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第1章 ガイコツ王子

20 心の純粋さ

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sideシャルナーク

俺はそれから本城に戻り、ありとあらゆる人に『昨日とどこか違わぬか?』と聞いて回った。

みな答えられぬし、正解を言ったものなど居なかった。
それでも、俺の心は満たされて居た。
エレナが金髪だと気づいてくれた!
それだけで、俺はもう嬉しかった。

俺があまりにも頭皮を見ているので、みな、不思議がった。

そんな事をしながら政務に励んでいると、ザルトハック兄さんがやってきた。
どうやら、仕事で話があるらしかった。

が…!

「おい、シャルナークよ…
少し見ぬ間に変わったな、お前…!

んん?
髪の毛が…

髪の毛が生えてないか!?」

ザルトハック兄さんは気づいた。

「そうなんです!
兄さんめざといな!」

俺は嬉しくて、髪の毛を触りながらそう言うと、ザルトハック兄さんも嬉しそうだった。

俺はどうして髪の毛が生えたのか、経緯をザルトハック兄さんにだけは説明した。

「だから、エレナは俺の女神なんですよ!」

そんなふうにキラキラした顔で話す俺を見て、ザルトハック兄さんは言った。

「なるほど、お前さんエレナ嬢に惚れたな?」

「な、な、なにを、急に!?
そ、そ、そのようなことは…!」

「ふむ…
肝心なのは、お前の気持ちが相手に伝わっているかどうかだ。
どうせ、まだ伝えていないのだろう?

勇気を出して告白してみろ。
今のお前ならば、大丈夫だ。

それにな、お前の心の純粋さは、エレナ嬢にも伝わってるはずだからな。」

「そうだろうか…?
兄さん、いまだに俺は自分に自信が持てなくて…」

「人は外見だけでは無いぞ。
それに、お前は十分にかっこよくなった。

その、あれだ。

そろそろ、挙式を挙げないといけないだろ。
その話もあったんだよ。」

ザルトハック兄さんは言う。

あぁ、そう言う事か…

挙式…
もう少し、もう少しかっこよく、いいや、普通になったら、エレナは俺と結婚してくれるだろうか…?

「まぁ、とりあえず一ヶ月以内にはしないとまずいだろうからな。
そのつもりで。」

「分かった。
ギリギリまで待ってくれ、兄さん。
俺からきちんと言いたいんだ。

跪いて、花束と指輪を渡して。」

俺は少し赤くなりながら、そう言った。

「うむ!
それでこそ、我が弟だ!
しっかり頑張れよ!
応援しているぞ。」

そして、ザルトハック兄さんは去っていった。

俺はまた頭の毛を撫でた。
もふもふしてて、気持ちがいい。

1ヶ月エレナの料理を食べ続ければ…
きっと俺の髪はもっと伸びて…

それに、最近筋肉も少し付いてきたからな。

いいぞ!
ローズリートが何だと言うんだ!

エレナは渡さないぞ!

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