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27. 恋の吊り橋理論 ②
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「え……?」
「世界の果てって、そういう洒落だったのか!」
あははと背後からブノワの乾いた笑い声が聞こえる。目線の先には細く長く簡素で古びた吊り橋が一本架かっているだけ。四人はもうずいぶん登っているので、落ちたらきっとこの世界からいなくなる。命が果ててしまうだろう。
「この橋は最近になってから、裏で取り引きしていた奴らが利便のために架けたものだ。精製すると、常習性のある幻覚を見せる薬物にもできるらしい。そいつらが摘発され、押収された薬草を研究所が調べ、『世界の果ての薬草』はこれだと結論付けた」
「その時点で、道を整備するなり、薬草の研究費を出すなりしてやればいいのに」
「つまり、この橋を渡った先が目的地なのね?」
世知辛い話だなと思っていたところで、アニエスが訊ねてきたので、リリアンはあわてて答える。
「ええ。橋を渡ってすぐの、ひんやりした洞窟の中に、生息しているんですって」
「この橋は四人いっぺんには渡れないでしょう。私は一人で行くわ」
「え?」
アニエスは詠唱する。金色の光に包まれ、浮き上がった彼女は、そのまま吊り橋の上を滑るように高速で進んでいった。浮いているので、吊り橋は全く揺れない。
「……じゃあ、俺はアニエスを指標にして転移するから。悪いけど、三人一緒に転移する余力はない。向こうで待ってる」
ブノワも続けて詠唱し、しゅっと姿を消した。残されたジェラールとリリアンは顔を見合わせる。何が起こったかよくわからない。
「あいつら……自由過ぎだろ……」
ジェラールはあきれたようにつぶやき、背嚢に槍を入れる。この状況なので、両手は空いている方がたしかにいい。
ジェラールはリリアンが贈った背嚢を使い始めてからも、槍だけはいつも手に持っていた。いつでも戦えるようにという心構えもあると思うが、大切なものだからという方が大きいのだろう。
ジェラールはリリアンに問いかけた。
「俺達はこの吊り橋を歩いて渡るしかない。リリアン。先に進むのと、俺の後からついてくるのと、どちらがいいか?」
リリアンは試しに一歩踏み出してみた。ゆっくり、体重を掛けないように、そっと。それでも吊り橋は揺れる。リリアンは思わず下を見てしまった。奈落の底のよう。落ちたら絶対に助からない。
動けなくなってしまったリリアンを見て、ジェラールは言った。
「俺が先に行こう。不安なら、手を握ったらいい」
「世界の果てって、そういう洒落だったのか!」
あははと背後からブノワの乾いた笑い声が聞こえる。目線の先には細く長く簡素で古びた吊り橋が一本架かっているだけ。四人はもうずいぶん登っているので、落ちたらきっとこの世界からいなくなる。命が果ててしまうだろう。
「この橋は最近になってから、裏で取り引きしていた奴らが利便のために架けたものだ。精製すると、常習性のある幻覚を見せる薬物にもできるらしい。そいつらが摘発され、押収された薬草を研究所が調べ、『世界の果ての薬草』はこれだと結論付けた」
「その時点で、道を整備するなり、薬草の研究費を出すなりしてやればいいのに」
「つまり、この橋を渡った先が目的地なのね?」
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「ええ。橋を渡ってすぐの、ひんやりした洞窟の中に、生息しているんですって」
「この橋は四人いっぺんには渡れないでしょう。私は一人で行くわ」
「え?」
アニエスは詠唱する。金色の光に包まれ、浮き上がった彼女は、そのまま吊り橋の上を滑るように高速で進んでいった。浮いているので、吊り橋は全く揺れない。
「……じゃあ、俺はアニエスを指標にして転移するから。悪いけど、三人一緒に転移する余力はない。向こうで待ってる」
ブノワも続けて詠唱し、しゅっと姿を消した。残されたジェラールとリリアンは顔を見合わせる。何が起こったかよくわからない。
「あいつら……自由過ぎだろ……」
ジェラールはあきれたようにつぶやき、背嚢に槍を入れる。この状況なので、両手は空いている方がたしかにいい。
ジェラールはリリアンが贈った背嚢を使い始めてからも、槍だけはいつも手に持っていた。いつでも戦えるようにという心構えもあると思うが、大切なものだからという方が大きいのだろう。
ジェラールはリリアンに問いかけた。
「俺達はこの吊り橋を歩いて渡るしかない。リリアン。先に進むのと、俺の後からついてくるのと、どちらがいいか?」
リリアンは試しに一歩踏み出してみた。ゆっくり、体重を掛けないように、そっと。それでも吊り橋は揺れる。リリアンは思わず下を見てしまった。奈落の底のよう。落ちたら絶対に助からない。
動けなくなってしまったリリアンを見て、ジェラールは言った。
「俺が先に行こう。不安なら、手を握ったらいい」
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