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オリギナ魔法学校
第四話 カテイナの入学動機
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「え~っと、名前は”カテイナ”ね。ほう、五歳? 魔界……魔界出身ねぇ」
願書を見ながら俺を見るというのを繰り返す。見られるたびに俺は胸を張った。そろそろひっくり返りそうだ。
「クラウディアさん、カテイナ君はもしかして報告書の彼ですか?」
「はい。そうです」
「……おやまあ」
「おい! 俺を無視するなよ! なんだ報告書って!」
「この間、一緒にドラフトにいったときのことを私が報告書にしたの」
「な、何だと! 当然それは俺を格好よく書いたんだろうな!」
「……見たとおりのことを書いたよ」
「魔王シヲウルさんのご子息で、一人でウルフキングを追い払ったと書いてありましたよ」
「その通りだ! 俺は強いんだぞ!」
鼻息も荒く俺は威張った。なんだわかっているじゃないか。ついでに気前よく魔力を解放する。わかってないなら脅すに的確なタイミングを見る必要がある。但し、俺の力をわかっているなら隠した分だけ誠意が欠けたと思われるだろう。
「折角だ。俺の力を見せてやる」
一気に魔力を上げたりしない。相手の顔色の変化を観察しながら驚いた瞬間にさらに大きく膨らませる。ふふ、さあどのくらいで驚くかな?
「ちょ、ちょっと、か、カテイナ君! それやめて!」
「口出しするな! 俺の戦いだぞ! 別段、叩いたりしないから安心してろ!」
「あらあら、これは凄い」
魔力を解放していくのは気持ちいい。ちょっと解放しただけでクラウディアは悲鳴を上げている。だが校長には脅威が伝わっていない。
にやつきながら校長に視線を送る。校長はにっこり笑って頷いた。……ほほう。ならば全部解放するまでだな。
校長室の窓枠がきしみを上げる。解放された衝撃だけでクラウディアが転がって、校長室の書類が舞い上がる。
「……素晴らしい」
「ああ? 何だって?」
「カテイナちゃん、もうやめてよ!」
吹き荒れる暴風のような魔力にさらされてクラウディアは恐怖で顔が引きつっている。だが、逆に校長は笑っている。出会ったときより目が輝いているように見える。
「へえ、驚かないんだな」
「いいえ、十分驚かせていただきました。それではこのまま入学試験の面接をしましょうか? それとも一度休憩しますか?」
「休憩はいらないぞ」
「そうですか。ではクラウディアさん、奥の部屋から彼のために椅子を持ってきて下さい。その後は、副校長に事情を話してから授業に出るように、言伝は”いつも通り授業を進めるように”と、お願いしますね」
「だ、大丈夫ですか? 私もいた方がよいのでは?」
「大丈夫です。それにこんな面白い事、独り占めしたいじゃないですか」
校長が笑っている。クラウディアはため息ついて椅子を持ってきて俺を座らせると「絶対に攻撃しないで」と言ってきた。「あいつが攻撃しなきゃしないさ」と答えて座って足を組む。
クラウディアは「はぁ……それでは失礼します」と頭を下げて退出していった。
校長と二人っきりになっていよいよ本番だ。
「それではカテイナ君、この学校の志望動機は?」
「クラウディアだ! あいつの魔法技術が凄かったからだ。俺だってあの技術が欲しい! 銀貨に魔力をしみこませるのは出来た! 魔法の百連発だって出来る! だがな、四種同時魔法は出来なかった! ここに居ればその技術が身につくんだろう? 俺はあれが欲しい!」
「貴方の才能なら他の誰もが出来ないことが出来るでしょう? 例えば超遠距離のゲート魔法、大河を逆流させる、嵐を作ること。どれも人間にはとても出来ない事ですよ?」
「そんな出来ることはどうでもいい! 俺は出来ないことが悔しい! 技術が欲しいんだ。俺の知らない技術が欲しい! 俺は魔王になるんだ。何でも出来なきゃいけない。他人にたった一歩だって後れを取るわけにはいかない。お前達の技術をよこせよ! 俺は全てを身につけて尊敬を集めるんだ。偉くなるんだ。だから出来ないことがあってはいけないんだ!」
