悪役令嬢はヒロインを溺愛することにした。

はならら

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私だって本当は死にたいわけじゃない。

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さて、学園に入学するメドはついた。
淑女教育も進んでいる。

後は、カルロス王子がミモザにふさわしいのか…。



カルロス王子は私たちと同い年だ。ゲームでは、明るく優しく、…そして第一王子が国を継ぐことに愁いを感じながらも何も出来ない自分に歯痒さを噛み締めている
婚約者のリリーナは高慢な女で、自身の容姿と肩書きだけを愛しているのを知っている。

そんな毎日の中で学園で出会った婚約者の妹に少し優しい言葉をかけられただけで恋に落ちる。チョロすぎる。

なお主人公のミモザは、侯爵家に訪れる王子を盗み見していて、ほのかな恋心を寄せて…あれ?ミモザも顔がすきなんじゃね??

い、いや、主人公はそんなことない。多分王子の内面のさびしさを最初から見抜いていたに違いないのだ。…た、たぶん。


そして『花の乙女』であるミモザは、クレメンス学園で二年生の学園祭の際、ただの、飾り物のはずである『花の乙女役』をすることになり、聖堂で祈りを捧げるデモンストレーションをした時に、本物の花の乙女に目覚める。


ちなみに花の乙女とは、数百年に一度、国が乱れるときに神様に使わされし天女の生まれ変わりの力をもつらしい。
ラストの第一王子との戦いの時しか、力を発揮する場所はないのだけど。


花の乙女にさせること、そのフラグも回収させていかないとトゥルーエンドにはならない。


「さて、どうしようかな」

手元にある手紙を見て考える。
差出人は、カルロス王子。嫌々ながらも婚約者たる私に会わねばならない。これは王城へのお茶会の案内状だ。

ミモザを連れていくか、行かないか。
私は一つ、間違いを犯していた。


本来ならば私が悪役令嬢そのままに振る舞えば、ミモザはヒロインとして目覚めたはずだった。

それを、動揺した私が

ミモザを可愛がってしまった。
悪役令嬢のままの私でいられなかった。

これもまた、私の罪だ。


まあ、仕方ない。最終的にミモザが幸せになればいいのだし。

私が動き始めた事によって少しずつ未来が変わるかもしれない。二人でいきれる未来があるかもしれない。

私だって本当は死にたいわけじゃない。
出来たら恋もしたいもの。

「ミモザ」

隣へと続く扉の前で、私はミモザを呼ぶ。

「はいっ!」

扉が開き、嬉しそうなミモザの笑顔に目を細めて、私は告げた。


「カルロス王子にあなたを紹介したいの」


あらあら、ミモザそんなに顔を赤くして。可愛い。

ここからが私の腕の見せ所だ。


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