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2 学園に入学します。やっぱりヒロインもいた!
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何事もなく月日は流れて今日はフローリアが学園に入学する日。
一緒に学園に通うシュナイザーを横目に、フローリアはそういえば話が始まるのは今日からだ。と思い出した。
ヒロインと登場人物達の出会い。
同学年のガブリエルとは同じクラス。
ガブリエル以外のエリオット、バルト、シュナイザーは1学年上。
学年が違うので入学式の壇上でエリオットが生徒会長として挨拶。その時に生徒会のメンバーとしてバルトとシュナイザーも壇上にはいるが、皆と正式に出会うのはヒロインが生徒会に入る時だ。
あれ?ルルシュからはエリオットが生徒会長だなんて聞いていない。あのブラコンのルルシュなら絶対自慢しそうなのに…。もしかして私が話を聞いてなかっただけなのかしら?ルルシュは兄の話をしだすと長いからついつい妄想の世界に入って話を聞き流してしまうのよね。
「はい、着いたよ。」
そんな事を考えているうちに入学式が始まる講堂へシュナイザーに連れられてきていた。
周りはざわざわしているが、どうしたのだろう?みんながフローリア達を見ている。
ん?私?ああ、違う違う。シュナイザーに見惚れてるのね。確かに美丈夫で、スッキリとした身体つきで均整がとれている。武道を嗜んでいるので立ち姿もキリッとしていてモテないはずはない。
そう納得した。が、周りの視線を追っていくと、繋がれたままの手に集中していた。
すぐに考え込んで動かなくなるか、気がついたらどこにいるのかわからない状態になるフローリアをシュナイザーは手を引いて行動する。これはシュナイザーがうちに来た7歳の時からの習慣だ。
だけどもう15歳だし、学園に入学したのだから恥ずかしすぎる。これはやめてもらわなければ…。
「お義兄様。ここまで連れてきていただきありがとうございます。
ですが、私ももう学園に入学したので、いつまでも子供の様に手を引かれて歩くのは恥ずかしいです。」
真っ赤になり手を引き抜こうとした。
そんなフローリアの行動はお見通しなのだろう。シュナイザーは握った手に力を入れフローリアの手を離さず微笑んだ。
「フローリアが考え事をすると動かなくなるのだから仕方がないよ。手を離すとそのままになりそうで心配だからね。
でも、手を繋ぐのが嫌なら次からは抱き上げて歩くしかないのかな?」
いつもと微笑みは変わらないのにいつものニコリという擬音がニヤリに聞こえるような笑みだった。
フローリアは慌てて首を横に振り、「てっ、手でお願いします。」と言うと、慌てるフローリアにシュナイザーは「残念」と笑いながら自分の持ち場に戻って行った。
フローリアは今後は考えながら歩くのはやめようと決めた。
新入生の席にルルシュの姿を見つけた。
ルルシュに挨拶をしているとガブリエルがやってきて
「フローリア、シュナイザーに手を引かれて歩いてきたって噂聞いたぜ。
シュナイザーはモテるんだから邪魔しないように気をつけないとダメだろう。幸い同じクラスだから俺がお前の世話をしてやるよ。」
なんでガブリエルまで私を子供扱いするの?そう思って真横に立っているガブリエルを見上げるとガブリエルはそっぽをむいて、フローリアの横に座った。
その頬が少し色づいていたがフローリアには分からなかった。
式は滞りなく進み、生徒会長の挨拶になった。壇上に上がった生徒会の面々はゲームと同じエリオット、シュナイザー、バルトだった。
ただ、おかしいのは生徒会長はエリオットではなく、バルトだった。
「えっ」頭の中はこんがらがってしまった。
ここに出てくる人物はあのゲームの中の人物。だが、話が…少し変わっている。
もしかしてここは似てはいるがパラレルワールド的な世界なのか?それとも誰か私以外にもこの話を知っている人がいて、結末を変えようとしているのではないか?
うーん。最後までしていないから結末はよくわからないのよねー。まあ、私に害が及ばなければ様子見でいいのかしら?
