人形の家

あーたん

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第四章

嘘と本当

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担任「塩野、なぜ笑っている…。咲が殺されて…あいつら……嘘ついて……」




渚は言った。


「嘘をついてるのは私の方だよ先生?」


担任「どういうことだ!!」

怒鳴りたてる担任。


渚「まぁまぁ先生、落ち着いて?」
「直美と涼香もごめんね。」


直美「どういうことなの?渚??」



渚「まぁ今の話は、先日までの私が思っていたこと」


涼香「盗聴のこと…」


渚「あ、それはいいよ!大丈夫だから!
後あれ、捕まったように見せかけただけだから!盗聴も全部気づいてて、取ってもらいに行っただけだから!」


涼香「ごめんなさい…」


渚「罪滅ぼしとして本当の事話してくれる?
あの日あった事」



涼香は涙をためながらゆっくり話し始めた。


「咲と凌也が抱き合ってたのを見ちゃって
すぐ直美に相談したの」


「凌也に聞いたら?って言われたんだけど怖くて…。今でも聞けてない。」


「あの日…珍しく5時間目に全校集会があって
授業じゃないし、サボって
直美と…咲に話をしようって」


直美が言った。

「咲を許せない気持ちも分かるけど、
話をしてみないと分からないと思って」

「咲を屋上に呼んだんだ。」


✄-----------‐--当時-------------✄‬


直美「咲、話があんだけど」

咲「うん」

涼香「あの…この前…凌也と抱き合ってたでしょ?」

咲「うん」

直美「凌也が涼香の彼氏なのわかってるよね?」

咲「わかってるよ」

涼香「好きなの?凌也のこと」

咲「うん、好きだよ。」

直美「ふざけんなよ!!」

咲「でも、涼香の彼氏なのはわかってるし、
好きなのは好きだけど、取ろうなんて思ってないよ」


涼香「好きなのも許せないの。
私の凌也なの。今すぐやめてよ。」


咲「無理よそんなの。」


涼香「なんで…取ろうと思ってないのに、抱き合ったの…。」


咲「抱きしめてって言ったの私が」

直美「言ってることとやってること違うじゃん」

咲「でもいいでしょ?凌也が選んだのは涼香だよ?」

涼香「ふざけるなよ。人の彼氏と抱き合っといて…」

直美「ほんとだよ!!」

咲「選んでもらったんだからいいと思いなよ」


涼香「もう、凌也を好きなのやめてよ…。
辞めれないなら死んでよ!!今すぐ!!!死ねよ!!!」

泣きながら走って校内に戻ろうとする涼香。
直美は涼香を追いかけた。


✄------------------------‐------✄‬


涼香「それで、廊下でしばらく泣いててずっと直美がなぐさめてくれてた…」

言葉に詰まる涼香。


直美が重い口を開いた。

「物音がして外を見たんだ。
そ…そしたら…上から落ちていく…咲を見て…」


涼香「私が死ねって言ったから……
咲は…咲は……」

直美「怖くなったうちらは、
落ちた咲を見れないまま、
ずっとその場で泣くしか出来なかった」

「5時間目の全校集会が終わる前に父さんに連絡した。」

「父さんはすぐ救急車を呼ぼう!!
って言って呼ぼうとしてくれたんだ。」

「でも、もうあれから時間が経ってたからもう無理だよって思って……怖かったけど…下を見たら…」


涼香「咲……いなくなってた……
慌てて教室に戻ったら…荷物も何も無くて……」

直美「そこから、もう咲は…いなくなった…」

涼香「私のせいで……咲は……。
凌也のことは許せないけど……
でも本当に死ねなんて思ってなかった」


「いなくなるなんて……謝りたいけど謝れない…」


再び渚のLINEが「ピンポーン」と鳴った。

廊下から誰かが走ってくる音がする。

教室のドアが開く


凌也「はぁ…はぁ…涼香!!違うんだよ!!」

涼香「え?凌也??」


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