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07. パーティー×パーティー ①
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リリアンはジェラールに連れられて、仲間のいる王都の常宿へ向かっている。
「リリアン嬢、雑用全般こなしてくれる上に、槍まできっちり砥いでもらえて、本当に本当にものすごく助かる」
「そんな。ジェラール様、私にたいしたことはできません」
「様はつけないでくれ。敬語も使わなくていい。もう仲間なんだから」
「仲間……」
「リリアン嬢。ああ、俺がこう呼ぶからか。リリアンと呼んでもいいか?」
「は、はい」
「これまで、まともに話をできる人間が存在しなくて、気が狂いそうだった」
よほど鬱憤が溜まっていたのだろう。ジェラールは脈絡もなく次から次へと自分の状況を語る。
ギルド周りが最悪。どの冒険者ギルドからも門前払いされ、弱小の「白い死神」だけが受け入れてくれたので恩義は感じているのだが、正直、別のギルドに移りたい。
割り当てられる案件は面倒なものばかりで、報酬の割もたぶんあまりよくない。
紹介してくる人員は、男性はサボろうとする人間しかいなかったし、女性は危険を伴う不衛生な環境にすぐ音を上げ、誰も続かない。
広告塔として利用したいようで、業者をよく紹介されるが、どこも技術や品揃えがよくない。「一本槍のジェラール御用達」みたいに名前を使われるのに、提示される金額がさりげなく高いのも納得いかないし。
そもそも受付嬢が苦手。こちらの話は聞き流して碌に対応してくれないのに、自分の話はやたら引き延ばそうとしてくるし、内容がすかすか。なにより、値踏みするような目でじろじろ眺めてくるのが本当に憂鬱で、いつも最短で立ち去れるように脳内で必要事項を組み立ててから事務所に行っていた。
リリアンは神妙な表情で、都度頷きながら聞いていた。聞き流したらジェラールに悪いかな、と思ったためだ。自分を拾ってくれた恩人なのだから。
「……ここまで話し続けておいてなんだが、そんなに真剣に聞いてくれなくていい。ただの愚痴だから」
実際ジェラールはそう口数が多い人間ではなく、「この時より滔々と語り続けたことは、あと一度だけかもな」と、リリアンは後日思い返したのだった。
「わかりまし……わかったわ」
「リリアンはきちんと聞いてくれている感じがするから、安心して、つい、話し過ぎてしまう」
きちんと聞いてもらえていると感じたら安心する。それはリリアンもギルド巡りをしていて思ったことだ。とても嬉しくなったリリアンはジェラールに微笑んだ。
「仲間は、あと二人いる。二人とも悪い人間ではないが、本当に生活能力がない。いや、正確には、一人は能力そのものが欠けているが、もう一人は能力はそこそこあるのにやる気が全くないんだ」
曰く、二人とも貴族出身で、自分一人平民で、いつのまにか面倒な雑用全般を自分がやることになっていた、そうしないと立ち行かなかったのだ、と。二つ名を持つ勇者にしては気苦労が多すぎないか? とリリアンは思う。
「見た目は高貴な雰囲気で、冒険者としての能力も高いが、戦いの場を離れるとただの生活力のないのん気な奴らだから、あまり緊張しないでほしい」
なかなかな言いようであるが、仲が悪い訳ではないのだろうとリリアンは思った。険悪なら、もっと悪態をつくか、逆に何も言わない気がしたので。
「リリアン嬢、雑用全般こなしてくれる上に、槍まできっちり砥いでもらえて、本当に本当にものすごく助かる」
「そんな。ジェラール様、私にたいしたことはできません」
「様はつけないでくれ。敬語も使わなくていい。もう仲間なんだから」
「仲間……」
「リリアン嬢。ああ、俺がこう呼ぶからか。リリアンと呼んでもいいか?」
「は、はい」
「これまで、まともに話をできる人間が存在しなくて、気が狂いそうだった」
よほど鬱憤が溜まっていたのだろう。ジェラールは脈絡もなく次から次へと自分の状況を語る。
ギルド周りが最悪。どの冒険者ギルドからも門前払いされ、弱小の「白い死神」だけが受け入れてくれたので恩義は感じているのだが、正直、別のギルドに移りたい。
割り当てられる案件は面倒なものばかりで、報酬の割もたぶんあまりよくない。
紹介してくる人員は、男性はサボろうとする人間しかいなかったし、女性は危険を伴う不衛生な環境にすぐ音を上げ、誰も続かない。
広告塔として利用したいようで、業者をよく紹介されるが、どこも技術や品揃えがよくない。「一本槍のジェラール御用達」みたいに名前を使われるのに、提示される金額がさりげなく高いのも納得いかないし。
そもそも受付嬢が苦手。こちらの話は聞き流して碌に対応してくれないのに、自分の話はやたら引き延ばそうとしてくるし、内容がすかすか。なにより、値踏みするような目でじろじろ眺めてくるのが本当に憂鬱で、いつも最短で立ち去れるように脳内で必要事項を組み立ててから事務所に行っていた。
リリアンは神妙な表情で、都度頷きながら聞いていた。聞き流したらジェラールに悪いかな、と思ったためだ。自分を拾ってくれた恩人なのだから。
「……ここまで話し続けておいてなんだが、そんなに真剣に聞いてくれなくていい。ただの愚痴だから」
実際ジェラールはそう口数が多い人間ではなく、「この時より滔々と語り続けたことは、あと一度だけかもな」と、リリアンは後日思い返したのだった。
「わかりまし……わかったわ」
「リリアンはきちんと聞いてくれている感じがするから、安心して、つい、話し過ぎてしまう」
きちんと聞いてもらえていると感じたら安心する。それはリリアンもギルド巡りをしていて思ったことだ。とても嬉しくなったリリアンはジェラールに微笑んだ。
「仲間は、あと二人いる。二人とも悪い人間ではないが、本当に生活能力がない。いや、正確には、一人は能力そのものが欠けているが、もう一人は能力はそこそこあるのにやる気が全くないんだ」
曰く、二人とも貴族出身で、自分一人平民で、いつのまにか面倒な雑用全般を自分がやることになっていた、そうしないと立ち行かなかったのだ、と。二つ名を持つ勇者にしては気苦労が多すぎないか? とリリアンは思う。
「見た目は高貴な雰囲気で、冒険者としての能力も高いが、戦いの場を離れるとただの生活力のないのん気な奴らだから、あまり緊張しないでほしい」
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