蜜花

河衣佳奈

文字の大きさ
24 / 33
行きずりの夜

幼馴染

高校卒業後、大阪に就職した雄大君がこの夏休みに帰省してくると、友人の美奈子から聞いた。

雄大君は幼稚園からの幼馴染で、小学校中学高、高校までずっと一緒だった。家も近かったこともあり、お互いの親のこともよく知っていたので早速親に話をしたら何故か母親が大層喜んだ(笑)。

そして半月後、美奈子と雄大君を含めた高校の同級生男女6人で飲み会が催されました。

大阪に就職した雄大君はもちろん、懐かしい顔ぶれが揃い、お酒も随分と進んだせいか、いつの間にか3組のカップルのような形になっていました。
昔から美奈子推しだったヤスヒロ君はここぞとばかりに美奈子をキープ。一番おとなしくて可愛い美幸にはサッカー部のキャプテンだった康平君が。そして私には雄大君。

ヤスヒロ君はかなり酔っているのか、美奈子が付き合ってくれるなら今の彼女とはすぐに別れる!と大きな声で(笑)。そう言えば美奈子は現在フリーなはず、、、もしかして?なんて思いながらやり取りを見ていました。

「な、なんや、あいつすげーな」

雄大君も笑いながらその光景を見ていました。

「昔から美奈子のこと好きだったもんね」
「うん。いっつも美奈子の話ばっかりしてたわ」

そう言って二人で笑っていると、康平君は真面目な顔をして美幸を見つめ、小さな声で何か話しています。美幸もそれを真剣な面持ちで聞きながら、微笑んだり、時には目に涙を浮かべたり。

「なんか、まだ青春してるって感じやな」

雄大君は独り言のようにそう言うと、チューハイのジョッキを一気に飲み干しました。

「雄大君はどうなん? 昔っからあんまり女の子の話しないけど、大阪で彼女とかできたん?」

「そんなんおらんし、必要ないよ」

「えっ? もしかして雄大君って、こっち?」

ちょっぴりふざけて同性愛者なの?って仕草をしてみた私に、

「そんなんちゃうわ!」と大笑い。

「なんか良いね、幼馴染って……」

屈託のない雄大君の笑顔を見つめながらボソッと言ってしまった私を、黙ってじいーっと見つめ返す雄大君。

「ど、どうしたの?」

「い、いや……佳奈もすっかり大人になったなって」

そう言ってタバコに火を点けた雄大君を見て、初めて彼にを感じてしまいました。


暫くすると康平君が立ち上がり、
「ごめん、ちょっとうちら行くとこできたから先に出るわ」と、美幸の手を引いて店を後にしました。

「おいおい、アイツらマジかよ」
ヤスヒロ君は興奮気味にそう言って、
「な、うちらも行くとこあるよな?」と美奈子に向かってモーションをかけます。

すると根負けしたのか、まんざらでも無かったのか、もしくはノリでなのか、美奈子までもが、
「あるかもしれんね。どうする?」とか。

ヤスヒロ君は目に見えて顔を喜ばせると、「そやそや! 早よ行かないかん! ごめん、うちらも先に出るわ」と、美奈子の腕を引きながら店を後にして行きました。

感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

危険な残業

詩織
恋愛
いつも残業の多い奈津美。そこにある人が現れいつもの残業でなくなる

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。