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第1章
第63話 もがれた蝶の羽は
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真っ黒でありながら、喪服に見えないよう王太子殿下の深い緑色で刺繍されたドレス。以前姉に着せられた姉の趣味である細身で薄い色だったドレスとは真逆の装いに、息が止まりそうな程きつくコルセットを装着させられたことも忘れレイは鏡の中の自分をただ眺めていた。
ときめいているわけじゃない。自分には女装趣味も、女になりたいという思いもない。
首許や手は布で覆い隠し、男であることを知られないようになるべく体型を隠すフリルが多く使われた装い。それでも身体の細さはむき出しになった二の腕からも伝わる。筋肉も少なく、これでは男に見えることはないだろう。
顔は原型をほんのりと留める程度に濃く化粧を施された。男らしくないことでコンプレックスだった顔の特徴を最大限活かすような化粧は、レイを美少女へと変えていた。
せめて年相応の美女に見えたなら良かった。そんなことを思ってしまうほど、現実逃避をしてしまう。
「時間だ。控室に向かうぞ、レジーナ」
王太子殿下によって決められた偽名で呼ばれ、レイはこくりと頷く。いくらダンスの練習をさせられてもついぞ履き慣れなかった高いヒールで歩き、彼の腕に手を添えた。
「ふむ、悪くない」
何が悪くないだ。婚約者殿に許可を得たとは言っていたが、裏切りじゃないのか。
言葉を発せないまま、レイはじとりと王太子殿下を睨む。
「そんな可愛い顔をされてもな。キスしたくなるからやめてくれ」
「ふざけんな」
「その悪態も会場では言わないように」
嫌悪から思わず出てしまった悪態を窘められ、嫌そうな表情を隠さないまま王太子殿下によって水晶宮から久し振りに外へと連れ出される。
月の光が眩しい。こんなに眩しかっただろうかと思わず空を見上げ、エディの白金色をした髪を思い出しながら眺めていると、隣にいた王太子殿下によって強く手を引かれた。
「愛おしそうに見るな、妬ける」
「……婚約者殿が聞いたらどう思うでしょうね」
「はっ、聞かせないさ。そもそもお前のことはどうとも思っていないと告げてある。この姿は別だとは言えんがな」
「気色が悪い」
「まずいな、変な扉を開くかもしれん」
その扉の向こうにでも行ってもう戻ってこないでくれ。気持ち悪い。
レイは一歩踏み入れた瞬間から口をきくなと言われている真珠宮の中へと通され、王族専用の控室に案内された。
王太子殿下は控室に入るなり国王陛下がいないとわかるとレイから離れ、シンディ殿下と会話をしに行く。座ってもいいものかわからずにレイが壁際で小さくなっていると、その隣にマノンがやって来た。
「馬子にも衣裳じゃない」
「……」
「嗚呼、話すなと言われているんだったわね。……今日のエドガーのお相手、誰だか知っていて?」
ふるふると、小さく首を振る。王太子殿下は結局教えてくれなかった。
マノンは不機嫌を隠しもせず、吐き捨てるようにその相手の名を告げて来た。
「クレスウェル女公爵よ。気に入らないわ、本当に気に入らない」
誰だろうか。女公爵がいたということすら知らないレイは首を傾げた。
クレスウェル家は確か老齢の公爵閣下が当主のはずだ。式典の際に遠くから見た彼は真っ白く長い髭を蓄えた好々爺だった印象がある。流石にあれが女とは思わないが、はて。
レイの反応が薄いことが気にいらないのか、マノンは続ける。
「貴方も気の毒ね、子爵の息子と女公爵とじゃ勝ち目なんてないじゃない。諦めさせられて良かったのよ。……私も、そうだけれど」
彼女もまたエディに想いを寄せていたひとりだった。エディを想いながらも諦めざるを得なかった、今のレイと同じ。
レイが声をかけられずにただ見つめていると、控室の扉がまた開く。やって来たのはマクシム殿下だ。
マクシム殿下はまだ幼いため、舞踏会への参加は認められていない。だが控室までであればやって来て家族と話ができるためにやって来るかもしれないとレイはあらかじめ王太子殿下に教えられていた。
王太子殿下から位の高い順に挨拶をしていたマクシム殿下はシンディ殿下と言葉を交わした後、レイを見るなり硬直した。何だろうか、そう思いながら首を傾げいつものように軽く手を振ってやると、シンディ殿下の後ろに隠れてしまう。
「……?」
「ふふ、貴方本当の女性だと思われているんじゃなくて?」
