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第7章 弟子と神器回収
魔槍精製
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「なら今からフィオーレ商会の最初の仕事だ」
咲良はそういうと出来たばかりの溶鉱炉の前に座り込む。
「仕事?」
「なんか仕事請け負ってたか?」
陸もルーグも心当たりはない。
「陸、お前の武器を鍛え直す。それが最初の仕事だ」
「…え?い、いいのか?」
「なるほど、最初の仕事にはもってこいだな!」
ルーグは咲良の鍛治師としての実力を見れるのが嬉しいようだ。
「えぇー、良いなぁ!」
「俺も作ってくれよ!」
秀樹と穂花が羨ましがってしつこくせがんでくるが、咲良は一切相手にしない。
「陸は一緒に依頼を受けるんだ。なら武器も陸に合った物にしないとな」
「あ、ありがとう!武器取ってくる!」
陸の得物である槍は宿屋に預けていたので取りに行き、しばらくするとぜーぜーと息を切らせた陸が槍を持って戻ってきた。
「慌てるなっての」
「いやー嬉しくてさ!」
陸はまるで子どものようにはしゃぐ。
「分かったから槍渡せ」
「お、おう」
陸から槍を預かり、改めてじっくりと観察する。
(やっぱ重心がずれてるな。まぁ素材は中々のようだが…)
「ど、どうだ?」
「心配するな。この槍に使われている素材もしっかり生かして、お前にぴったりの物を作ってやる」
そういうと咲良は作業に取り掛かる。一同も静かに後ろから咲良を見守っていたが、秀樹と穂花は他にやることがあるのか途中で退室した。
今回主体にする鉱石は黒曜石と呼ばれる黒い鉱石だ。地球にも同じ名前の鉱石はあるが成分からして全くの別物である。
黒曜石は市場には一切出回っておらず、その存在すら明らかにされていない。希少度で言えばアダマンタイトやオリハルコンと同率となる。
咲良もクロノスが所持していた分しか持っておらず、採掘できる場は知らない。
黒曜石の一番の魅力は魔力を込めると分裂するという特性だ。その分裂した個体は魔力が切れると自然に消滅し、分裂する個数は込めた魔力、黒曜石の純度に依存する。
確かに希少な鉱石ではあるが、陸のためなら惜しくはないし、目の前の槍がなりたいと願う姿にするには黒曜石が最も当てはまる。
まず、槍を溶鉱炉で少しずつ溶かし固めてインゴットに変える。
続いて魔石の不純物を限界まで取り除くと、そこに魔力伝導率を高める翡翠晶とメインの黒曜石を入れ、最後に全ての鉱石の繋ぎとなる粘着石を投入する。
全てが混ざり合うとインゴットに変えた槍も混ぜ合わせる。
それをハンマーで叩いては熱し、叩いては熱しを繰り返していく。時間が掛かるのはここからだ。
そして咲良が一切の休みを取らずに作業を続けて丸一日が経過した。
その間も陸とルーグは咲良と同じく睡眠や食事を摂らずにずっと後ろで見ていた。
「飯でも食ってこい」
途中2人にそう声をかけたが…
「咲良はずっと寝ず食わずで頑張ってるのにそんなこと出来るかよ」
「俺も今後の参考にしたいからな、目を離すわけにはいかん」
聞き入れてもらえなかった。
そしてさらに数時間後…
「完成だ」
完成した槍は黒く、しかし光の加減によって時々紫にも見え異様な雰囲気を放っていた。その矛先には刺々しい刃が4本付いており、それが存在感を増長させる。
「陸、持ってみろ」
咲良は陸に手渡す。
「…すげぇしっくりくる。重すぎず軽すぎず、本当に丁度いいや」
陸が感触を確かめるように少し振ったり突いたりしながらニヤける。
「その槍の名はゲ「ゲイボルグ?」……まじか」
名を告げようとした瞬間、陸が咲良の言葉と重ねるようにゲイボルグと呟いた。
