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第10章 異世界人と隠された秘密
古代遺跡
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「魔物の気配は無いな」
奥に続く通路をひたすら歩く一同だったが魔物の気配は感じない。
「第二波が最後という事ですかね?」
「サイモン、それは少し客観的過ぎるぞ。俺にはこれからが本番の様に思える」
「本番?咲良くんには何が見えているのです?」
「ここは力を持った者だけが奥に進める。最深部に何があるのかは知らないが、これで終わるとはどうしても思えないんだ」
この世界がゲームでない事は分かり切っている。しかし宝箱の前や最深部で強敵が待ち構えているのはよくある事だ。
「どっちにしろ先に進めば分かる事だ」
「咲良さんの言う通りです。分からない事を考えても仕方ありません」
「それもそうですね」
一同はそのまま進むと咲良は妙な違和感を覚えた。
(なんだ?…急に空気が変わった…)
「咲良さん…気付きましたか?」
マリアも咲良同様気付いた様で声を掛けてくる。
「あぁ…この先に何かがある」
その一言で全員の顔に緊張が走る。
ゴクリッ…
静粛の中で誰かが唾を飲み込む音が響き渡る。
空気が変わった事に気付いたのは咲良とクロ、マリアだけ。だがこの3人が言うのであれば他の面子が本当かどうかを疑う必要は無い。
視線の先には変わらず通路が伸びており、空気が変わった様には見えない。しかし皆の足取りは自然と遅くなり、前に進むにつれ緊張感は高まっていく。
「ん?…あれは…」
咲良の視界に入って来たのは通路の終わりだった。
正確には通路の先が真っ暗でどうなっているのか分からない状態だ。
「取り敢えずあそこまで行くぞ」
咲良が先導しながらむと全員がゆっくりと付いて来た。
「真っ暗ですね…」
マリアの言う通り、暗闇の前まで移動してもその奥に何があるのかは分からない。
ただ足元にうっすらと下へと続く大きな階段が見える。そして微かだが鼻をツンと刺激する異臭が漂って来る。
「この臭いは……」
咲良は何かに気付いた様で足元の階段を下りて行った。
「ちょ…ちょっと!」
突然の行動にソフィが慌てて止めに入るが咲良は既に闇の中へと姿を消してしまった。
「ど、どうしよう」
「ソフィアさん落ち着いてください。彼なら大丈夫でしょう」
「けど…」
「もし何かあれば、その子が慌てる筈ですから」
マリアが視線を移した先にソフィも目を向けると…
「あ…」
そこには静かに咲良の帰りを待つクロがいた。
「そっか。何かあればクロちゃんがジッとしている訳ないよね」
「キュイ!」
クロが咲良を信じて待てという様に鳴いた。
その頃、咲良は暗闇に沈む階段をゆっくりと下りていた。
(思った以上にでかい階段だな…巨人用だと言われても何ら不思議じゃない大きさだ)
今咲良が下りている階段の幅は暗闇で不明だが踏面は約2mもある。普通の階段にしては大きすぎるだろう。
咲良は何段か下りた後、摺り足で横に移動し始めた。
10m程横に移動すると手摺にまでたどり着き、咲良がその手摺に手を掛けるとペチャッと何かが付着した。
暗闇の中でよく探ってみると手摺に溝が彫られており、その溝にドロッとした液体が流れている事が手先の感覚で分かった。
その指先に付いた液体を臭ってみるとあたりに漂う異臭の源だと確信した。
(やっぱりな…この臭いの正体は液状化した発燃石だったか)
発燃石はある特殊な条件下で液状化するのだが、その状態だと驚くほどよく燃える。つまり石油の様になるという事だ。
(この手摺にある溝を伝って流れているのか…となると…)
咲良は何を思ったのか徐に拡張袋から鉄鉱石を2個取り出した。
カンッカンッ
そして鉄鉱石を火打石の様に擦り合せて火花を散らせる。
ボゥッ
火花が液状化した発燃石に当たると勢いよく燃えだした。
更に溝を伝って炎が幾何学模様の様にどんどん燃え広がっていく。
「おぉ…」
炎の光によって暗闇が晴れていき、そこに現れた光景に咲良は思わず声を漏らした。
(やはりこの炎が空間全体を照らす明かりだったか…それにしてもここまで巨大な空間が広がっているとは…)
咲良が目にしたのは途轍もなく巨大な空間とそこら中にある謎の建造物群。一種の町の様で、揺らぐ炎の光によって神秘的な空間となっている。
中心にはピラミッド型の巨大な建造物があり、天辺には祭壇の様な造りが見受けられる。
だが一番目立つのは奥にある最も大きな建造物だ。中心の建造物と同じくピラミッド型ではあるが半分が壁に埋まっているような造りをしている。
「咲良!これって一体…」
咲良が炎に照らされた光景に目を奪われているとソフィが階段を下りてきた。
「凄いな…まるで古代遺跡の様だ」
「そうだね…急に暗闇の中に進んだ時は驚いたけど、咲良はこれがあるって分かってたの?」
「いや、知っている臭いがしたからな。もしかしたらと思っただけだ」
「それもしても、ここは一体何でしょうね。人が住んでいるとは到底思えませんが」
ソフィの跡を追って来たマリアが率直な感想を述べる。
「俺にも分からんが一先ず探索しよう。何か見つかるかもしれん」
咲良は拡張袋から手頃な長さの木材と布を取り出すと、先端に布を巻き付けて松明を作り全員に手渡した。
手摺から伸びる炎の光によって辺りは照らされているが、建物の中は未だ闇の中なので松明は必要不可欠だ。
