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第7部 異世界帰りの魔王様はチートで無双したりしなかったり~サラリーマンの1から始める異世界ビジネスプラン~

9 繊細かなあ?

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「私は《ガルディア》の北を代々治めるサマルク家の当主ユラヴィレオ・サマルク・ガルディアと申します」
「わ、私はガ《ガルディア》の南をお、治めるクォータ家のと当主メルガドール・クォータ・ガルディア…です」
《ガルディア》を名の最後に飾れるのは5家の当主達のみ、そしてそちら側からの挨拶はこちらに対しての最上の挨拶とされる、誇りやプライドは勿論彼らは今日は仕事としてこの場に来たというのが伝わり好感が持てる、千歳は笑顔を向けて挨拶を向ける。
「ユラヴィレオ様、メルガドール様。我々は《アウトランダーズ商会》の者です。僕は千歳と申します、お会い出来光栄です」
「詠斗です!」
「大河だ」
「率といいます」
「綴と申します、どうぞよろしくお願いします」
「晴海だよ」
「懐記」
《アウトランダーズ商会》その名前に2人がビクリとする、《ズィーガー商会》から鉱物ダンジョンと肉ダンジョンの攻略者が出たと、そして大量のドロップ品を《ズィーガー商会》から購入出来る条件が攻略者を一切詮索しない事。
だが、真しやかな噂で《アウトランダーズ商会》が攻略したと聞き及んでいる、傭兵王と謳われるジラがいるのならばそれも可能だろうという認識だった。
無類の宝石好きの一族の当主ユラヴィレオもそれを条件に《ズィーガー商会》からドロップ品を購入したのは最近の話し、隣のメルガドールは《ズィーガー商会》から購入をしていない為暗い瞳に光を宿す。
「さ、先頃鉱物ダンジョン並びに肉ダンジョンの攻略をした商会の方々にお、お会い出来こちらも光栄です。お、おめでとうございます」
「《ガルディア》にまで話が伝わっているとはな」
「そ、それだけの偉業です」
顔色の悪い顔に赤みが少しだけ浮かぶ、吃りがあり緊張しているのが隠せない。
「せっかくですから、飲み物をお出ししましょう。お好きな飲み物はありますか?」
「俺はミルク、冷たいの!」
「俺は…温かいの…詠斗ドーナツ」
「はい、ドーナツだよチグリス。俺は果実水!氷入りね!」
「僕が淹れますよ、僕はミルクティーにしよう」
「僕はアイスティーでお手伝いします」
「私は温かい紅茶を濃い目で」
「俺はほうじ茶ー熱いの」
「俺はミルク!温かいの!アイスも出すよー」
「俺も晴海と同じのハチミツ入りだ」
「僕は果実のお茶の温かいのをお願いするね。お2人と執事の方と護衛の方も何にします?」
綴と率と詠斗や晴海も準備を行う、千歳が合わせて背後の執事と護衛にも尋ねた。
「い、いえ我々は…」
「良い、頂くとしよう。私は良ければ千歳殿と同じ物を」
「わ、私は傭兵王殿とお、同じものを」
「あんたは、温かいのにしときなよ」
懐記がそう言い冷たいミルクと氷入りの果実水が先に出される、魔石に魔力を流し小さな鍋にはモギのミルクを温め、茶器でお茶を用意する。
「はい、アイスもどうぞ!モギミルクアイスね!」
『モギ?』
晴海が2人と執事たちにも透明な皿に丸いミルクアイスを乗せ、スプーンも添えた物を出す、ユラヴィレオとメルガドールはアイスを見ながら晴海達と同じようにスプーンで掬って口に運んだ。
「っつ…」
「おいしい…」
「連れの人達もどうぞ」
「…では、…これは!」
「本当にモギのミルクなのか?」
「はい、そうです」
「うまいよなー」
ジラがお代わりを綴から貰う、鉱物で作ったビンにベルンにミルクを入れて貰い購入している、孤児院の子供達や貧民街の住民達も大好きだ。
「モ、モギはとても繊細で僅かな負荷でも味が劣化し、します。なので《ヤナシャ》周辺だけでしか飲めません。最上級と謂われているミルクは花の香りがします、ま、まさしくこれが…」
『………』

