【完結】乙女ゲームのモブの私は気ままに過ごします。

里音

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4 ゲーム展開紹介

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そんな風に入学から1週間ほどたったある日、ついにヒロインが動き出した。

「あのー。私も生徒会のお手伝いができればと思ったのですが…。」

そう言ってドアからちょっと覗いている。
男性から見たら可愛いのかしら?私からしたら不審者でしかないのだけれど。

今は新入生の歓迎会を計画中なので猫の手も借りたいほど忙しい。
なので、すぐに生徒会入りを果たした。
彼女からみると攻略対象者との仲が進展しているのだろうか?私からしたらこき使われているだけのようなのだが…。
だって元から補佐として入っている私とルルシュはシスコンの兄達に無理のない仕事量しか与えられないもの。


ヒロインのシルリーザは生徒会のメンバー全員から求愛されて自分が誰を本当に愛しているのか悩む。そんな話だったはず。
その時その時のメンバーにより、邪魔をする令嬢がいる。

まず、バルトルート。
彼には幼馴染で婚約者のアイリスがいる。
アイリスは控え目でバルトは自分が愛されていないと勘違いをしている。
そんな時、明るく動くヒロインを好意を持つ。そんなヒロインからのまっすぐな好意に触れ、気持ちが揺れる。
そうなった時、婚約者のアイリスが壁となり立ちふさがる。

ガブリエルルートは従姉妹のマリエッタ。
マリエッタは一方的にガブリエルを好きになっており、ガブリエルが次男で継ぐ家がないので格下ではあるが子爵家の一人娘である自分の婿にと画策している。

エリオットルートはもちろん妹のルルシュ。
あのシスコンがヒロインに心奪われるなんて信じられないが話ではそうなっていた。
きっかけはルルシュが困っていた時にヒロインがさっと助けに入った事でヒロインを気に入りそこから誰に対しても優しいが少し無鉄砲なヒロインを見ているうちに恋に落ちる。

シュナイザールートでは公にしていない婚約者がいたのだが、義妹である私が知らないからこの世界ではいないのだろう。
そうなると現実問題、ここではフローリアになるのかなぁ?


あ、また考え込んでしまっていた。
慌てて周囲をうかがうとシュナイザーは困った子を見るように目を細めてこちらを見ていた。
いつまでたってもゲームの世界に引きずられすぎている。早く結末を迎えたらこんなに考えなくて済むのだろうか。
ヒロインは一体誰を選ぶのだろう?


⭐︎⭐︎ガブリエル視点⭐︎⭐︎

また、フローリアが何か考え込んでいるようで、目の前に置いた書類に気がつかない。
ふわふわと夢みがちで可愛い幼馴染みのフローリア。

フローリアが7歳の時に義兄ができた。
血の繋がらない異性が同じ邸にいるのは面白くないが、家を存続させるには仕方がない。多くの貴族がやっている事だ。
だが、義兄となったシュナイザーはフローリアを気に入っている。手を引いての通学など、距離が明らかに兄妹の関係より近い。
自他共にシスコンと言っているが、彼のフローリアを見つめる目は兄妹愛ではない。
いつからか、フローリアを幼馴染ではなく1人の女性として見ている自分がいた。
9歳の頃、フローリアに家を通して婚約を申し込んだが、当主のデオドルドに断られた。シュナイザーがジュトール家を継ぐので爵位のない自分にフローリアの相手はダメだったのだろう。
ジュトール伯爵はフローリアを溺愛しているから
一代限りの騎士伯ではなくきちんと手柄を立てて爵位を授爵したいと思い武道や剣技を習い始めた。

ジュトール伯爵は妻を早くに亡くしており一人娘のフローリアを溺愛しているが、それはフローリアには伝わっていない。
フローリアは自分に婚約者がいないのもデオドルドが自分に興味がないからだと思い込んでいる。本当は政略結婚ではなくフローリアが好きになった相手と結婚してもらいたいからだ。
それを知ってはいるが、そうして落ち込んだ時に慰める役目をやめたくなくてフローリアには告げていない。
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