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第7章 弟子と神器回収
板ノ秘密
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「咲良、お客さんだぞ」
決闘が終了し、コーチンに戻った咲良はフィオーレ商会の工房である物を作っているとルーグに呼ばれた。
「来たか」
応接室に入ると香織が待っていた。
「じゃあ早速話をしようか」
「何の話です?」
「分かっているだろう…お前は敗者だ。これからは俺に一切意見せず従ってもらうぞ」
「それは内容によりますね。私は負けたとは思っていませんから」
「負けは負けだ。敗者に選ぶ権利はない。もし逆らえば命で償うことになるぞ」
咲良の言葉は脅しの様に聞こえるが事実であることに変わりはない。
「では何をしろと?」
「まずお前は今後神器を扱うことを禁ずる」
「白峯を使うなという事ですね」
「いや違う。全ての神器だ。新たな神器を見つけたとしても使用は許さない。俺の所へ持ってこい」
「あなたは神器を集めているというわけですか…」
「さぁな。それと、お前のステータスプレートでこいつをかざして俺に見せろ」
拡張袋から日輪を取り出して香織に手渡す。
香織は少し咲良を睨みながら日輪をステータスプレートにかざす。
「確かにこのプレートには検索機能がありますが、これに何の意味が?」
香織が尋ねてくるが、咲良は無視してプレートを凝視する。そこにはこう書かれていた。
白峯
真っ白に輝く刀。魔力を使うことで光を操作できる。
(やはりそうか……おかしいとは思っていた。こいつはプレートを持っているにも関わらず神器について知らなさすぎるからな)
咲良は自身のプレートで日輪を検索するが、しっかりと神器であると記されている。
(プレートの性能に差があるのか?…いや違うな。俺だけ特別という事は無いだろう)
神器や邪神の情報は閲覧禁止書物にしか載っていない。更に書物に載っている情報もほんの僅かなものでしかないだろう。という事はアスガルド人にはまず得る事の出来ない情報である。
しかし特別なステータスプレートを持つ異世界人ならすぐに情報を仕入れる事が出来るはずだ。だが香織は神器については何も知らず、プレートには偽の情報が記載されている。
(つまり、異世界人のプレートは持ち主の職業や技能、知識によって性能が変化すると見るべきか。それなら技神であり、クロノスから直接話を聞いた俺のプレートの性能が良いのも頷ける……俺の考えが正しいかどうかはこの際どうでもいい。違いがあるという事だけでも知れて良かった)
異世界人だろうと簡単には神器について調べられないと分かっただけでも咲良にとっては貴重な情報だった。
「…話が終わったのなら帰りたいのですが」
咲良が1人で考え込んでいたので置いてけぼりにされていた香織が不機嫌な表情で咲良に声を掛ける。
「ん?…あぁ最後に1つだけ」
「まだあるのですか…」
「当然だ。お前たち〈イマジナリー〉は甘ちゃんの集まりだ。だから…漠然としたものになるが、これからはこの世界のルールに従え。地球での常識は全て忘れろ」
「それが命令ですか…」
「これはお前たちの為に言っているんだ。分かったな?」
「善処しましょう」
「忘れるなよ。神器を使わない、見つけたら持ってくる、そして地球の常識に縛られない事をな」
「えぇもちろん」
「ならもう帰れ」
咲良がそういうとすぐに香織は帰っていった。帰り際にちらりと日輪に視線を移していたことから、まだ完全に諦めた訳ではなさそうだ。
咲良は最後に地球の常識に縛られるなと言ったが、それは完全に達成されなくても構わない。ただ〈イマジナリー〉の中にも死んで欲しくない者はいる。人を殺さない等のルールに縛られていてはいつか命取りになる。そうならない為にも咲良は早めに手を打っておきたかった。
「これでひと段落だな。よし…戻るか」
咲良は工房に戻るとまた作業を再開した。
香織がギルド〈イマジナリー〉に戻ると、他のメンバーが集まってきた。
「どうなったんですか?」
「なにをさせられるんですか?」
「もしかして無理難題を…」
みんな咲良が何を要求したのか気になる様だ。
「神器を今後一切扱わない様と、神器を見つけると渡せと言われましたね」
「なんだって!?」
「あいつめ!」
周りからこぞって咲良を非難する声が上がる。
「最後に、地球の常識に縛られるなと言われました。あまり意味はわかりませんが」
その香織の言葉を聞いた陸は少し口角を上げる。
(やっぱり咲良は亮太のままだな)
陸は咲良の要求の意図がなんとなく分かって嬉しく思った。
「皆さん、心配しないでください。今回は相手がこちらの能力を無効にする手段があったから負けただけです。すぐに立場を逆転するつもりですので」
「そうですよね!香織さんが負けるはずありませんから!」
「俺も手伝うぜ!」
「私も協力させてください!」
香織がリベンジすると知った一同は盛り上がる。
「よろしくお願いしますね。ではまず新たな武器を確保しなければなりませんね」
「よし!みんなで探すぞ!」