前のめりになって説明する。俺が技術をほしがる理由、そこに一欠片の嘘も無い。
「なるほど。素晴らしい知識欲と向上心です。ですが、貴方ほどの才能があればその程度の技術は身につけられるのではないですか?」
「元オリギナの魔道士の奴がもっと凄いことをしていたんだ。魔界一の耐久力を誇るフランシスカをたった十秒で倒したんだぞ! きっとお前らはこれだけじゃ無いはずだ。もっと、いっぱい、俺の知らない技術を持っているはずだ! その技術を全部、俺のものにしたいんだ!」
「私も初耳です。それは何でしょう?」
「俺もクラウディアに目をふさがれたから見ていない。知っているのはクラウディアとウィンズって奴だけだ。フランシスカに聞いても教えてくれないし」
「後で私も聞いてみます。何でしょう、ドキドキしますね。未知の技術を聞くと」
「わかったら俺にも教えろよ。っとそう、これが俺の志望動機だ。この学校で技術を身につけて俺は全てのものから憧れられるぞ」
シュンカがさもありなんと頷いている。
「なるほど、志望動機は申し分なし、才能もあるでしょう。技術を悪用されそうなのが難点ですが……、カテイナ君、この学校で身につけた技術は何に使いますか?」
俺は「尊敬を集めるために決まっている!」と答えた。悪用しても尊敬は集まらないだろうし、俺は羨望のまなざしを集めるためだけに技術が欲しいのだ。
「うふふ、なるほど。悪事に使うかどうかはこれからの貴方次第のようですね」
「お、俺はそんなことには使わないぞ」
「それで結構。今使う意思がない。それで十分です。これで面接は終わりにしましょう。次は知力の試験ね」
シュンカが立ち上がって、「少し休憩にしましょう」と続ける。俺は深呼吸だ。ふふ、勝ったぞ、知力であれば問題ない。全世界の五歳児を集めても俺以上の天才はいまい。全く知力は問題ないはずだ。
「お手洗いは一番奥に有ります。七階から出なければいいですよ。そうね、この砂時計で十五分後に知力の試験をしましょうか」
「クラウディアに面接試験に受かったことを伝えてくる」
「ダメですよ。これは試験です。”七階から出ない”こういう約束を守れるかも私は見ていますからね」
”ぐっ”と言葉に詰まる。こ、こいつ、俺を拘束する気か?
「俺は俺の自由にするぞ」
「ええどうぞ。自由を束縛する気はありません。私が貴方をどのように評価しても自由なように、貴方にも自由があります」
こ、この女! クラウディアの遙か上か! 口八丁が上手すぎる。下手に舌戦をすると俺が負ける。
舌打ちしてお手洗いを済ませて元の席に戻る。
シュンカはその間、机で知力試験の問題を作成しているようだ。
「では、時間ですのでこの問題を解いて下さい。時間はこの砂時計の二時間です」
「ふっ、こんな物十分で解いてやるぞ」
二時間用の砂時計をひっくり返して試験開始だ。
願書を見ながら俺を見るというのを繰り返す。見られるたびに俺は胸を張った。そろそろひっくり返りそうだ。
「クラウディアさん、カテイナ君はもしかして報告書の彼ですか?」
「はい。そうです」
「……おやまあ」
「おい! 俺を無視するなよ! なんだ報告書って!」
「この間、一緒にドラフトにいったときのことを私が報告書にしたの」
「な、何だと! 当然それは俺を格好よく書いたんだろうな!」
「……見たとおりのことを書いたよ」
「魔王シヲウルさんのご子息で、一人でウルフキングを追い払ったと書いてありましたよ」
「その通りだ! 俺は強いんだぞ!」
鼻息も荒く俺は威張った。なんだわかっているじゃないか。ついでに気前よく魔力を解放する。わかってないなら脅すに的確なタイミングを見る必要がある。但し、俺の力をわかっているなら隠した分だけ誠意が欠けたと思われるだろう。
「折角だ。俺の力を見せてやる」
一気に魔力を上げたりしない。相手の顔色の変化を観察しながら驚いた瞬間にさらに大きく膨らませる。ふふ、さあどのくらいで驚くかな?
