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4 「最悪だ」
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ルーリラは幸せだった。
騎士団の公開試合をアイリスに連れられて何度か見に行っていた。
その時フェルマン様は容姿だけでなく実力もあり素敵な騎士として目を奪われた1人だった。
騎士としての真剣さに目を奪われ、その後彼の彼女への一途な恋心を聞き憧れに変わった。
それが恋に変わったのはあの事件だった。
目の前で自分を守ってくれたのだ。正確には守るべき対象は王子だったのだが、そこは年頃の乙女で自分に都合よく解釈したのだ。
だけど、彼の元恋人への想いも聞いて知っていたからこそ婚約は断った。まあ、傷も残らないと言われたのだし、それが当たり前だ。
それと1番の理由は彼の言う責任を取ると言う言葉だ。責任感だけで彼を縛りたくなかった。
政略結婚は貴族令嬢では避けて通れないだろう。だが、憧れの人と責任感だけで結婚するのは嫌だった。
責任感から結婚生活は気遣いばかりしてくるだろう。これも一種の政略結婚だが、お互いを思い合うことなどできないかもしれない。
なのに……あの日プロポーズされて責任感だけではないのでは?と自分に都合よく取ってしまい頷いてしまった。
彼はとても優しくて誠実で理想の婚約者だった。
だからつい浮かれすぎて婚約の経緯を忘れてしまっていたのだ。
婚約が成立して6ヶ月。
彼と別行動していたパーティでアイリスを見つけた。アイリスが婚約パーティではきちんと話ができなかったから彼と話がしたいと言い一緒に探していた。
彼は会場の外で警備していた騎士団の仲間達と話をしていた。今日の彼はパーティの出席者としてここにいる。
「フェルマン、お前うまくやったよな。侯爵家令嬢と婚約とか。おかげでドレン伯爵だっけ?爵位も手に入ったんだろ。そりゃあ、恋愛感情なくても愛を囁けるよな。」
近くに寄ればそんな声が聞こえてきた。
騎士団にいるのはほぼ平民か貴族の次男以降で爵位を継げないものばかりだ。
爵位を持つ者にやっかみがあるのは知っている。だから色々と誇張して言うのもわかるから、そんな事に傷つく事はない。だってそれは真実だから…。
彼は否定してくれているが、今出ていけば彼にも彼の仲間にも気まずい思いをさせるだけだと木の影になりこちらに気が付いていないのでそのままアイリスと去ろうとしたその時
「ああ、そうだ。お前の恋人だったノイマン伯爵に嫁いだ幼なじみのミラだっけ。旦那と愛人との間に子供ができて追い出された。って聞いたぞ。」
「俺も聞いた。離縁されて実家に戻ってきてるそうだ。お前に会いたい。やり直したいって言ってるらしいぞ。お前も彼女の事を忘れられないんだろう?
婚約を解消して幼なじみとの愛を貫いたらどうだ。お前達の純愛は有名だからきっと相手も周りも理解してくれるさ。」
彼の幼なじみが離婚して彼の元に帰ってくる。その言葉に、今までの幸せは責任感という名の薄氷の上に成り立っていて、彼の彼女への愛でそんな氷はすぐに溶けて冷たい水の中に落ちて凍りついてしまう。そんな気がした。
気遣うようにこちらを見るアイリスにぎこちなく微笑み返して、なんとか気合を入れて足を一歩踏み出したその時
「最悪だ」
今まで聞いた事もない彼の怒りが滲んだ声が聞こえてきた。そして彼は立ち去ったのだろう。怒っている彼を宥める彼らの声も段々遠くなっていった。
騎士団の公開試合をアイリスに連れられて何度か見に行っていた。
その時フェルマン様は容姿だけでなく実力もあり素敵な騎士として目を奪われた1人だった。
騎士としての真剣さに目を奪われ、その後彼の彼女への一途な恋心を聞き憧れに変わった。
それが恋に変わったのはあの事件だった。
目の前で自分を守ってくれたのだ。正確には守るべき対象は王子だったのだが、そこは年頃の乙女で自分に都合よく解釈したのだ。
だけど、彼の元恋人への想いも聞いて知っていたからこそ婚約は断った。まあ、傷も残らないと言われたのだし、それが当たり前だ。
それと1番の理由は彼の言う責任を取ると言う言葉だ。責任感だけで彼を縛りたくなかった。
政略結婚は貴族令嬢では避けて通れないだろう。だが、憧れの人と責任感だけで結婚するのは嫌だった。
責任感から結婚生活は気遣いばかりしてくるだろう。これも一種の政略結婚だが、お互いを思い合うことなどできないかもしれない。
なのに……あの日プロポーズされて責任感だけではないのでは?と自分に都合よく取ってしまい頷いてしまった。
彼はとても優しくて誠実で理想の婚約者だった。
だからつい浮かれすぎて婚約の経緯を忘れてしまっていたのだ。
婚約が成立して6ヶ月。
彼と別行動していたパーティでアイリスを見つけた。アイリスが婚約パーティではきちんと話ができなかったから彼と話がしたいと言い一緒に探していた。
彼は会場の外で警備していた騎士団の仲間達と話をしていた。今日の彼はパーティの出席者としてここにいる。
「フェルマン、お前うまくやったよな。侯爵家令嬢と婚約とか。おかげでドレン伯爵だっけ?爵位も手に入ったんだろ。そりゃあ、恋愛感情なくても愛を囁けるよな。」
近くに寄ればそんな声が聞こえてきた。
騎士団にいるのはほぼ平民か貴族の次男以降で爵位を継げないものばかりだ。
爵位を持つ者にやっかみがあるのは知っている。だから色々と誇張して言うのもわかるから、そんな事に傷つく事はない。だってそれは真実だから…。
彼は否定してくれているが、今出ていけば彼にも彼の仲間にも気まずい思いをさせるだけだと木の影になりこちらに気が付いていないのでそのままアイリスと去ろうとしたその時
「ああ、そうだ。お前の恋人だったノイマン伯爵に嫁いだ幼なじみのミラだっけ。旦那と愛人との間に子供ができて追い出された。って聞いたぞ。」
「俺も聞いた。離縁されて実家に戻ってきてるそうだ。お前に会いたい。やり直したいって言ってるらしいぞ。お前も彼女の事を忘れられないんだろう?
婚約を解消して幼なじみとの愛を貫いたらどうだ。お前達の純愛は有名だからきっと相手も周りも理解してくれるさ。」
彼の幼なじみが離婚して彼の元に帰ってくる。その言葉に、今までの幸せは責任感という名の薄氷の上に成り立っていて、彼の彼女への愛でそんな氷はすぐに溶けて冷たい水の中に落ちて凍りついてしまう。そんな気がした。
気遣うようにこちらを見るアイリスにぎこちなく微笑み返して、なんとか気合を入れて足を一歩踏み出したその時
「最悪だ」
今まで聞いた事もない彼の怒りが滲んだ声が聞こえてきた。そして彼は立ち去ったのだろう。怒っている彼を宥める彼らの声も段々遠くなっていった。
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