「陸、名前がわかったのか?」
「え?あぁ、なんか頭に浮かんだ様な気がした」
「そうか」
咲良は平然としている様に見えるが内心はかなり驚いていた。武具の名を聞く者などクロノスと咲良しかいないと思っていた。
だが、陸に鍛治師としての才能があるかと言われるとそうではない。ならなぜなのか…それほどまでに陸は自身の槍と意思疎通が出来ていたのだろうか。
咲良はじっくりとゲイボルグを見やり、1つの結論に至った。
(そうか…陸が真名をわかったんじゃない。ゲイボルグが持ち主である陸に真名を伝えたのか。お互いの信頼関係というよりはゲイボルグがより一方的に陸の事を信頼したために起きた現象と言える。なるほど、こういうこともあり得るのか。不思議なもんだな…技神と言ってもまだまだ知らない事だらけだ。いや…だからこそ面白い)
咲良はその結論に満足し、作った側であるにも関わらず陸に内心感謝した。武具の新たな可能性を広げてくれたからだ。
「にしてもなんかすげぇ雰囲気だなそれ」
するとルーグが率直な感想を述べる。
「魔力発現体だからだろうな」
「なんだそりゃ」
「自ら魔力を生み出す魔武器ってことだ。もっとわかりやすく言えば武器に魔蔵があると思え」
「そ、そんなのありか…」
陸もルーグも自ら魔力を発する魔武器など知るはずもなく驚く。
「も、もしかして、それが神器…なのか?」
「いや、それはない。まぁ神器に近しい性能ではあるだろうな」
陸の質問には否と答えたものの、見る人からすれば神器だと思われても仕方のない性能を持った武具であることは認めた。
「いいのか?」
陸は自身の力を大きく超えた武具を持つことに多少の違和感を覚えるが…
「大丈夫だ。俺が陸を強くしてやるからな」
「なるほど、そりゃ願ったり叶ったりだな」
「ゲイボルグについての詳しい性能と扱い方も教えてやる。依頼に行くのはそれからだ」
次の日からゲイボルグについての、もとい陸の修行が始まった。
咲良はそういうと出来たばかりの溶鉱炉の前に座り込む。
「仕事?」
「なんか仕事請け負ってたか?」
陸もルーグも心当たりはない。
「陸、お前の武器を鍛え直す。それが最初の仕事だ」
「…え?い、いいのか?」
「なるほど、最初の仕事にはもってこいだな!」
ルーグは咲良の鍛治師としての実力を見れるのが嬉しいようだ。
「えぇー、良いなぁ!」
「俺も作ってくれよ!」
秀樹と穂花が羨ましがってしつこくせがんでくるが、咲良は一切相手にしない。
「陸は一緒に依頼を受けるんだ。なら武器も陸に合った物にしないとな」
「あ、ありがとう!武器取ってくる!」
陸の得物である槍は宿屋に預けていたので取りに行き、しばらくするとぜーぜーと息を切らせた陸が槍を持って戻ってきた。
「慌てるなっての」
「いやー嬉しくてさ!」
陸はまるで子どものようにはしゃぐ。
「分かったから槍渡せ」
「お、おう」
陸から槍を預かり、改めてじっくりと観察する。
(やっぱ重心がずれてるな。まぁ素材は中々のようだが…)
「ど、どうだ?」
「心配するな。この槍に使われている素材もしっかり生かして、お前にぴったりの物を作ってやる」
そういうと咲良は作業に取り掛かる。一同も静かに後ろから咲良を見守っていたが、秀樹と穂花は他にやることがあるのか途中で退室した。
今回主体にする鉱石は黒曜石と呼ばれる黒い鉱石だ。地球にも同じ名前の鉱石はあるが成分からして全くの別物である。
黒曜石は市場には一切出回っておらず、その存在すら明らかにされていない。希少度で言えばアダマンタイトやオリハルコンと同率となる。
咲良もクロノスが所持していた分しか持っておらず、採掘できる場は知らない。