「は、……ぁ、やべ」
意味が解らずに思わず声を出してしまい、慌てて口を押さえる。マノン殿下のパートナーとして連れて来られていた男性も驚き目を丸めていたが、それ以上にマクシム殿下が驚愕の表情を浮かべていた。
「レイ!」
黒いドレスを纏った女の正体がレイだと知ったからか、マクシム殿下は勢いよくレイのもとに走って来た。その勢いのままに抱きつかれ、慣れないヒールで立っていたレイは思わずよろけてしまう。
それを抱きとめたのは、いつの間にやらすぐ近くまで戻って来た王太子殿下の力強く逞しい腕だった。
「おい、大丈夫か?」
王太子殿下が問いかけてくるも、腰に回る腕に寒気が止まらない。かつてデプレに抱いたのと、同じ怖気が走った。
「ひっ……」
「そんなに露骨な反応をされると傷つくな。マックス、レジーナだ。レイではない」
「……れ、レジーナ?」
「嗚呼。今日此処にレイはいない。少なくともエドガーが婚約を発表するまでは。なぁ、レジーナ?」
「……」
この舞踏会にレイが連れて来られたのは、きっとレイがエディを諦めるためだけじゃないんだろう。
エディがレイをレイだと理解して、その目の前で他の誰かとの婚約を発表させるため。決別させるためだ。
本当に、性格が悪い。レイが何も言わずに王太子殿下を睨むと、王太子殿下は笑い手袋を脱ぎ、素肌で目尻に触れてきた。
「そんなに睨んでも、もう舞踏会は始まる。約束通り、ダンスの時間までは顔を隠しているように」
悪趣味な、黒い蝶が刺繍されたベール。頭に掛けていたそれで顔を隠され、レイはマクシム殿下を見下ろす。
マクシム殿下はレイをじっと見上げていた。
「レイ、レジーナ、もし辛いのならぼくが」
「おい、兄のパートナーを口説くんじゃない。お前はまだ舞踏会に出られない子供だろうが、もう部屋に戻れ」
「でも」
「お前にはまだ早い。ほら、もう戻って寝る時間だぞ」
クリノリンやペチコートで膨らんだドレスから引き剥がされ、マクシム殿下は侍従達によって控室の外へと連れ出されてしまった。
嗚呼、名残惜しい。今の自分にとって唯一の癒しだったのに。
レイは溜め息を噛み殺し、王太子殿下の腕をとる。
「今日が終われば、お前も自由の身に戻れる。独身寮の方も掃除は終わらせてある、明日からは栄えある王太子直属の文官だ」
「……望んでない」
「口をきくなと言っただろう? 明日からは白薔薇ではなく、俺の黒蝶になる。羽ばたいて、十分に活躍してもらわないとな」
エディにただ会いたいだけ。自由などもらっても、元の生活に戻れないのなら意味がない。
蝶の羽をもいだら飛べなくなるのは至極当然の話だ。レイの羽は、幽閉されることが決まったあの時にもがれてしまった。
ときめいているわけじゃない。自分には女装趣味も、女になりたいという思いもない。
首許や手は布で覆い隠し、男であることを知られないようになるべく体型を隠すフリルが多く使われた装い。それでも身体の細さはむき出しになった二の腕からも伝わる。筋肉も少なく、これでは男に見えることはないだろう。
顔は原型をほんのりと留める程度に濃く化粧を施された。男らしくないことでコンプレックスだった顔の特徴を最大限活かすような化粧は、レイを美少女へと変えていた。
せめて年相応の美女に見えたなら良かった。そんなことを思ってしまうほど、現実逃避をしてしまう。
「時間だ。控室に向かうぞ、レジーナ」
王太子殿下によって決められた偽名で呼ばれ、レイはこくりと頷く。いくらダンスの練習をさせられてもついぞ履き慣れなかった高いヒールで歩き、彼の腕に手を添えた。
「ふむ、悪くない」
何が悪くないだ。婚約者殿に許可を得たとは言っていたが、裏切りじゃないのか。
言葉を発せないまま、レイはじとりと王太子殿下を睨む。
「そんな可愛い顔をされてもな。キスしたくなるからやめてくれ」
「ふざけんな」
「その悪態も会場では言わないように」
嫌悪から思わず出てしまった悪態を窘められ、嫌そうな表情を隠さないまま王太子殿下によって水晶宮から久し振りに外へと連れ出される。
月の光が眩しい。こんなに眩しかっただろうかと思わず空を見上げ、エディの白金色をした髪を思い出しながら眺めていると、隣にいた王太子殿下によって強く手を引かれた。
「愛おしそうに見るな、妬ける」
「……婚約者殿が聞いたらどう思うでしょうね」
「はっ、聞かせないさ。そもそもお前のことはどうとも思っていないと告げてある。この姿は別だとは言えんがな」
「気色が悪い」
「まずいな、変な扉を開くかもしれん」
