蜜花

河衣佳奈

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2025年以降

8月1日

私の稚拙な質問にもマスターは丁寧に答えてくれ、程よく心地よい会話とゆったりと穏やかな時間はあっという間に過ぎ、やがて閉店時間の2時になった。

正直名残惜しかった。まだまだここに居たいと思わせるお店、いや、マスターが私にそう思わせる人だった。

結局、チャージ料の1,000円だけしか受け取って貰えず店を後にした。

(また絶対にマスターに会いに行こう)

心地良い酔いの中、自宅の方へと線路を渡り切った時だった。

「お客様! すいません」

ふと振り返るとマスターが走って駆け寄ってくる。

(まさか、こんなにすぐにまた会えた!)

私は立ち止まり、ニッコリ笑いながら近づいてくるマスターの姿を見つめていた。

「マスター、どうしたんですか?」

私はちょっとだけ?期待していた。
さっき店を出たばかりで最後のお客だった私を追いかけてくれるなんて……もしかして?!と。

「良かった、いらっしゃって。携帯をお忘れだったようで」

……どうやら私は携帯をカウンターの椅子の下に落としていたらしく、それをわざわざ届けに来てくれたようでした。

「あ、あの……すいませんでした」

「駅の西口がお住まいだとおっしゃっていたので、お帰りになられるならこちらかと思い」

私はなぜかこの瞬間、スイッチが入ってしまった。この人の人柄、男性としての深い魅力を感じてしまっている自分に嘘がつけなくなっていたようです。

「マスターはご自宅はどちらですか?」

「私はここからひと駅先になりますが……」

「電車ですか?」

「いえ、普段は歩いて通ってます」

「私の家はこの先を左に曲がってすぐなんです。少しだけ寄っていきませんか?」

その時、私はどんな顔をしてマスターを誘ったのだろう? あとでマスターに訊くと、断らなきゃと頭で解っているのに、断っちゃダメだと思わせる表情、だったそうです笑。


そして私はマスターを部屋に招き入れ、私がかつて結婚していたこと。子供ができない身体であることなどを話した。するとマスターもかつて結婚していたこと。子供がひとり、一昨年成人し、それを機に会社勤めを辞める決意をし、今のお店を始めたことを話してくれた。

夜が白々と明け始め、電気を決してカーテンを閉めてしても互いの顔はハッキリと見えた。

気がつくとどちらからともなく唇を合わせ、長い長いディープキスをしながら互いの服を脱がせ合っていた。

私は久し振りに頭の中を空っぽのまま、ただただ男に愛される喜びだけに浸りながら抱かれていた。

そしてひとつになり、彼も私もただ夢中にその気持ち良さを味わった。

彼の「も、もう……い、いく、よ」

その声を耳にした瞬間、膣で彼のモノを締め付けながら大きな声を上げて私はたっしていた。

彼の熱い精子を中に受け止めながらーー
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