懐記:最近モギが大根にハマり懐記の所に大根を持って来て、焼いてくれ煮てくれ等の催促をしてくる、しかも焼き加減に柔らかさまで指定してくる。

詠斗:モギ達専用の畑を用意、個体毎に好みがあるようで収穫した野菜をそのまま食べる個体や魔法を使って収穫してしっかり水魔法で洗って食べ個体や火魔法で焼く個体がいるのを知った。

大河:最近芸を覚え《トイタナ》の店でお手やお代わりのつもりか客に手を出して乗せチップを貰いそのチップでポップコーンを購入(カタンに頼む塩抜き)する個体を見た。

率:最近おしゃれに目覚めた個体達にマニュキュアを塗り、毛並みを整え可愛くしている個体と仲良くなる、ライバルもおり可愛さを競っているらしい。

綴:犬を飼う事に憧れ、ちょっとした好奇心でお手やお代わりを教えてみる、覚えて客からチップを貰う動画を撮ってたまに見返す。

晴海:お風呂に行くと住み着いたモギに身体を洗えとせがまれ洗っているといつの間にか囲まれ詠斗達と洗う、風魔法を使い乾かしてやったりする。

千歳:可愛いと思っている、痩せて酷い状態のモギも早く治れば良いと思うがちょっと眼が怖いと思う、皆カタンとベルンが大好きだか個体のスペックがかなり高いなと思う。

チグリス:魔法を教えてくれというのでナイル、千眼と教える、収納魔法や《トイタナ》までの転移魔法が使える個体が出るがま、いっかと思っている。

ラジカ:空を飛びたい個体がいる、空魔法を習得しようとしている何処へ彼らは向かっていくのだろうか。

ジラ:ミルクとモギ大好き、仲の良いモギ達と畑で野菜を収穫したりもする、風呂も一緒に行く。

(繊細かなあ?)一同

「はい、ホットミルクですハチミツも良ければ。温かい果実茶も後の皆さんもどうぞ」
各々物思いに耽っていればお茶が淹れ終わり配られる、まずは一息とばかりに皆無言でお茶を飲んだ。

「素晴らしい茶を頂き感謝します」
「お、おいしいです。アイスというものもミルクも…」
「いえ、気に入って頂けて何よりです」
「それで我がサマルク家は《アウトランダーズ商会》の皆さんと同盟…いえ綺麗事は無しにして手を組んで頂きたい」
「こ、こちらも、ど、どうか…」
ユラヴィレオもメルガドールも執事と護衛に合図し収納袋から、サマルク家からは荷車に溢れんばかりに乗せられた食料品、クォータ家からは樽の酒3樽程が並べられた。
「へぇー」
「なるほどな」
懐記と大河は感心し千歳は薄く笑っている、詠斗達も今ここに必要なのは確かに食料品や嗜好品だと思っている。
「それと裏市場での購入権を…」
「うん、良いですね。ラジカさん詠斗君達はどうかな?」
「一番手っ取り早い方法ですね、私もこのお2人となら賛成です」
ラジカが頷き他この面子も異論は無いようなので手を組む事に決め、唯一の条件を千歳が提示した。
「手を組みましょう、条件があります。こちらは他の3家と関わるつもりはありませんそれでも良ければ」
「それで構わない」
「こ、こちらも」
あの3家と《アウトランダーズ商会》秤に掛ければすぐ答えは出る、貴族の前に商売人としての本能と血がこちらに賭けろと騒いでいる。
「近日中に昨日の建物が完成する、具体的な話しはそこでしよう」
「ええ、本日はあくまで挨拶に来ただけなので」
「そ、それでは…」
「ちょい、まち。あんた食事はちゃんととってんの?」
テーブルに肘を付いてメルガドールを見ている懐記、押せば倒れそうな男にそう尋ねた。
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