一同は松明に火を灯すと、目の前に広がる未知の空間へと恐る恐る足を進めた。
奥に続く通路をひたすら歩く一同だったが魔物の気配は感じない。
「第二波が最後という事ですかね?」
「サイモン、それは少し客観的過ぎるぞ。俺にはこれからが本番の様に思える」
「本番?咲良くんには何が見えているのです?」
「ここは力を持った者だけが奥に進める。最深部に何があるのかは知らないが、これで終わるとはどうしても思えないんだ」
この世界がゲームでない事は分かり切っている。しかし宝箱の前や最深部で強敵が待ち構えているのはよくある事だ。
「どっちにしろ先に進めば分かる事だ」
「咲良さんの言う通りです。分からない事を考えても仕方ありません」
「それもそうですね」
一同はそのまま進むと咲良は妙な違和感を覚えた。
(なんだ?…急に空気が変わった…)
「咲良さん…気付きましたか?」
マリアも咲良同様気付いた様で声を掛けてくる。
「あぁ…この先に何かがある」
その一言で全員の顔に緊張が走る。
ゴクリッ…
静粛の中で誰かが唾を飲み込む音が響き渡る。
空気が変わった事に気付いたのは咲良とクロ、マリアだけ。だがこの3人が言うのであれば他の面子が本当かどうかを疑う必要は無い。
視線の先には変わらず通路が伸びており、空気が変わった様には見えない。しかし皆の足取りは自然と遅くなり、前に進むにつれ緊張感は高まっていく。
「ん?…あれは…」
咲良の視界に入って来たのは通路の終わりだった。
正確には通路の先が真っ暗でどうなっているのか分からない状態だ。
「取り敢えずあそこまで行くぞ」
咲良が先導しながらむと全員がゆっくりと付いて来た。
「真っ暗ですね…」
マリアの言う通り、暗闇の前まで移動してもその奥に何があるのかは分からない。
ただ足元にうっすらと下へと続く大きな階段が見える。そして微かだが鼻をツンと刺激する異臭が漂って来る。
「この臭いは……」
咲良は何かに気付いた様で足元の階段を下りて行った。
「ちょ…ちょっと!」
突然の行動にソフィが慌てて止めに入るが咲良は既に闇の中へと姿を消してしまった。
「ど、どうしよう」
「ソフィアさん落ち着いてください。彼なら大丈夫でしょう」
「けど…」
「もし何かあれば、その子が慌てる筈ですから」
マリアが視線を移した先にソフィも目を向けると…
「あ…」
そこには静かに咲良の帰りを待つクロがいた。
「そっか。何かあればクロちゃんがジッとしている訳ないよね」
「キュイ!」
クロが咲良を信じて待てという様に鳴いた。
その頃、咲良は暗闇に沈む階段をゆっくりと下りていた。
(思った以上にでかい階段だな…巨人用だと言われても何ら不思議じゃない大きさだ)
今咲良が下りている階段の幅は暗闇で不明だが踏面は約2mもある。普通の階段にしては大きすぎるだろう。
咲良は何段か下りた後、摺り足で横に移動し始めた。
10m程横に移動すると手摺にまでたどり着き、咲良がその手摺に手を掛けるとペチャッと何かが付着した。
暗闇の中でよく探ってみると手摺に溝が彫られており、その溝にドロッとした液体が流れている事が手先の感覚で分かった。
その指先に付いた液体を臭ってみるとあたりに漂う異臭の源だと確信した。
(やっぱりな…この臭いの正体は液状化した発燃石だったか)
発燃石はある特殊な条件下で液状化するのだが、その状態だと驚くほどよく燃える。つまり石油の様になるという事だ。
(この手摺にある溝を伝って流れているのか…となると…)
咲良は何を思ったのか徐に拡張袋から鉄鉱石を2個取り出した。
カンッカンッ
そして鉄鉱石を火打石の様に擦り合せて火花を散らせる。
ボゥッ
火花が液状化した発燃石に当たると勢いよく燃えだした。
更に溝を伝って炎が幾何学模様の様にどんどん燃え広がっていく。
「おぉ…」
炎の光によって暗闇が晴れていき、そこに現れた光景に咲良は思わず声を漏らした。
(やはりこの炎が空間全体を照らす明かりだったか…それにしてもここまで巨大な空間が広がっているとは…)
咲良が目にしたのは途轍もなく巨大な空間とそこら中にある謎の建造物群。一種の町の様で、揺らぐ炎の光によって神秘的な空間となっている。
中心にはピラミッド型の巨大な建造物があり、天辺には祭壇の様な造りが見受けられる。
だが一番目立つのは奥にある最も大きな建造物だ。中心の建造物と同じくピラミッド型ではあるが半分が壁に埋まっているような造りをしている。
「咲良!これって一体…」
咲良が炎に照らされた光景に目を奪われているとソフィが階段を下りてきた。
「凄いな…まるで古代遺跡の様だ」
「そうだね…急に暗闇の中に進んだ時は驚いたけど、咲良はこれがあるって分かってたの?」
「いや、知っている臭いがしたからな。もしかしたらと思っただけだ」
「それもしても、ここは一体何でしょうね。人が住んでいるとは到底思えませんが」
ソフィの跡を追って来たマリアが率直な感想を述べる。
「俺にも分からんが一先ず探索しよう。何か見つかるかもしれん」
咲良は拡張袋から手頃な長さの木材と布を取り出すと、先端に布を巻き付けて松明を作り全員に手渡した。
手摺から伸びる炎の光によって辺りは照らされているが、建物の中は未だ闇の中なので松明は必要不可欠だ。
一同は松明に火を灯すと、目の前に広がる未知の空間へと恐る恐る足を進めた。
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