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犯人は俺だ!

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 謁見の間から出ると意識が戻っている人がちらほらと見える……至る所からうめき声が聞こえてくる。

「足が……足が痛い……」
「私の手が曲がっちゃいけない方に……」
「ああ……凄い痛い、お前こそ大丈夫か?」
「痛みが麻痺してるのかな?立てる気がしないよ」
「私……お尻が……大丈夫?割れてない?」
「4つに割れてる……」

 みなさんごめんなさい、犯人は俺です。お尻の人は階段に飛んでった人だろうか……

「重傷者と治療魔法が使える人を優先で治すから教えなさい!」

 エルの声は良く通る、うめき声をあげていた人たちの中から治療魔法の使い手を数名発見。

「良く聞きなさい!未だ国王が捕らえられている状態よ、私達は救出に向かいます、牢への道案内ができる者はいますか?」
「え?国王が……」
「はい!自分案内できます!」
「案内お願い、敵がまだ残っている可能性があるわ!目を覚ました人はフードを外しなさい!」

 回復魔法の使い手を治してから俺によじ登ってテキパキと指示を出す……流石元女王かっこいいな、肩車じゃなければもっとかっこいいと思う。

「では案内お願い」
「あの!一つ質問いいでしょうか!?」
「構わないわよ、なにかしら?」
「あなた様はエルマイスタ国の女王エル様でしょうか?」
「元よ、私を知っているの?」
「はい!お会いできて光栄です!」
「私は死んだことになってるから秘密よ、それにあなた達を助けたのはトッシーよ、お礼なら彼にね」
「トッシー様?その方はどこに?」
「いるじゃない、私の下に」
「……奴隷かと……失礼しました!」

 目を覚ました人たちの会話が……首輪?首輪がいけないのか!?

「……あの首輪……奴隷ではないの?」
「男の奴隷なんて珍しいと思ってたのよ」
「目つきはは悪いけど良く見るとかっこいいわね///」
「あの方が……///」
「私覚えている……あの奴隷っぽい人に殴られたわ……」
「そういえば……あの人に……」

 余計なお世話だ!目つきが悪いとかこっちきて初めて言われたぞ!それより俺が殴ったことを覚えてる人が混ざってるぞ!逃げないと!

 案内役を買って出てくれた子を先頭に城内を進む、こっち方面は来ていなかったので、ちらほら黒ローブが……

「あなた達!敵ではないのならフードを外しなさい!」
「あなたは?」
「クラン新月のエルよ、サリア国王の命に従ってジルベルの救出に来ました!黒ローブの中には未だ敵が潜伏している可能性があります!」

 エルの指示に従ってフードを外していく……

「こんな大っぴらにフード外せって言っちゃっていいのか?」
「顔が見えればトッシーならなんとなく敵かわかるでしょ」
「なんとなくしかわからんぞ?嫌な感じがするかどうかしか」
「それで充分よ、会話になれば私がいるわ」

 怪しかったら殴ればいいんだし、間違ってたらエルに回復してもらえば問題ないな。

「エル様!この階段の下が牢となっております!」
「案内ありがとう、この先は敵が残っている可能性が高いわ、あなたは戻って」
「いえ!自分も最後までお供します!」
「駄目よ、敵の術に自力で勝てるようになってからね」
「……すみません……この恩は必ず……」


 階段の下からは沢山の気配がある、さて敵はまだ残っているのかな?
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