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第8部 晴れた空の下手を繋いで…

第2話 持つ者と持たざる者と

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「では、まずはステータスを表示しましょう。ステータスオープンと声に出すか心で唱えて見て下さい」
「ステータスオープン?わ!」
「………ん、これか」
言われた通りに舵は口に出し、崇幸はテーブルに肘をつき心の中で唱えると目の前にステータス画面が表示される。

…」

皆藤 崇幸 : 不老不死 肉体年齢 48歳 愛を与える者 

所持魔法
水魔法 風魔法 土魔法 光魔法 浄化魔法 傀儡魔法 転移魔法

スキル
状態異常無効 無限収納(時間停止) ステータス隠蔽 アイテム回収 通知機能

固有スキル

コンビニ(※変動あり) ゴミ処理(※生き物不可 条件あり)

善行ポイント
10,000pt

羽佐間 舵: 肉体年齢33歳 序列第?位 ??魔王 
不老不死???

『え?』
「俺のステータスシンプルじゃない?」
「俺のステータス…スキルコンビニって…俺本当なんだかなー」
神々一同の言葉、舵のがっかりした声に崇幸は舵の肩を叩く。
「成る程…」
「皆藤崇幸が最後の召喚で間違いない、羽佐間舵…君は…その姿で還って来たかったんですね…だから転生を待たず本能的にあの場にいた…」
『おかえりなさい』
「……あ…えと……ただいま?」
神々の暖かい言葉に舵の眼から涙が零れる、そのまま結晶となりパラパラとテーブルや地面に吸収されず転がる。
「綺麗だな、舵…」
「なんか止まらない…」
崇幸が涙の結晶を拾い集める、ポロポロと出零れている。
気が済むまで泣いてすっきりして、話の続きを行う。
「では、先にスキル…なのです…コンビニってあの地球のコンビニなのですよね?」
「ああ、んー品数は少ないけどあるな。ん?日本円表記じゃなくてログってやつになってる」
「後でお金払いますから売ってください!なのです」
「それは《アタラクシア》の通貨です、今迄貯めたお金はこの世界に持ち込めますから」
「あーそれはいいな」
「あんまり貯金ないけど嬉しい」
神々がスキルコンビニに興奮している、貯金が持ち込めるのは嬉しい。
「後はこのゴミ処理ってのは固有スキルだから、我々もよくは分からないが固有スキル2つは贅沢だなー」
「ま、ゴミを捨てれるなら便利だな」
「えーいいねー崇幸兄」
「ふむ、次は魔法だな。頭の中で水を手に出すイメージをしてほしい」
「こうかな、水が手から出たぞ」
「ふむ、これが魔法だ。君達の魔力は無限だ、使い方組み合わせ方により様々な可能性がある。君の所持している傀儡魔法は危険な魔法だすぐに使わない方がいい。魔法になれ使う時が来れば自ずと解るだろう」
「そうか…」
「あーダメだ出ない」
並んで舵もイメージするが出ない、神々も疑問ばかりが過るが無いものは仕方ない。
「君には此方を」
「常態異常無効もありませんから、《アタラクシア》の環境に地球の人間の生身の肉体では辛いでしょうから、肌身離さず身に付けていて下さい」
「ありがとうございます!」
「良かったな、後この収納てやつも凄そうだ。そこの俺の愛車と舵の相棒を入れてみても?」
「いいな、俺も収納欲しかったー」
「構いませんよ、それと《アタラクシア》にいる7名の地球人の方達に貴方の現状をラインした所、収納カバン等用意するそうです」
「わ、わ!いいのかな」
「皆さん待ってますね」
「なら、挨拶に行くか」
「では、説明を終えた後に考えて下さい」
舵の首元に無色透明な石を革紐で括り付けた物が神々の手によって授けられ、崇幸は早速原チャリと自転車に手を翳して収納する。
「異世界に来たらやっぱりそれだよなー、はあ」
「舵、無い物ねだりは?」
「…しない」
「そうだな」
三十路を越えて尚子どもぽさが抜けない舵、仕事等ではなるべくそういう部分を出さない様にしているようだが人ではないという証明が異世界でされた今では大人になりきれない子供にしか見えなかった。
「次は善行ポイントです、このポイントは様々なスキルや魔法等と交換可能です。我々の依頼を受けて貰えれば報酬としてポイントを差し上げます。依頼は受けなくても構いません、今あるポイントで充分だと思います」
「この世界に来てくれた事で我々はとても感謝している、既に他の地球人は何度か依頼を受けているがポイントはあまり消化していないのが現状だ」
「分かった、無理の無い範囲でやらせて貰おう」
「俺にはないよなーでも俺も依頼受けるのは?」
「協力という形ならば可能ですが、報酬は別途相談させて頂きます」
「はーい」
「では、大体の話しはお仕舞いです。我々も最近《アタラクシア》に降りられるようになりました。疑問があればその時かまたはスマートフォンのラインや通話で連絡して下さい。《アタラクシア》の彼らに言えば貰えますから」
「それと、この世界に持ち込んだ地球の物は消費したり破損しても元に戻ります。譲渡した場合も同じです」
「わーあーあーわー、正に身1つ…」
「俺もだな、愛車が復活するのは嬉しいが」 
素直に喜べないのが残念だ、肩を少し落としつつ最後の神々からの話しにギョッとする。
「それで、ここまで話しましたが選択が2つあります。このまま《アタラクシア》の地球人が住む《不毛の地》に向かうかこのまま、ここに残り16番目の神になるかです」
「今ここには13人しかいないようだが?」
「…14…15は…《アタラクシア》にいる…」
「俺…魔王なのに?神?んーパス」
「俺もだなせっかくの新しい世界だ楽しむ事にするよ」
「承知しました」
「では!お買い物ターイム!さ、スキルを見せてくれ!」
「はいはい、いらっしゃいませー」

「パン!シュークリーム!」
「炭酸!」
「おお!ウィスキー!」
「ケーキ!」
「カップメン!」
早速スキルコンビニを発動、目の前に商品パネルと値段が記載されコインを入れる口があり神々がはしゃいでコインをいれまくり買いまくる、複数購入したい場合は値段表記の隣の数字を入れれば良い、セルフで楽だった。
出てくる商品は日本のコンビニと変わらないが、容器が葉っぱになっている、防腐剤代わりらしい、成る程便利だ。
崇幸はそれをぼんやり眺め、そう言えば夜勤5連勤目ですこぶる眠い事を思いだした。
「あー、すごい売れてる」
「神様もこういうの好きなんだな」
「そうだね」
1通り買い物が終了し、《アタラクシア》での知識を崇幸が貰う。
「貴方は入らないですね」
「……はい」
「他の方から聞いて下さい」
「わかりました」
舵にも知識を渡そうとすると何故か知識が脳に行かない為、神々も舵も諦めた。
「では、しばしの別れですね。貴方達のお陰で《アタラクシア》の病が完治し空が本来の姿を取り戻しました。《アタラクシア》の空は美しいですよ」
「感謝します」
「ああ、後でゆっくり堪能するよ」
「俺も!召喚…?呼んでくてありがとうございます!」
「ここが《不毛の地》です。さあ、手を伸ばして下さい」
「行ってくる」
「行ってきまーす」
『行ってらっしゃい』
回る丸い球体、神々が指を差し向かうべき場所を教えてくれる。
崇幸と舵が手を伸ばせば再び宇宙の様な空間が2人を吸い込む、これで神々の大掛かりな仕事が完了した……。
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