卵が先か鶏が先か

但馬憂姫

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三章

※キミとレコードと私

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「うぉっ、すげーっ!!!!」

拓海の部屋に入った俺の第一声が、コレ。

何畳あるんだ?ってくらい広い。ホテルのスイートルーム並み。
ベットも一人で寝るには広すぎるくらいのキングサイズ。
唯一ホテルと違うのは部屋の中にトイレやバス、洗面、ミニキッチンとかないところ。
ふと視線を移すと、あった。
アンティーク調の本格的なレコードプレイヤーに、その横に置いてある棚にはぎっちりとレコード。結構な量だ。何枚くらいあるんだろう?

「クローゼットも見てみる?」
「うんっ!」

…これ、クローゼット、じゃなくて部屋、だな。
俺ここで住めるぞ? ってレベル。
んで、男一人でなんでこんなに多いんだってくらいの服、服、服、時々帽子、靴。
ここが洋服屋だと言われても信じるレベル。

「なんでこんなに多いんだ?」

素朴な疑問をぶつける俺に、苦笑混じりの答えが返ってきた。

「自分で買ってるわけじゃ、ないからなあ。どんどん増えちゃって。兄さんと義姉さんが買ってきてくれたりして。ありがたいけど、流石に着れないよね」
「毎日違う服着れるな」
「だよね。でも、普段制服だしあんま着る機会もなくてさー」

そんな会話をしながらクローゼットから出て部屋へと戻る。

「何か好きな曲とかある?」

レコードを物色しながら拓海が聞いてくる。

「んー…俺レコードとか聞いたことないし、最近のJ-POPしか知らないからお任せする」
「了解。じゃあ…あった、これがいいかな」

一枚のレコードを取り出し、ケースから慎重に取り出すと、プレイヤーにセットする。ドーナツ盤の溝とにらめっこしながら、慎重に針を落とし…曲が流れ始めた。
あ、なんかこの曲聞いたことある。
何気なしにベットに腰掛け、静かにレコードの音に耳を傾ける。時折混ざるジジジという音もなんだか耳に心地いい。レコードもいいなあ、とぼんやり思っていると、隣から視線を感じた。

「拓海…?」
「諒…本当にありがとう」
「え、何が?」
「この家に来てくれて」
「いや、それはこっちがお礼言うことじゃん」
「んーん。家族じゃなく、俺を選んでくれて、すごく、凄く嬉しくて」
「いや、だって…ほら、この前言ったじゃん」
「うん、だから、嬉しかったんだ。ありがとう」
いや、そんなお礼言われることじゃ、って…あれ? 拓海…泣いて、る?

「ちょっ、拓海、どうした!?」
「え、あ、何かうれし泣き?」

その時の頬を涙で濡らしながら微笑む拓海が可愛くて、愛おしくて。
俺は、ほとんど無意識に、拓海の頬に落ちた涙を、舐め取っていた。

「っ、諒!?」
「あ、ごめん!!」
「えー、なんで謝るの?」

驚いた顔をしたのは一瞬。慌てる俺に、くすくす笑いながら見せた表情はいつもの余裕綽々な顔。

そして俺は、そのままベットに押し倒された。



「んっ、や、たく、みっ…そこ、だ、めっ…」
「だめ、じゃないでしょ? いい、の間違えでしょ? ほら、ココもこんなに大きくなってるよー?」

楽しげに笑いながらも手は緩めてくれず。ナカを掻き回されて乳首を甘噛みされされ、堪えきれずに身を捩る。

「諒から誘ったんだからね? 責任、取ってよね?」
「ちがっ…」
「ちがく、ない」

そう言って、拓海は俺の口唇を塞いだ。
ほんの少し開いた隙間から舌を侵入させ、今度は口内を侵してくる。頭の隅が痺れるような感覚に思考能力が停止しかける。

「んっ…ふ、ぁっ…」

わざとらしく音を立てて口唇を離した拓海は、俺の耳元で低く囁いた。

「ねえ、入れていい?」

こんな状態の俺に、拒否権などなく。理性と快楽の狭間で彷徨っていた俺は、一瞬、ほんの一瞬だけ悩んで、おもむろに頷いた。

「ぁ…んっ、ぁあっ、やっ、たく、みっ…」
「だいじょう、ぶっ、我慢しないでイっていいか、らっ…」
「んっ、ぁ…で、もっ…」

いっしょに、イきたい…

そんな気持ちを知ってか知らずか。

「じゃあ…一緒にイこ?」

より一層激しさが増していき…白いモノが飛び出した瞬間、俺は意識を失った。



「あ、起きた。大丈夫?」

笑いながら顔を覗かせてくる拓海。

そうか、俺意識飛んで....

「諒があまりにも可愛いから、加減できなかったー。ごめんね、大丈夫? つらくない?」
「あ、うん。大丈夫」

いつの間にか音が止まっていた。

拓海は俺の横にごろん、と寝転がると、今日はこのままのんびりしようかー、と言ってきた。
全面的に賛成だ。

「じゃあ、のんびりできるように色々買い込んでくる。諒は休んでてー」

そう言うが早いがベットから飛び起き、上着を羽織り、財布を掴んだ。
いってきまーす、とひらひら手を振って、部屋を出ていく。

嬉しいような恥ずかしいようなくすぐったいような、そんなよくわからない感覚に支配されながらも、なんか心地よくて、俺は静かに目を閉じた。



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