「「「おぉー!!」」」
香織はまた神器を探すつもりであった。見つけたら渡さなければならないはずだが、咲良に会いさえしなければ、そしてバレなければ問題ないと思っている様だ。
そしてギルド〈イマジナリー〉は次の目標に向けて動き出した。
決闘が終了し、コーチンに戻った咲良はフィオーレ商会の工房である物を作っているとルーグに呼ばれた。
「来たか」
応接室に入ると香織が待っていた。
「じゃあ早速話をしようか」
「何の話です?」
「分かっているだろう…お前は敗者だ。これからは俺に一切意見せず従ってもらうぞ」
「それは内容によりますね。私は負けたとは思っていませんから」
「負けは負けだ。敗者に選ぶ権利はない。もし逆らえば命で償うことになるぞ」
咲良の言葉は脅しの様に聞こえるが事実であることに変わりはない。
「では何をしろと?」
「まずお前は今後神器を扱うことを禁ずる」
「白峯を使うなという事ですね」
「いや違う。全ての神器だ。新たな神器を見つけたとしても使用は許さない。俺の所へ持ってこい」
「あなたは神器を集めているというわけですか…」
「さぁな。それと、お前のステータスプレートでこいつをかざして俺に見せろ」
拡張袋から日輪を取り出して香織に手渡す。
香織は少し咲良を睨みながら日輪をステータスプレートにかざす。
「確かにこのプレートには検索機能がありますが、これに何の意味が?」
香織が尋ねてくるが、咲良は無視してプレートを凝視する。そこにはこう書かれていた。
白峯
真っ白に輝く刀。魔力を使うことで光を操作できる。
(やはりそうか……おかしいとは思っていた。こいつはプレートを持っているにも関わらず神器について知らなさすぎるからな)
咲良は自身のプレートで日輪を検索するが、しっかりと神器であると記されている。
(プレートの性能に差があるのか?…いや違うな。俺だけ特別という事は無いだろう)
神器や邪神の情報は閲覧禁止書物にしか載っていない。更に書物に載っている情報もほんの僅かなものでしかないだろう。という事はアスガルド人にはまず得る事の出来ない情報である。
しかし特別なステータスプレートを持つ異世界人ならすぐに情報を仕入れる事が出来るはずだ。だが香織は神器については何も知らず、プレートには偽の情報が記載されている。
(つまり、異世界人のプレートは持ち主の職業や技能、知識によって性能が変化すると見るべきか。それなら技神であり、クロノスから直接話を聞いた俺のプレートの性能が良いのも頷ける……俺の考えが正しいかどうかはこの際どうでもいい。違いがあるという事だけでも知れて良かった)
異世界人だろうと簡単には神器について調べられないと分かっただけでも咲良にとっては貴重な情報だった。
「…話が終わったのなら帰りたいのですが」
咲良が1人で考え込んでいたので置いてけぼりにされていた香織が不機嫌な表情で咲良に声を掛ける。
「ん?…あぁ最後に1つだけ」
「まだあるのですか…」
「当然だ。お前たち〈イマジナリー〉は甘ちゃんの集まりだ。だから…漠然としたものになるが、これからはこの世界のルールに従え。地球での常識は全て忘れろ」
「それが命令ですか…」
「これはお前たちの為に言っているんだ。分かったな?」
「善処しましょう」
「忘れるなよ。神器を使わない、見つけたら持ってくる、そして地球の常識に縛られない事をな」
「えぇもちろん」
「ならもう帰れ」
咲良がそういうとすぐに香織は帰っていった。帰り際にちらりと日輪に視線を移していたことから、まだ完全に諦めた訳ではなさそうだ。
咲良は最後に地球の常識に縛られるなと言ったが、それは完全に達成されなくても構わない。ただ〈イマジナリー〉の中にも死んで欲しくない者はいる。人を殺さない等のルールに縛られていてはいつか命取りになる。そうならない為にも咲良は早めに手を打っておきたかった。
「これでひと段落だな。よし…戻るか」
咲良は工房に戻るとまた作業を再開した。
香織がギルド〈イマジナリー〉に戻ると、他のメンバーが集まってきた。
「どうなったんですか?」
「なにをさせられるんですか?」
「もしかして無理難題を…」
みんな咲良が何を要求したのか気になる様だ。
「神器を今後一切扱わない様と、神器を見つけると渡せと言われましたね」
「なんだって!?」
「あいつめ!」
周りからこぞって咲良を非難する声が上がる。
「最後に、地球の常識に縛られるなと言われました。あまり意味はわかりませんが」
その香織の言葉を聞いた陸は少し口角を上げる。
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陸は咲良の要求の意図がなんとなく分かって嬉しく思った。
「皆さん、心配しないでください。今回は相手がこちらの能力を無効にする手段があったから負けただけです。すぐに立場を逆転するつもりですので」
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「よし!みんなで探すぞ!」
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