悪役令息と悪役令嬢の兄と姉を守りたいので第四王子との恋愛フラグをへし折りまくります!

いずみ

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イモータルの洗脳

 アルフォンが俺に興味がないのは知っていたが、あんな美しい姫君が近くにいるという現実に俺は嫉妬がとまらなかった。アルフォンも俺と一緒の想いを持ってくれたらいいのにと思うが、それは難しいだろう。アルフォンの一番は姉君と兄君だ。それは変わらないのだろうな。俺と一緒に居るのだって、姉君と兄君の婚約者候補を探すためだからだ。
「なんか虚しいな」
「そんな顔をなさらないでください」
「…っ! イモータル…様!」
 何故、イモータルがココに?
「貴方とは話を直にしてみたいと思っていました。シフォン王子様」
「それで、こんな所まで来て俺になんの用だ?」
「シフォン王子様は婚約者様と上手くいっていないとお見受けして、お助けしたいと思いまして」
「……助けたいだと?」
 こいつ、何を考えている?
「貴方も思っていると思うのです。あの姫君が邪魔だと」
「……それで?」
 イモータルが一輪の薔薇を白い薔薇を手折った。そしてそれを俺の胸ポケットに入れる。
「シフォン王子様がアルフォン様と一緒といれる様に手配しますよ。姫君の護衛を変えましょう、そうすればアルフォン様と一緒に居られますよ」
「それは、そうだが……」
 アルフォンがあの姫君を気に入っているのは分かるが、仲良くなってほしくない。
「ならば、私にお任せください」
「イモータル様?」
「すぐに姫様と引き裂いてやりますから」
 そう口元に笑みを作って、イモータルは俺の前から消えた。
 引き裂くとは、どういう事なんだ?
 しかし、俺の心を読んでくるとは怖いな。あのイモータルというやつ。これでは、簡単にこの国の国民が心を奪われてしまったのも分かる。欲しい言葉をくれるのだから、心地がいいのだ。誠心誠意な感じの態度にも好感が持てた。ヤバいな、俺も手中にしようとしているのだと分かっているのに、好感を持ってしまっている。アルフォンと一緒にいたいそう思うのは契約違反だろうか? だが、今の俺達は婚約者だ。我慢しなくてもいいだろう。
「きゃぁああああああああ!」
 先ほどさった庭園から悲鳴がした。
 俺は急いで、アルフォンの元に戻った。
 そこで俺は後悔する。
 目の前には姫君を庇ったアルフォンが倒れていた。
 何処からか出てきた化け物に襲われたようだ。だが、その化け物はアルフォンが炎の魔法で倒した後だった。黒焦げになっていた。
 俺はすぐさまアルフォンに近付く。
「大丈夫か!」
「ぐっ……、シフォン! リジュ様を頼む!」
「何を言っているんだ! 人の心配をしている場合か!」
「俺が死んでも、変わりはいる! だが、リジュ様はいないんだ! シフォン! 早く! リジュ様を……安全なところまで! 探知の魔法で分かるんだ、まだあの化け物と一緒の個体が来る。俺だけならなんとか出来るから!」
「生きて帰ってこい」
 俺は魔法で傷を塞いでいる。応急処置だ。
「ありがとう、シフォン」
「いいか、それ以上傷をつくなら、俺にも考えがあるからな!」
「大丈夫、油断していただけだ……リジュ様を頼む!」
 俺はお前に信頼にたる人間ではない。
「分かった」
「リジュ様、シフォンと一緒に城の中に!」
「ですが、アルフォンが!」
「大丈夫です。あの、個体とは一度戦ったのです。勝ったのは僕ですから! ご安心を、僕もすぐに追いつきますから、先に中へ!」
 リジュは手を胸の前で強く握り、シフォンに手を取られて城の中に入った。
 シフォンはリジュの手を取りながら思った。
 あぁ、本当にリジュ姫君は邪魔だな。アルフォン一人だけだったら、あんな傷を負う事もなかったのに。それをさせたのが、この女だ。
「シフォン王子?」
 俺への異変に気付くリジュ姫君。
「すみません、リジュ様。ここでお別れしましょうか」
「へ?」
 リジュ様は後ろにいた護衛の兵士に大きな袋を被せられて、担がれて、何処かに行ってしまった。
「シフォン、リジュ姫君は!」
 俺の前に走ってくるシフォン。
 息を切らして俺の元に来た。
「リジュ様なら兵士と一緒に行ったよ」
「なっ! 何をしているんだ、シフォン! 兵士にも裏切りモノがいるんだぞ!」
「これで、お前はリジュ姫君の護衛を辞められるな」
「シフォン? お前、ちょっと変だぞ? ……っ、鑑定!」
「…っ!」
 眩しい光に俺は照らされた。そして、アルフォンが呟く。
「洗脳されている。何時の間に! 洗脳解除を!」
「洗脳?」
 また、明るい光に包まれる。だが次のは温かい。
「あれ、俺は……! リジュ様が兵士に連れていかれたんだ!」
「ちっ、胸についている薔薇からか。洗脳出来るように魔法と匂いでやられたんだ! リジュ様を探さないと!」
「悪い、アルフォン! 俺がついていながら!」
「謝るよりも、先にリジュ様をさがそう!」
「分かった!」

 イモータルめ、アルフォン王子まで使うなんて!
 手段を選んでいないな。
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