楽な片恋

藍川 東

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春 2/3

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 4月。
 ひとまず僕は、大学生になることができた。
 附属高校の内部推薦もらってたから、入学資格は問題なかったんだけど。
 物理的に、『大学に通えるか』ってのが、ちょっと問題になった。

 優一朗は、『もっと長期戦を覚悟してたんだよね。これだったらさっさとスキップ制を導入させおけばよかった』っていってるんだけど、『させておけば』?
 『ん? 大丈夫だよ、さわちゃん。あと10年もしなううちに、同性婚を法制化するし』
 いや。なんで国の施策とか、優一朗が自信満々なの?
 政治家にでもなっちゃうの?
 似合いそうだけど。
 『ううん。そんな非効率的なことはしないよ。資金援助者になって、何人か子飼いの政治家を作って、国会に提出させて方がいいでしょう? 自分が政治家人になったら一票だけど、これなら複数票管理できるし』
 …………え? 
 なにその人生計画。
 将来の職業は『フィクサー』とかいっちゃうの?
 『権力には興味ないんだよね。さわちゃんと俺が楽しく暮らしていければ、それでいいし』
 そういって目止めを合わせたまま、ニッコリと笑われちゃったりすると。
 今までよりも、甘い? 感じがしちゃうのは、僕の個人的感想であって、発熱発汗動悸息切れ目のウルミの諸症状が出てしまうのは、僕だけかもしれない。
 いや、もしかして近くでこのイケメン雰囲気を浴びた人は、みんなそうなっちゃうのかな。
 …………みんなはちょっと、やだけど。

 とにかく、最近の優一朗は、ちょっとダークサイド闇部分見せてきてるんだけど、やっぱ、好きで。
 自分でも『チョロ』って思うんだけど、仕方ないじゃないか。

 母さんと夕夏さんは、本当に僕が大学に『行ける』ことに驚いてた。
『だって、自分の目の届かないところにさわちゃんをやるなんて、優一朗ってば血涙ものでしょ』
 と、夕夏さん。
『さわちゃんがゆうちゃんと離れて、大学に通えるなんて。拉致監禁でも、晩ごはんのときは帰してくれないかなぁ、って思ってたもの。』
 と、母さん。

 優一朗。
 お前、実母と義母(で、いいんだよなっ。照れるけどっ。)から、どんなふうに思われてたわけ?

 ま、と、いうわけで。
 僕と優一朗は、おそらく物心ついてから初めて、日常を過ごす場所が違うことになった。

 入学式前に、優一朗からは腕時計とか、ネックレスとか(指輪だと、目立っちゃうからって。イケメン過ぎるだろ、僕の彼氏っ)、スマホもおそろいに機種変した。(データ交換とかアプリとか、ぜんぶ優一朗がやってくれた。できるイケメンなんだ、僕の彼氏っ。)
 なんかいろいろ機能あるらしいけど、普段使えるのさえあればいいかな?って優一朗任せにしちゃったんだけど、自主性なさすぎだったかな?

 (でもその様子を見て、母さんはにこにこしてたけど、夕夏さんはげっそりしてた。父さんは何か言いたげにしてたけど、優一朗と目が合うと、震えながら右下に視線を落とした。どうしたんだろう?)

 それにあったって、優一朗とその、モニョモニョあったけど、ま、それは僕たちの内緒ってことで。
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