官能小説家と家政夫【完全版】

第六章 聖なる夜に（後編）

主導権 ＊

　しかし鷹城止まらなかった。真琴の放ったものをすくい、ペロリと舐める。

「んー……、苦いな」
「ひっ……！　なにしてんの……？！　やめて、きたないっ」
「お前も俺の飲んだだろ」
「おれはいいのっ」
「勝手な奴だな……。まあいいさ。次はお前のも飲ませろよ」

　鷹城がにやりと笑った。その妖しげな笑みに真琴はドキドキしてしまう。

「――ほら、集中しろ」

　鷹城が真琴の太ももを抱え直した。指を抜き、蕾に凶暴な楔の切っ先を当てる。

「……！」

　ひやっとした感触に真琴は身震いした。

「力抜いとけよ……」

　鷹城が先端をゆっくりと蕾に沈ませた。質量の大きな物に内側を犯される。
　真琴は背を弓なりにして目を見開いた。

「……っは、あ、ああー……！」

（これ……このかんじ……！）

　約四ヶ月ぶりの鷹城の熱。渇望していたものをやっと与えられた歓びで真琴は震えた。
　鷹城によって潤いが足され、丹念に慣らされたせいか、痛みは全く感じない。むしろその分強烈な快感がダイレクトに襲ってくる。

「っあ、はぁ……んっ、あんっ……」

　腰を巧みに打ち付けられて、口から意味の無い言葉しか出なくなる。やっと主導権を取り戻した反動か、鷹城は自由に真琴を苛（さいなん）んだ。
　結合部から潤滑ゼリーと、体液が混ざったいやらしい音が漏れる。

「あっ、ひぁ……んっ、ンぁ……っ」
「――……やっぱきつい。お前のなか。でも気持ちいい……」
「ひっ、ああん……うれ、し……！　もっと、もっとおれで、感じて……っ」
「……っ！　可愛いこと言うんじゃねえよ……。手加減できなくなる」
「しなくていい……っ！　いっぱい気持ちよくなって……！」

　鷹城は内壁をこするようにゆっくりと出し入れした後、今度は前立腺を集中的に攻めた。先端のくびれの部分がちょうどそこに当たり、真琴は甘い愉悦に足の指が丸まってしまう。

「あっ……そこぉ」
「ここ、好きか」
「すき、……あんっすきぃ……っ」
「そういや……まだあったよな？　お前の好きなとこ」

　と真琴の薄い胸に手を伸ばした。桃色の乳首をつまむと、蕾もきゅんと疼く。

「んあっ……そこ……！」
「好きだよな、乳首。こうやってつねられると、中が絞まる」
「あんっ……いっちゃヤダ……んっ」
「潰されるのも好きだろ？」
「ひゃんっ」

　言葉に出されながら責められると、快感が倍になるようだ。真琴は枕に後ろ頭をこすりつけて身もだえる。

「舐められるのも、好きだったよな」

　と前屈みになり、真琴の乳首を口にふくんだ。そのまま舌で転がされ、時折唇で軽く引っ張られると、愉悦に耐えられずに淫らに腰がくねってしまう。
　いつの間に自分はこんなに快感に弱い体になってしまったのだろうか。
　そう思うくらい今の自分の反応は過激だった。これでは淫乱と呼ばれても仕方ない。それくらい、真琴は鷹城の下で乱れた。

「あっ……せんせ……！　あっんっ、」

　真琴は自然と鷹城の首にすがりついた。頭を抱え込むほど抱きつくと、腰と腰が密着し、さらに結合が深くなる。互いの腹に挟まれて、真琴のものがこすられると、それもまた甘い刺激になった。

「ぁ……あ、ン……ひあっ、だめっそれ、ダメッ」

　先程果てたばかりだというのに、真琴のものはもう膨らみ始めていた。自身が放った白い蜜が、茎に絡んでとてもいやらしい。根元に映えたささやかな下生えまでしっとりと濡れている。

「駄目じゃない。好きなんだろう……？」
「っあ、あぁ……んっんんっ」

　感じすぎて答えられない。それを逆手にとって、鷹城は質問をヒートアップさせていく。

「ここをいじられるとどんな感じだ？　教えてくれよ」
「そ、んな……はっ、ひぁ、あんっ……！」
「どうやって虐められたい？　俺にどうして欲しい？」
「いえな……！　ひぁ、ううっ、くふっん……っ」