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第37話 失恋も二度目の方が…
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「デルフィーヌ・ド・ロワーヌ。本日付で、正式文官に任命する。行政文官職2級2号給を給する。宰相室勤務を命ずる」
「……『雑務係』が消えてる」
「最初の1か月は試用期間だったからね。裁量権を伴うような責任ある仕事は任せられなかったんだ。今日からはチームの一員として、存分にその能力を発揮してもらうよ?」
「え?」
「デルフィーヌ。正式任官、おめでとう!」
「そんな、私、てっきり……」
「体よく雑用係として扱われたと思わせちゃったかな」
「……わたし、みんなから疎まれてるんだって。私のこと、早く辞めさせたくって、意地悪されているんだって思ってました」
「だそうだぞ? お前たち」
宰相が少しだけ開いている扉へ向かって声をかけると、ドドッと先輩たちが室内に雪崩れ込んできて、口々に「おめでとう!」と言って拍手をしてくれた。
「ううっ……」
「おい、泣くなよ」
「だって、だって……」
「悪かったよ、誤解させるような真似をして」
「ぐすんっ」
「今夜はフィーヌの任官祝いに美味いレストランを予約してあるんだ。だから、機嫌直してくれ」
「……ステーキが食べたいです」
「おう! なんでも注文していいぞ」
「デザートも」
「好きなだけ食え!」
「ソフィーも連れて行きます」
「そ、ソフィー? 誰かな、それは?」
「ぐすんっ。私を励まし続けてくれた侍……友人です」
「おお、そうか。……うん、そのお友達も呼んで一緒に祝おう。な?」
「ぐすんっ。ちなみに、ソフィーは恋人もちなので手出し禁止です」
「お、おうっ、分かった」
侯爵令嬢という肩書も、殿下の妃候補という地位も、長年貼り付けていた役割という名の鉄仮面も全部取り払って素顔の自分を見せるようになったら、大きな変化が起きた。
周囲の私に対する態度だけじゃない。私自身も、今までとは想像もつかないくらい感情を表現するようになった。こんなふうに人前で感極まって泣いてしまうなんて、以前の自分では考えられなかったことだ。
皆にもっと、本当の自分を知ってもらいたい。
だから、こうやって人に弱さを見せられる自分も、大切にしたいと思うのだ。
その夜は、ソフィーも招いて宰相室の先輩たちが私の任官を祝う食事会を開いてくれた。後から殿下も来てくれると聞いていたのだけれど、急遽、帝国への外遊が決まったとのことで、一緒にお祝いすることは適わなかった。
そうして正式な文官として働き始めた私は、水を得た魚のように妃教育で習ったことを実務に活かしていった。
お化粧も不要だから朝はギリギリまで寝ていられるし、着飾る必要もないから女性騎士に似せた白シャツに黒ズボンといった出で立ちで通勤している。
騎士に似せた洋服を着ていれば、王宮内の広ーい回廊を走っていても注意されることはない。女性騎士に向かって、「廊下は走っちゃいけません!」 「淑女が足首を見せてはいけません!」なんてことは、誰も言わないからだ。ただの文官だとバレちゃう日までは、この格好を続けるつもりでいる。
あぁ、なんて自由なんだろう!
文官たちが利用する食堂では、自分の好きなメニューを、自分で選んだ席で、自分が食べたい人と一緒にとることができる。もちろん、横目でマナーをチェックする人もいなければ、牽制し合うライバルもいない。
なんという解放感っ!
生まれて初めて味わう自由を謳歌していたら、あっという間に1か月が経ち、季節は夏から秋になった。
その間、殿下の姿を遠くから何度か見かけた。
というのも、私が任官されるのと同時に、殿下とのお茶会が多忙を理由になくなってしまったからだ。
そうして3週間前。帝国から殿下が帰国するなり、妃候補だった全員がその任を解かれることとなり、主を失った離宮は閉鎖されることになった。
そして、それと前後するように、とある女性が迎賓館に迎え入れられた。
「――こんにちは」
「?」
「宰相室のフィーヌさんですよね? 外務省に勤めているピエールです。以前、図書館でお会いしたんですが……」
「あぁ、あの節はどうも」
正直、全っ然覚えてないけれど、 生まれ変わった私は「無難な会話」という大技を修得したのだ。
エヘン!
