Lara

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騒ぎの終結と夕焼けの空

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「皐月、何を焦っているんだ?」
「え?」
「今まで自分の相棒ともいえる弟を見ずに転校生ばっかり相手をしていたじゃないか。」
「……」
「そのおかげで弟の睦月は兄のお前にも相手をされず心苦しい日々を送っていたという訳だろう。憶測となるがあんたらならこんなところじゃないか?それに…いや、これは踏み込みすぎるから俺からは言えないな。」

俺の言葉を聞いた双子兄は目を大きく開けて、それから弟に目を向ける。

「……睦月、そうなの?辛かったの?」
「っ…皐月……ごめん」

双子弟は気まずげに顔を俯かせる。事実、王道クンが来てから兄にも相手をされなくなって兄が大好きだった彼にとってはとても空虚な日々だっただろう。
始めは兄もすぐに転校生から興味は逸れるだろうと思っていた。彼はそうだったから。だが、予想に反して兄は周りに目も向けなくなりさらに王道クンに熱中していった。兄は王道クンばかり構い、自分には目もくれてくれない。
それは常にお互いを意識していた弟からすれば自分を揺らがす衝撃だっただろう。寂しくて悲しくて、だけど兄の為にと兄に寄り添って付き合う。それでも辛くて兄から離れて陰で泣いたりした。だけど兄はいつの間にかいなくなった自分に気づかずに王道クンだけを見ていた。

「ううん、睦月が謝らなくていいんだよ……悪いのは僕の方だもん。」
「ううっ……皐月ぃ……」
「おいで…ごめんね、睦月…」
「ぅあ、皐月ー」

なんか、ドラマが始まった…そんなに想ってんだったら最初から目を離すなよ。じっくり見て愛を育めよ。俺がじっくり見守って観察して腐男子活動してるから。むしろさせろ、萌えが足りなさ過ぎて最近禁断症状が出てき始めたんだよ。ktkrさせろwkwkさせろ。萌えを、萌えを我にッ!!!

ごほん、久しぶりの萌えで上がりきったテンションはこのシリアスな場面に会わないので沈下させてもらいます。はい、残念だが。
傍で兄弟愛を深めている双子を見ないのは名残惜しく感じるが次のターゲットを射止めようか、名残惜しく思うが。

「……で、副会長と行こっか。」
「……」
「あはは、警戒するってことはそれだけ後ろめたいことをしていると理解していると判断するけど?」

こちらを睨みつけて話しかけても何も話さない副会長。そこまで敵意を剝き出しにしなくてもいいと思うんだがな。…悲しいか悲しくないかで言えば悲しいと答えられるだろう。会長やワンコ、双子よりは共にいる時間は少ないたったの一年ぽっちだ。いや、一年もいっていない。だがな、それでも同じ部屋で話して仕事をして、遊んで交流を深めたりしたんだ。そんな仲の人がこっちを警戒し、今にでも飛びかかってきそうになられて傷つかないなんてことはない。

食堂での誹謗中傷しかり今までの態度しかり。

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