に思った。
綾音ん家を見てるとつくづく思う。αの頭脳はホントに優秀なのだ。名家の血を色濃く引き継いでいる綾音の姉さんやオヤジさんなんかは特に凄くて、分厚い専門書でも数回パラララ……と捲れば全てを理解してしまう。俺ら凡人がやる速読どころじゃない。隅から隅まで記憶して、一字一句見逃さない。一体どんな脳の造りだ。αってのは俺らβやΩとは根本から違う人種なんだよ。ましてや稀少種なら分厚い辞書の丸暗記もお手の物、こんなに沢山の辞書も資料もいらないじゃん。最高級品の頭脳があるのにまだ何の勉強するんだよ。
そう思いながら何となく近くのノートを見たら、書きかけの分子構造式が目に入った。
うわっ、凄え。
延々と続くホスホジエステル結合の生体高分子の組成式、幾何学的なフラノース分子とリン酸エステル構造の結合。吸光度を使った融解温度の計算式と、なじみのあるRNAとDNAの二重螺旋の構造の横には、見た事のない三重、四重の螺旋の分解式が書いてある。
え、藤代さんの専門って生体科学じゃなかったよな。なにこれ、何でこんなに詳しいの。
「うわっ、凄いねー。やっぱり藤代さま、頭いいなあ」
「そんなの当り前じゃない。稀少種だよ?このくらいのことは普通だよ」
横から綾音達も覗き込んできたが、二人にはこれが何の式かは分からなかった。だが俺はその中の一部分に既視感があった。ここの部分、最近どこかで見たんだよな……
確か生体科学の講義中に教授の蛇足で出た話じゃなかったかな。難病の素となる物質の組成式だったような。脳の伝達物質を壊す性質を持つので、この部分が解明出来れば未知の難病を治す手掛かりになるとか何とか。しかしどうしても構造が分からず解明が全く進んでない、と学会で権威のあるその教授は言っていた筈。
もしかして、その構造式がいま目の前で紐解かれてる?
俺は目を疑った。
ということはこの構造式で未知の病の特効薬を作れるんじゃないか?こんな重要な組成式が個人の部屋の一角、ノートの片隅で解明されていっていいのかよ。もっと大きな専門機関の研究室で、厳重なセキュリティに守られて進められていくプロジェクトじゃねえの?
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