そんな風に考えていたので式が終わったのにも気付かず、ガブリエルに手を引かれて教室に移動していた。
そしてまた注目を集めていたと後からルルシュに教えられた。
ううっ。今度こそ、考え事は移動のない時にしよう。と心に誓った。
一緒に学園に通うシュナイザーを横目に、フローリアはそういえば話が始まるのは今日からだ。と思い出した。
ヒロインと登場人物達の出会い。
同学年のガブリエルとは同じクラス。
ガブリエル以外のエリオット、バルト、シュナイザーは1学年上。
学年が違うので入学式の壇上でエリオットが生徒会長として挨拶。その時に生徒会のメンバーとしてバルトとシュナイザーも壇上にはいるが、皆と正式に出会うのはヒロインが生徒会に入る時だ。
あれ?ルルシュからはエリオットが生徒会長だなんて聞いていない。あのブラコンのルルシュなら絶対自慢しそうなのに…。もしかして私が話を聞いてなかっただけなのかしら?ルルシュは兄の話をしだすと長いからついつい妄想の世界に入って話を聞き流してしまうのよね。
「はい、着いたよ。」
そんな事を考えているうちに入学式が始まる講堂へシュナイザーに連れられてきていた。
周りはざわざわしているが、どうしたのだろう?みんながフローリア達を見ている。
ん?私?ああ、違う違う。シュナイザーに見惚れてるのね。確かに美丈夫で、スッキリとした身体つきで均整がとれている。武道を嗜んでいるので立ち姿もキリッとしていてモテないはずはない。
そう納得した。が、周りの視線を追っていくと、繋がれたままの手に集中していた。
すぐに考え込んで動かなくなるか、気がついたらどこにいるのかわからない状態になるフローリアをシュナイザーは手を引いて行動する。これはシュナイザーがうちに来た7歳の時からの習慣だ。
だけどもう15歳だし、学園に入学したのだから恥ずかしすぎる。これはやめてもらわなければ…。
「お義兄様。ここまで連れてきていただきありがとうございます。
ですが、私ももう学園に入学したので、いつまでも子供の様に手を引かれて歩くのは恥ずかしいです。」
真っ赤になり手を引き抜こうとした。
そんなフローリアの行動はお見通しなのだろう。シュナイザーは握った手に力を入れフローリアの手を離さず微笑んだ。
「フローリアが考え事をすると動かなくなるのだから仕方がないよ。手を離すとそのままになりそうで心配だからね。
でも、手を繋ぐのが嫌なら次からは抱き上げて歩くしかないのかな?」
いつもと微笑みは変わらないのにいつものニコリという擬音がニヤリに聞こえるような笑みだった。
フローリアは慌てて首を横に振り、「てっ、手でお願いします。」と言うと、慌てるフローリアにシュナイザーは「残念」と笑いながら自分の持ち場に戻って行った。
フローリアは今後は考えながら歩くのはやめようと決めた。
新入生の席にルルシュの姿を見つけた。
ルルシュに挨拶をしているとガブリエルがやってきて
「フローリア、シュナイザーに手を引かれて歩いてきたって噂聞いたぜ。
シュナイザーはモテるんだから邪魔しないように気をつけないとダメだろう。幸い同じクラスだから俺がお前の世話をしてやるよ。」
なんでガブリエルまで私を子供扱いするの?そう思って真横に立っているガブリエルを見上げるとガブリエルはそっぽをむいて、フローリアの横に座った。
その頬が少し色づいていたがフローリアには分からなかった。
式は滞りなく進み、生徒会長の挨拶になった。壇上に上がった生徒会の面々はゲームと同じエリオット、シュナイザー、バルトだった。
ただ、おかしいのは生徒会長はエリオットではなく、バルトだった。
「えっ」頭の中はこんがらがってしまった。
ここに出てくる人物はあのゲームの中の人物。だが、話が…少し変わっている。
もしかしてここは似てはいるがパラレルワールド的な世界なのか?それとも誰か私以外にもこの話を知っている人がいて、結末を変えようとしているのではないか?
うーん。最後までしていないから結末はよくわからないのよねー。まあ、私に害が及ばなければ様子見でいいのかしら?
そんな風に考えていたので式が終わったのにも気付かず、ガブリエルに手を引かれて教室に移動していた。
そしてまた注目を集めていたと後からルルシュに教えられた。
ううっ。今度こそ、考え事は移動のない時にしよう。と心に誓った。
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