「ちょ、ちょっと、か、カテイナ君! それやめて!」
「口出しするな! 俺の戦いだぞ! 別段、叩いたりしないから安心してろ!」
「あらあら、これは凄い」
魔力を解放していくのは気持ちいい。ちょっと解放しただけでクラウディアは悲鳴を上げている。だが校長には脅威が伝わっていない。
にやつきながら校長に視線を送る。校長はにっこり笑って頷いた。……ほほう。ならば全部解放するまでだな。
校長室の窓枠がきしみを上げる。解放された衝撃だけでクラウディアが転がって、校長室の書類が舞い上がる。
「……素晴らしい」
「ああ? 何だって?」
「カテイナちゃん、もうやめてよ!」
吹き荒れる暴風のような魔力にさらされてクラウディアは恐怖で顔が引きつっている。だが、逆に校長は笑っている。出会ったときより目が輝いているように見える。
「へえ、驚かないんだな」
「いいえ、十分驚かせていただきました。それではこのまま入学試験の面接をしましょうか? それとも一度休憩しますか?」
「休憩はいらないぞ」
「そうですか。ではクラウディアさん、奥の部屋から彼のために椅子を持ってきて下さい。その後は、副校長に事情を話してから授業に出るように、言伝は”いつも通り授業を進めるように”と、お願いしますね」
「だ、大丈夫ですか? 私もいた方がよいのでは?」
「大丈夫です。それにこんな面白い事、独り占めしたいじゃないですか」
校長が笑っている。クラウディアはため息ついて椅子を持ってきて俺を座らせると「絶対に攻撃しないで」と言ってきた。「あいつが攻撃しなきゃしないさ」と答えて座って足を組む。
クラウディアは「はぁ……それでは失礼します」と頭を下げて退出していった。
校長と二人っきりになっていよいよ本番だ。
「それではカテイナ君、この学校の志望動機は?」
「クラウディアだ! あいつの魔法技術が凄かったからだ。俺だってあの技術が欲しい! 銀貨に魔力をしみこませるのは出来た! 魔法の百連発だって出来る! だがな、四種同時魔法は出来なかった! ここに居ればその技術が身につくんだろう? 俺はあれが欲しい!」
「貴方の才能なら他の誰もが出来ないことが出来るでしょう? 例えば超遠距離のゲート魔法、大河を逆流させる、嵐を作ること。どれも人間にはとても出来ない事ですよ?」
「そんな出来ることはどうでもいい! 俺は出来ないことが悔しい! 技術が欲しいんだ。俺の知らない技術が欲しい! 俺は魔王になるんだ。何でも出来なきゃいけない。他人にたった一歩だって後れを取るわけにはいかない。お前達の技術をよこせよ! 俺は全てを身につけて尊敬を集めるんだ。偉くなるんだ。だから出来ないことがあってはいけないんだ!」
前のめりになって説明する。俺が技術をほしがる理由、そこに一欠片の嘘も無い。
「なるほど。素晴らしい知識欲と向上心です。ですが、貴方ほどの才能があればその程度の技術は身につけられるのではないですか?」
「元オリギナの魔道士の奴がもっと凄いことをしていたんだ。魔界一の耐久力を誇るフランシスカをたった十秒で倒したんだぞ! きっとお前らはこれだけじゃ無いはずだ。もっと、いっぱい、俺の知らない技術を持っているはずだ! その技術を全部、俺のものにしたいんだ!」
「私も初耳です。それは何でしょう?」
「俺もクラウディアに目をふさがれたから見ていない。知っているのはクラウディアとウィンズって奴だけだ。フランシスカに聞いても教えてくれないし」
「後で私も聞いてみます。何でしょう、ドキドキしますね。未知の技術を聞くと」
「わかったら俺にも教えろよ。っとそう、これが俺の志望動機だ。この学校で技術を身につけて俺は全てのものから憧れられるぞ」
シュンカがさもありなんと頷いている。
「なるほど、志望動機は申し分なし、才能もあるでしょう。技術を悪用されそうなのが難点ですが……、カテイナ君、この学校で身につけた技術は何に使いますか?」
俺は「尊敬を集めるために決まっている!」と答えた。悪用しても尊敬は集まらないだろうし、俺は羨望のまなざしを集めるためだけに技術が欲しいのだ。
「うふふ、なるほど。悪事に使うかどうかはこれからの貴方次第のようですね」
「お、俺はそんなことには使わないぞ」
「それで結構。今使う意思がない。それで十分です。これで面接は終わりにしましょう。次は知力の試験ね」
シュンカが立ち上がって、「少し休憩にしましょう」と続ける。俺は深呼吸だ。ふふ、勝ったぞ、知力であれば問題ない。全世界の五歳児を集めても俺以上の天才はいまい。全く知力は問題ないはずだ。
「お手洗いは一番奥に有ります。七階から出なければいいですよ。そうね、この砂時計で十五分後に知力の試験をしましょうか」
「クラウディアに面接試験に受かったことを伝えてくる」
「ダメですよ。これは試験です。”七階から出ない”こういう約束を守れるかも私は見ていますからね」
”ぐっ”と言葉に詰まる。こ、こいつ、俺を拘束する気か?
「俺は俺の自由にするぞ」
「ええどうぞ。自由を束縛する気はありません。私が貴方をどのように評価しても自由なように、貴方にも自由があります」
こ、この女! クラウディアの遙か上か! 口八丁が上手すぎる。下手に舌戦をすると俺が負ける。
舌打ちしてお手洗いを済ませて元の席に戻る。
シュンカはその間、机で知力試験の問題を作成しているようだ。
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