「おでこ、治るまでまだ時間がかかりそうなんですか?」
実は2週間前、王立図書館の書庫で分厚い図書を片手に梯子を降りていたとき、バランスを崩して書架におでこを強打してしまったのだ。
「もう痛みはないんですが、あと1週間くらいはガーゼが外せなくて」
「そうですか。あっ、資料お持ちします。ガーゼで視界が遮られるでしょう? よかったら僕の腕に掴まってください。宰相室までご一緒しますから」
「助かります」
「いいえ。いつでもどうぞ」
おでこを白いガーゼで覆った姿が余程目立つのか、図書館へ行っても食堂へ行っても、誰かしら声をかけてくれて、棚から本を取ったり資料や食事を運ぶお手伝いをしてくれる。しょっちゅう、あちこちぶつけては青タンを作っている私を見かねてか、最近は歩行介助を申し出てくれる有難い人まで現れている。
「あれ? 珍しいですね、リシャール殿下だ。ミス・エライザとご一緒か」
回廊の向こうに、衛兵を引き連れてエライザ様をエスコートしている殿下の姿が見えた。内緒話でもするみたいに頬を寄せ合っている様子から、2人の親密さが見てとれる。
「……絵になる2人ですよね」
「本当に。今、帝国担当の部局は蜂の巣をつついたような騒ぎですよ」
「?」
「水面下で殿下との婚約が進めれている噂はご存知でしょう? 今回のミス・エライザの長期滞在は、将来を見据えて王国王室の文化習慣を学ぶためだと言われています」
「そうでしたか」
婚約の話は、私の耳にも入っていた。正式任官されたお祝いの席で、宰相室の先輩たちが噂していたのだ。急遽、帝国を訪問することになった殿下の目的が、帝国のお姫様への求婚にあるらしいということを。
帝国のお姫様――そう聞いた時、真っ先に思い浮かんだのはエライザ様の穏やかな微笑みだった。
私は、殿下の幸せを願っている。エライザ様なら、文句なしに王太子妃に相応しい。心から、そう思う。
なのに――2人のことを心から祝えない狭量な自分がいる。
殿下の茶飲み仲間になれて、私の人生観を変えてくれるほど嬉しい言葉をかけてもらえて、殿下の特別な存在になれているかもしれないなんて勘違いをした自分の浅はかさが恨めしい。
今振り返ってみると、こう思うのだ。
私が体調を崩したり情緒が不安定になったとき、すぐに気づいてくれたのも。
つまづいた時にすぐ助けられるよう手首を掴んでエスコートしてくれたのも。
全部、レオナルド殿下にやっていたことだったのではないかと。
私のことを「望まれている存在だ」と言ってくれたのも、病気がちで影の存在になりつつあったレオナルド殿下にかけていた言葉だったのではないかと。
殿下も私と同じように、私にレオの面影を重ねていたのかもしれない。
「よかったのよ、これで。身の丈に合わない恋なんて、自分が傷つくだけだもの」
エライザ様との噂を耳にしてからというもの、何度もそう自分に言い聞かせてきた。
けれど。
アナフィラキシー反応と同じように、失恋も2度目の方が重いみたいだ。
だから私は、殿下への想いを断ち切るように仕事に邁進することにした。そうして、あの事件が起きた。
「……『雑務係』が消えてる」
「最初の1か月は試用期間だったからね。裁量権を伴うような責任ある仕事は任せられなかったんだ。今日からはチームの一員として、存分にその能力を発揮してもらうよ?」
「え?」
「デルフィーヌ。正式任官、おめでとう!」
「そんな、私、てっきり……」
「体よく雑用係として扱われたと思わせちゃったかな」
「……わたし、みんなから疎まれてるんだって。私のこと、早く辞めさせたくって、意地悪されているんだって思ってました」
「だそうだぞ? お前たち」
宰相が少しだけ開いている扉へ向かって声をかけると、ドドッと先輩たちが室内に雪崩れ込んできて、口々に「おめでとう!」と言って拍手をしてくれた。
「ううっ……」
「おい、泣くなよ」
「だって、だって……」
「悪かったよ、誤解させるような真似をして」
「ぐすんっ」
「今夜はフィーヌの任官祝いに美味いレストランを予約してあるんだ。だから、機嫌直してくれ」
「……ステーキが食べたいです」
「おう! なんでも注文していいぞ」
「デザートも」
「好きなだけ食え!」
「ソフィーも連れて行きます」
「そ、ソフィー? 誰かな、それは?」
「ぐすんっ。私を励まし続けてくれた侍……友人です」
「おお、そうか。……うん、そのお友達も呼んで一緒に祝おう。な?」
「ぐすんっ。ちなみに、ソフィーは恋人もちなので手出し禁止です」
「お、おうっ、分かった」
侯爵令嬢という肩書も、殿下の妃候補という地位も、長年貼り付けていた役割という名の鉄仮面も全部取り払って素顔の自分を見せるようになったら、大きな変化が起きた。
周囲の私に対する態度だけじゃない。私自身も、今までとは想像もつかないくらい感情を表現するようになった。こんなふうに人前で感極まって泣いてしまうなんて、以前の自分では考えられなかったことだ。
皆にもっと、本当の自分を知ってもらいたい。
だから、こうやって人に弱さを見せられる自分も、大切にしたいと思うのだ。
その夜は、ソフィーも招いて宰相室の先輩たちが私の任官を祝う食事会を開いてくれた。後から殿下も来てくれると聞いていたのだけれど、急遽、帝国への外遊が決まったとのことで、一緒にお祝いすることは適わなかった。
そうして正式な文官として働き始めた私は、水を得た魚のように妃教育で習ったことを実務に活かしていった。
お化粧も不要だから朝はギリギリまで寝ていられるし、着飾る必要もないから女性騎士に似せた白シャツに黒ズボンといった出で立ちで通勤している。
騎士に似せた洋服を着ていれば、王宮内の広ーい回廊を走っていても注意されることはない。女性騎士に向かって、「廊下は走っちゃいけません!」 「淑女が足首を見せてはいけません!」なんてことは、誰も言わないからだ。ただの文官だとバレちゃう日までは、この格好を続けるつもりでいる。
あぁ、なんて自由なんだろう!