その扉の向こうにでも行ってもう戻ってこないでくれ。気持ち悪い。
レイは一歩踏み入れた瞬間から口をきくなと言われている真珠宮の中へと通され、王族専用の控室に案内された。
王太子殿下は控室に入るなり国王陛下がいないとわかるとレイから離れ、シンディ殿下と会話をしに行く。座ってもいいものかわからずにレイが壁際で小さくなっていると、その隣にマノンがやって来た。
「馬子にも衣裳じゃない」
「……」
「嗚呼、話すなと言われているんだったわね。……今日のエドガーのお相手、誰だか知っていて?」
ふるふると、小さく首を振る。王太子殿下は結局教えてくれなかった。
マノンは不機嫌を隠しもせず、吐き捨てるようにその相手の名を告げて来た。
「クレスウェル女公爵よ。気に入らないわ、本当に気に入らない」
誰だろうか。女公爵がいたということすら知らないレイは首を傾げた。
クレスウェル家は確か老齢の公爵閣下が当主のはずだ。式典の際に遠くから見た彼は真っ白く長い髭を蓄えた好々爺だった印象がある。流石にあれが女とは思わないが、はて。
レイの反応が薄いことが気にいらないのか、マノンは続ける。
「貴方も気の毒ね、子爵の息子と女公爵とじゃ勝ち目なんてないじゃない。諦めさせられて良かったのよ。……私も、そうだけれど」
彼女もまたエディに想いを寄せていたひとりだった。エディを想いながらも諦めざるを得なかった、今のレイと同じ。
レイが声をかけられずにただ見つめていると、控室の扉がまた開く。やって来たのはマクシム殿下だ。
マクシム殿下はまだ幼いため、舞踏会への参加は認められていない。だが控室までであればやって来て家族と話ができるためにやって来るかもしれないとレイはあらかじめ王太子殿下に教えられていた。
王太子殿下から位の高い順に挨拶をしていたマクシム殿下はシンディ殿下と言葉を交わした後、レイを見るなり硬直した。何だろうか、そう思いながら首を傾げいつものように軽く手を振ってやると、シンディ殿下の後ろに隠れてしまう。
「……?」
「ふふ、貴方本当の女性だと思われているんじゃなくて?」
「は、……ぁ、やべ」
意味が解らずに思わず声を出してしまい、慌てて口を押さえる。マノン殿下のパートナーとして連れて来られていた男性も驚き目を丸めていたが、それ以上にマクシム殿下が驚愕の表情を浮かべていた。
「レイ!」
黒いドレスを纏った女の正体がレイだと知ったからか、マクシム殿下は勢いよくレイのもとに走って来た。その勢いのままに抱きつかれ、慣れないヒールで立っていたレイは思わずよろけてしまう。
それを抱きとめたのは、いつの間にやらすぐ近くまで戻って来た王太子殿下の力強く逞しい腕だった。
「おい、大丈夫か?」
王太子殿下が問いかけてくるも、腰に回る腕に寒気が止まらない。かつてデプレに抱いたのと、同じ怖気が走った。
「ひっ……」
「そんなに露骨な反応をされると傷つくな。マックス、レジーナだ。レイではない」
「……れ、レジーナ?」
「嗚呼。今日此処にレイはいない。少なくともエドガーが婚約を発表するまでは。なぁ、レジーナ?」
「……」
この舞踏会にレイが連れて来られたのは、きっとレイがエディを諦めるためだけじゃないんだろう。
エディがレイをレイだと理解して、その目の前で他の誰かとの婚約を発表させるため。決別させるためだ。
本当に、性格が悪い。レイが何も言わずに王太子殿下を睨むと、王太子殿下は笑い手袋を脱ぎ、素肌で目尻に触れてきた。
「そんなに睨んでも、もう舞踏会は始まる。約束通り、ダンスの時間までは顔を隠しているように」
悪趣味な、黒い蝶が刺繍されたベール。頭に掛けていたそれで顔を隠され、レイはマクシム殿下を見下ろす。
マクシム殿下はレイをじっと見上げていた。
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「おい、兄のパートナーを口説くんじゃない。お前はまだ舞踏会に出られない子供だろうが、もう部屋に戻れ」
「でも」
「お前にはまだ早い。ほら、もう戻って寝る時間だぞ」
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「今日が終われば、お前も自由の身に戻れる。独身寮の方も掃除は終わらせてある、明日からは栄えある王太子直属の文官だ」
「……望んでない」
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