出会いそして別れ……その先にあるもの

ハーマ

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復活

彪雅の復活

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煌琥視点

煌琥「極度のストレスと過労、睡眠不足に栄養失調等の症状が重なったらしい」

???『そうか……今年何度目になる?』

煌琥「今月だけで5回目だ  今回はかなり酷いらしい」

煌琥  煌が死んで24年が経った……この24年間で彪雅の「首領」としての力は健在しているが「彪雅個人」としては日に日に力が弱まっていき今では月に1度必ず何かしらの理由で倒れている

???『直接会うことが出来れば今すぐにでも会いに行くのだが……』

煌琥「それが出来ないんだろう?ザクーレ」

ザクーレは訳あって彪雅と直接会うどころか声さえ聞くことができない

ザクーレ『……翼亡き今我々に力はない  白蘭達は?』

煌琥「消息がつかめない  恐らく誰かの力だ」

ザクーレ『そこら辺は調べてみる……彪兄をどうか宜しく頼む』

ザクーレは昔彪雅の義弟で今尚彪雅を「兄」と呼んでいる

煌琥「……無理し過ぎだ彪雅」

煌琥はザクーレと連絡を取りながら昏睡状態に陥り静かに眠っている彪雅の白い髪を触る

煌琥「これで目が覚めないってのはやばいな」

雅一「24年間も仕事に捜索、訓練を続けていればそうなるだろう」

煌琥「雅一……見つけられたか?」

雅一「駄目だ見つからない  蘇った形跡もなしだ」

24年前から変わらない雅一の返答で煌琥は彪雅の髪を触っていない方の手で頭を「わしわし」とかき溜息を漏らす

煌琥「心にどこかに大きな穴が出来ちまったんだろうな……煌を失った時から彪雅の中の何かが壊れた」

煌琥  そしてそれを癒せるわけでもなく24年と言う月日が流れ日に日に「彪雅」は弱くなっていく…

???「後……6年……」

不意に聞こえた聞き慣れた声……翼の声が聞こえ左右を見るが誰もいない

劉夜「……申し訳ない仕事が入った指名だ」

煌琥「分かった今行く」

劉夜に呼ばれその場にいた煌琥と雅一はその場を後にする

その日の夜

締まっていた筈の窓が開かれ緩やかな風と共に誰かの声が彪雅しかいない室内に響く

???「彪雅……俺の愛しい人……」

その声で昏睡状態にある筈の彪雅の目が覚め声の方を向くが彪雅の目には光は無い  当たり前だ意識のその物はその場に健在していない

彪雅「……き……ら……?」

声の主は翼だった……だけど彪雅は翼の大きな違いに気がつく

彪雅「……華……」

翼「気がついたか……相変わらず鋭いな彪雅  夜の間だけ体を持つ事が出来る、だから華が散っている状態でお前に会えるんだ」

それが夢なのか現実なのか昏睡状態に陥っている彪雅には理解ができないが一時の幸福を彪雅は手に入れる

煌琥「彪雅?」

彪雅「……煌琥」

数ヵ月後漸く目の覚めた彪雅には夜の事の記憶はなかった

だが記憶はなくとも何故か溢れんばかりの満足感と幸福感があり悪かった目覚めもスッキリしている

彪雅「……ふっ……ハハハハハ!!」

煌琥「彪雅?」

突然大声で笑い出した彪雅の声は24年前の明るくとても元気だった頃の笑い……

彪雅「この幸福感に包まれているんだ犯人はあいつしかいない
組織のトップが弱々しくなっちゃ駄目だな」

煌琥  輝きが……かつての煌が生きていた頃の……美しく逞しく光り輝いていた華が何かしらの理由で復活した……理由は知らないけど……でも復活してくれただけでいいんだ……

久々の彪雅の活気……昔の元気の取り戻した明るい声……その声だけで煌琥の中にある闇が少し晴れる

彪雅の復活は劉夜を通して城内に一気に広がりその日は宴となった

煌琥「あんだけ飲んで全く酔ってないんだな」

彪雅「あのぐらいまだ序の口だまだイケる」

煌琥「よー飲むな」

彪雅「普段飲む酒の度数を20から40まで下げて飲んでるからかなりの量飲まないと酔わない」

彪雅の返事を聞きながら煌琥はある人物と共に飲んでいたウォッカに口をつける

彪雅「なぁ煌琥  お前何でいつも黒い手袋してるんだ?」

普段煌琥は黒い手袋で手を覆って隠している

煌琥「…………」

彪雅「失言だった  悪い」

彪雅はそう言って他の部下の元に行き話を聞きながら笑う

煌琥「……嵐……」

彪雅が離席し1人残された煌琥は手袋を外し死んだ翠琴の部下の名を呼ぶ

煌琥  そう言えばいつだっけ……嵐が死んだの……最後に嵐と会ったのは……最後に嵐の声を聞いたのは一体いつだ?

左手薬指に嵌められている金色のリングの裏には「揮騎皇  嵐(ふるのかみ  嵐)」と彫られている……右手の手首には煌琥の手首にフィットするよう作られた血の赤黒い色に染まったブレスレットには「2190年  どうか最愛の人である煌琥に幸福があらんことを」と刻まれブレスレットを渡された次の日に嵐が死んだ事を思い出す

煌琥「……かなり前だな……」

1人そんな事を呟きながら誰にも見られないようにしながら煌琥は一筋の涙を流した……彪雅が翼を亡くして壊れてしまったように煌琥も煌琥も壊れてしまったのだ

???「「嵐のいない世界で生きている意味は無い  破門だろうがなんだろうがすればいい俺は出ていく
俺が「越前」を名乗る事はもう二度とない  自分の力で生き長らえる」と言ってお前は家を出たな煌琥…全権力と越前家当主のみが許される進化可能の能力も棄てて……」

どこかで盗聴していたのは翠琴の兄  「帝惺  玲二(かみさと  れいじ)」「越前家4代目当主の右腕」と呼ばれる主従関係にある者の頂点に立つ男で煌琥が「当主争いから降りる」と言った日に居合わせ長年煌琥を影で支えてきてた人物でもある

玲二「煌琥  お前いつまで己の心を無視しているつもりだ?いずれ来る「因縁の決着」と「その先の未来」……」

玲二は知っているのだ……煌琥の中に眠る深い闇とその先にある残酷な運命を……
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