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第六章 聖なる夜に(後編)
うしろ *
しおりを挟む真琴は楔を離さない。
「こら!」
「ぜんぶほしいのっ」
「――! どうなっても知らねえからなっ」
鷹城の腰が一瞬強ばってから、ぶるりと震えた。口内に熱いものが流れ込んでくる。
「んっ! んんー……っ」
真琴は粘りのある体液をなんとか飲み下した。辛みと苦みが混ざったような独特な味だった。
「まじかよ……。飲んだのか……?」
鷹城が荒い息で訊いた。
真琴は頬を赤らめながらこくりと頷いた。
「お前、すげえな……。普段と酔った時のギャップが……」
真琴は恥ずかしくなったが、しかし全て酒のせいだと思うことにする。
それよりも、もっと重大な問題があった。お尻の奥がうずいて堪(たま)らないのだ。
ただ鷹城の楔を舐めていただけなのに、ひどく興奮しているのか、真琴のものもすでに硬くなっている。
(うしろ……ほしい……)
就寝前の自慰では、すでに前を刺激するだけでは足りなくなっていた。行為は日を追う毎にエスカレートし、今では指で蕾をなぐさめなくては終わらない。
(がまんできない……はやく)
真琴は蜜で湿ったトランクスを脱ぎ捨てた。露わになった股間が夜気にさらされて、ぶるっと寒気がした。
「……お、おい。まだやるのか」
鷹城は目をみはった。
「全然たりない……」
真琴は再び鷹城の脚をまたいで膝立ちになる。そのまま後ろから手を回し、蕾へ指を伸ばした。
その扇情的な姿に、鷹城のものがまたすぐに兆し始める。
真琴は秘部に指を入れようとして、乾いた痛みに顔を歪める。
「い、たい……っ」
「おい、なんか濡らすもんないのか。ジェルとか、ゼリーとか」
心配そうに鷹城が言った。
「そんなものない……」
少しでも潤いを足そうと指を舐め、再び蕾を慣らした。しかし先程と対して変わらず、痛みはなくならない。
苦しげに声を漏らす真琴を見かねて、鷹城が口を出す。
「そんなんじゃ駄目だ。もっと濡らさないと。――おい、鏡台に茶色の紙袋があるだろう。あの中を開けてみろ」
「紙袋?」
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