黒曜石の一番の魅力は魔力を込めると分裂するという特性だ。その分裂した個体は魔力が切れると自然に消滅し、分裂する個数は込めた魔力、黒曜石の純度に依存する。
確かに希少な鉱石ではあるが、陸のためなら惜しくはないし、目の前の槍がなりたいと願う姿にするには黒曜石が最も当てはまる。
まず、槍を溶鉱炉で少しずつ溶かし固めてインゴットに変える。
続いて魔石の不純物を限界まで取り除くと、そこに魔力伝導率を高める翡翠晶とメインの黒曜石を入れ、最後に全ての鉱石の繋ぎとなる粘着石を投入する。
全てが混ざり合うとインゴットに変えた槍も混ぜ合わせる。
それをハンマーで叩いては熱し、叩いては熱しを繰り返していく。時間が掛かるのはここからだ。
そして咲良が一切の休みを取らずに作業を続けて丸一日が経過した。
その間も陸とルーグは咲良と同じく睡眠や食事を摂らずにずっと後ろで見ていた。
「飯でも食ってこい」
途中2人にそう声をかけたが…
「咲良はずっと寝ず食わずで頑張ってるのにそんなこと出来るかよ」
「俺も今後の参考にしたいからな、目を離すわけにはいかん」
聞き入れてもらえなかった。
そしてさらに数時間後…
「完成だ」
完成した槍は黒く、しかし光の加減によって時々紫にも見え異様な雰囲気を放っていた。その矛先には刺々しい刃が4本付いており、それが存在感を増長させる。
「陸、持ってみろ」
咲良は陸に手渡す。
「…すげぇしっくりくる。重すぎず軽すぎず、本当に丁度いいや」
陸が感触を確かめるように少し振ったり突いたりしながらニヤける。
「その槍の名はゲ「ゲイボルグ?」……まじか」
名を告げようとした瞬間、陸が咲良の言葉と重ねるようにゲイボルグと呟いた。
「陸、名前がわかったのか?」
「え?あぁ、なんか頭に浮かんだ様な気がした」
「そうか」
咲良は平然としている様に見えるが内心はかなり驚いていた。武具の名を聞く者などクロノスと咲良しかいないと思っていた。
だが、陸に鍛治師としての才能があるかと言われるとそうではない。ならなぜなのか…それほどまでに陸は自身の槍と意思疎通が出来ていたのだろうか。
咲良はじっくりとゲイボルグを見やり、1つの結論に至った。
(そうか…陸が真名をわかったんじゃない。ゲイボルグが持ち主である陸に真名を伝えたのか。お互いの信頼関係というよりはゲイボルグがより一方的に陸の事を信頼したために起きた現象と言える。なるほど、こういうこともあり得るのか。不思議なもんだな…技神と言ってもまだまだ知らない事だらけだ。いや…だからこそ面白い)
咲良はその結論に満足し、作った側であるにも関わらず陸に内心感謝した。武具の新たな可能性を広げてくれたからだ。
「にしてもなんかすげぇ雰囲気だなそれ」
するとルーグが率直な感想を述べる。
「魔力発現体だからだろうな」
「なんだそりゃ」
「自ら魔力を生み出す魔武器ってことだ。もっとわかりやすく言えば武器に魔蔵があると思え」
「そ、そんなのありか…」
陸もルーグも自ら魔力を発する魔武器など知るはずもなく驚く。
「も、もしかして、それが神器…なのか?」
「いや、それはない。まぁ神器に近しい性能ではあるだろうな」
陸の質問には否と答えたものの、見る人からすれば神器だと思われても仕方のない性能を持った武具であることは認めた。
「いいのか?」
陸は自身の力を大きく超えた武具を持つことに多少の違和感を覚えるが…
「大丈夫だ。俺が陸を強くしてやるからな」
「なるほど、そりゃ願ったり叶ったりだな」
「ゲイボルグについての詳しい性能と扱い方も教えてやる。依頼に行くのはそれからだ」
次の日からゲイボルグについての、もとい陸の修行が始まった。
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