文官たちが利用する食堂では、自分の好きなメニューを、自分で選んだ席で、自分が食べたい人と一緒にとることができる。もちろん、横目でマナーをチェックする人もいなければ、牽制し合うライバルもいない。
なんという解放感っ!
生まれて初めて味わう自由を謳歌していたら、あっという間に1か月が経ち、季節は夏から秋になった。
その間、殿下の姿を遠くから何度か見かけた。
というのも、私が任官されるのと同時に、殿下とのお茶会が多忙を理由になくなってしまったからだ。
そうして3週間前。帝国から殿下が帰国するなり、妃候補だった全員がその任を解かれることとなり、主を失った離宮は閉鎖されることになった。
そして、それと前後するように、とある女性が迎賓館に迎え入れられた。
「――こんにちは」
「?」
「宰相室のフィーヌさんですよね? 外務省に勤めているピエールです。以前、図書館でお会いしたんですが……」
「あぁ、あの節はどうも」
正直、全っ然覚えてないけれど、 生まれ変わった私は「無難な会話」という大技を修得したのだ。
エヘン!
「おでこ、治るまでまだ時間がかかりそうなんですか?」
実は2週間前、王立図書館の書庫で分厚い図書を片手に梯子を降りていたとき、バランスを崩して書架におでこを強打してしまったのだ。
「もう痛みはないんですが、あと1週間くらいはガーゼが外せなくて」
「そうですか。あっ、資料お持ちします。ガーゼで視界が遮られるでしょう? よかったら僕の腕に掴まってください。宰相室までご一緒しますから」
「助かります」
「いいえ。いつでもどうぞ」
おでこを白いガーゼで覆った姿が余程目立つのか、図書館へ行っても食堂へ行っても、誰かしら声をかけてくれて、棚から本を取ったり資料や食事を運ぶお手伝いをしてくれる。しょっちゅう、あちこちぶつけては青タンを作っている私を見かねてか、最近は歩行介助を申し出てくれる有難い人まで現れている。
「あれ? 珍しいですね、リシャール殿下だ。ミス・エライザとご一緒か」
回廊の向こうに、衛兵を引き連れてエライザ様をエスコートしている殿下の姿が見えた。内緒話でもするみたいに頬を寄せ合っている様子から、2人の親密さが見てとれる。
「……絵になる2人ですよね」
「本当に。今、帝国担当の部局は蜂の巣をつついたような騒ぎですよ」
「?」
「水面下で殿下との婚約が進めれている噂はご存知でしょう? 今回のミス・エライザの長期滞在は、将来を見据えて王国王室の文化習慣を学ぶためだと言われています」
「そうでしたか」
婚約の話は、私の耳にも入っていた。正式任官されたお祝いの席で、宰相室の先輩たちが噂していたのだ。急遽、帝国を訪問することになった殿下の目的が、帝国のお姫様への求婚にあるらしいということを。
帝国のお姫様――そう聞いた時、真っ先に思い浮かんだのはエライザ様の穏やかな微笑みだった。
私は、殿下の幸せを願っている。エライザ様なら、文句なしに王太子妃に相応しい。心から、そう思う。
なのに――2人のことを心から祝えない狭量な自分がいる。
殿下の茶飲み仲間になれて、私の人生観を変えてくれるほど嬉しい言葉をかけてもらえて、殿下の特別な存在になれているかもしれないなんて勘違いをした自分の浅はかさが恨めしい。
今振り返ってみると、こう思うのだ。
私が体調を崩したり情緒が不安定になったとき、すぐに気づいてくれたのも。
つまづいた時にすぐ助けられるよう手首を掴んでエスコートしてくれたのも。
全部、レオナルド殿下にやっていたことだったのではないかと。
私のことを「望まれている存在だ」と言ってくれたのも、病気がちで影の存在になりつつあったレオナルド殿下にかけていた言葉だったのではないかと。
殿下も私と同じように、私にレオの面影を重ねていたのかもしれない。
「よかったのよ、これで。身の丈に合わない恋なんて、自分が傷つくだけだもの」
エライザ様との噂を耳にしてからというもの、何度もそう自分に言い聞かせてきた。
けれど。
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