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血を啜る者たちと鳥獣と血狂いと
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☆★☆★☆
とある廃ビルのホールで
「姫、姫、姫…どこにいるんだ……」
下僕を使って探しているが一向に見つからない。彼がいなくなってもう三か月近く経つ。行先も告げないで、まるで幻だったかのように消えてしまった。
唯一、とあるスジから手に入れたこの情報がなければとっくに発狂していただろう。
「【星陵学園】…ここに、姫が…」
いる
実際はいるかもしれないと言われたが、彼の中では都合よくいると確定されていた。事実、いるのだが。
「大丈夫だ、姫。一刻も早く、助けてやるからな…その為には城下町に進出しねぇと…ああああーーーっ!!汚鳥と屑猫の野郎が邪魔なんだよ!畜生!!」
さっさと潰さねぇと…そうぶつぶつと不気味に呟いていた。
☆★☆★☆
「よし…」
準備完了。バールもあるし、後はフードを被るだけだ。
俺は耳のピアスの十字架ををいじりながら確認する。いつもは面倒で着けないが、偶にはお洒落したい気分だったのでつけた。十字架ってかっこいいから好きだ。着けすぎると中二病臭がするから気をつけなきゃいけないが。
今日は【cat】と【crow】が合同で【ヴァンパイア】を潰す日だ。遂に二組の堪忍袋の緒が切れたらしい。やつらの拠点を強襲するんだと、これでしばらくはあいつらの活動が収まるといいんだがな。
「…っと、ついでに胃薬も持っていこう。霞城に」
絶対、胃に穴が開いてんだろあれ…駄犬の世話も大変だな……
霞城の為に買って置いておいた胃薬をパーカーのポッケに入れる。
そして、フードを被った。
フードが視界を遮る
ついでに視界もぶれる
意識も崩れる
…頬が吊り上がる
「…ナンでオレはァこーンナぁコトォおをシテルんだろウなぁ……ヒヒヒぃ、マァいっか」
窓枠に足を乗っけ、飛び出した。
この落ちる感覚は何度やっても飽きない。受け身をやり損ねればどこか壊れるだろうが止める気はなかった。
こレ以外ニィ外に出ルぅノもアァルっチゃアルガァ面倒ダしィなァ……
力を地面に受け流しながら着地する。どこか痛めたところはなさそうだ。そのまま森に入り、塀をが見えたところで跳躍して塀を飛び越えた。
少し走ったら下り坂になり、次々と現れる木や根を避けながら駆け降りる。これも結構アスレチックみたいで楽しかったりする。
森と街の境目に着いて一息ついた。今日もイルミネーションがキラキラしていて無駄に電気を消費しているなと感心(?)する。
空を見上げると雲が覆っていて、月は見えなかった。
「ケヒヒヒヒ…チャあントぉたァノしマセテクレれヨ?【ヴァンパイア】クゥン……」
その前に【crow】と【cat】が集まっているところに行かねぇとな。そもそも城下町に【ヴァンパイア】いねぇし
とある廃ビルのホールで
「姫、姫、姫…どこにいるんだ……」
下僕を使って探しているが一向に見つからない。彼がいなくなってもう三か月近く経つ。行先も告げないで、まるで幻だったかのように消えてしまった。
唯一、とあるスジから手に入れたこの情報がなければとっくに発狂していただろう。
「【星陵学園】…ここに、姫が…」
いる
実際はいるかもしれないと言われたが、彼の中では都合よくいると確定されていた。事実、いるのだが。
「大丈夫だ、姫。一刻も早く、助けてやるからな…その為には城下町に進出しねぇと…ああああーーーっ!!汚鳥と屑猫の野郎が邪魔なんだよ!畜生!!」
さっさと潰さねぇと…そうぶつぶつと不気味に呟いていた。
☆★☆★☆
「よし…」
準備完了。バールもあるし、後はフードを被るだけだ。
俺は耳のピアスの十字架ををいじりながら確認する。いつもは面倒で着けないが、偶にはお洒落したい気分だったのでつけた。十字架ってかっこいいから好きだ。着けすぎると中二病臭がするから気をつけなきゃいけないが。
今日は【cat】と【crow】が合同で【ヴァンパイア】を潰す日だ。遂に二組の堪忍袋の緒が切れたらしい。やつらの拠点を強襲するんだと、これでしばらくはあいつらの活動が収まるといいんだがな。
「…っと、ついでに胃薬も持っていこう。霞城に」
絶対、胃に穴が開いてんだろあれ…駄犬の世話も大変だな……
霞城の為に買って置いておいた胃薬をパーカーのポッケに入れる。
そして、フードを被った。
フードが視界を遮る
ついでに視界もぶれる
意識も崩れる
…頬が吊り上がる
「…ナンでオレはァこーンナぁコトォおをシテルんだろウなぁ……ヒヒヒぃ、マァいっか」
窓枠に足を乗っけ、飛び出した。
この落ちる感覚は何度やっても飽きない。受け身をやり損ねればどこか壊れるだろうが止める気はなかった。
こレ以外ニィ外に出ルぅノもアァルっチゃアルガァ面倒ダしィなァ……
力を地面に受け流しながら着地する。どこか痛めたところはなさそうだ。そのまま森に入り、塀をが見えたところで跳躍して塀を飛び越えた。
少し走ったら下り坂になり、次々と現れる木や根を避けながら駆け降りる。これも結構アスレチックみたいで楽しかったりする。
森と街の境目に着いて一息ついた。今日もイルミネーションがキラキラしていて無駄に電気を消費しているなと感心(?)する。
空を見上げると雲が覆っていて、月は見えなかった。
「ケヒヒヒヒ…チャあントぉたァノしマセテクレれヨ?【ヴァンパイア】クゥン……」
その前に【crow】と【cat】が集まっているところに行かねぇとな。そもそも城下町に【ヴァンパイア】いねぇし
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