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番外編2 二度目のValentine's Day
鈍感彼女は激甘です 2
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思っても見なかった問いかけに、みのりは小さく首をかしげた。
「えーっと、じゃあ何かおいしいお菓子と……そうだ、マグカップ買ってくれる? 雄基君がうちに来た時、いつもお客様用のカップだから。買ってくれればそれでコーヒーが出せるし」
雄基はぱちぱちとまばたきをした。
「そんなのでいいのか」
「うん。私、そそっかしいからよくカップを割るんだよね。割れないものにしてくれるとうれしい」
雄基は口元をほころばせた。
「そんなのでよければ、いくらでも買ってやる」
「やだな、そんなに割りたくないから割れないものって言ってるのに。……嫁入り道具になるくらいずっと使えたらいいね」
コーヒーを飲みながらみのりが笑うと、雄基がまなじりを見開いた。
「──え?」
「え? 私、なんか変なこと言った?」
きょとんとしたみのりの顔に、雄基は手のひらで口を押さえた。その目元が赤く染まって行く。
「……いや、べつに。それなら同じものを二つ買って、俺のうちにも置いておけばいい。そうすればお前がうちに来た時、お前のカップとして使えるだろ」
「なるほど! じゃあお返しはそれでお願いします」
無邪気に喜ぶみのりの様子に雄基がぼそっとつぶやいた。
「絶対に割れない素材のものを買ってやる」
「え? なに?」
「いや、何でも」
それだけ答え、みのりの顔に整った顔が近づいて来る。
「こ、コーヒーさめちゃうよ」
「うん。でも、後でいい」
すぐ目の前でささやかれ、みのりはぎゅっと目を閉じた。柔らかい感触が唇に重なる。
唇を離すと雄基は笑った。
「……それじゃ、明日買いに行こうか」
「早すぎるよ! いくら何でも」
みのりが思わず突っ込むと、どこか楽しげな顔をする。
「べつにいいだろ。どうせ明日は一緒に出かける予定だったし。明日はうちに来られるんだろ? その時、買ったカップを一つうちに置いておけばいい」
日頃落ち着いた彼がめずらしく上機嫌な様子をかくさない。
みのりは思わず首をかしげた。
──まあいいか、喜んでくれたみたいだし。でも、なんでこんなにうれしそうなんだろう?
彼が浮かれている訳がよくわからないみのりだった。
「えーっと、じゃあ何かおいしいお菓子と……そうだ、マグカップ買ってくれる? 雄基君がうちに来た時、いつもお客様用のカップだから。買ってくれればそれでコーヒーが出せるし」
雄基はぱちぱちとまばたきをした。
「そんなのでいいのか」
「うん。私、そそっかしいからよくカップを割るんだよね。割れないものにしてくれるとうれしい」
雄基は口元をほころばせた。
「そんなのでよければ、いくらでも買ってやる」
「やだな、そんなに割りたくないから割れないものって言ってるのに。……嫁入り道具になるくらいずっと使えたらいいね」
コーヒーを飲みながらみのりが笑うと、雄基がまなじりを見開いた。
「──え?」
「え? 私、なんか変なこと言った?」
きょとんとしたみのりの顔に、雄基は手のひらで口を押さえた。その目元が赤く染まって行く。
「……いや、べつに。それなら同じものを二つ買って、俺のうちにも置いておけばいい。そうすればお前がうちに来た時、お前のカップとして使えるだろ」
「なるほど! じゃあお返しはそれでお願いします」
無邪気に喜ぶみのりの様子に雄基がぼそっとつぶやいた。
「絶対に割れない素材のものを買ってやる」
「え? なに?」
「いや、何でも」
それだけ答え、みのりの顔に整った顔が近づいて来る。
「こ、コーヒーさめちゃうよ」
「うん。でも、後でいい」
すぐ目の前でささやかれ、みのりはぎゅっと目を閉じた。柔らかい感触が唇に重なる。
唇を離すと雄基は笑った。
「……それじゃ、明日買いに行こうか」
「早すぎるよ! いくら何でも」
みのりが思わず突っ込むと、どこか楽しげな顔をする。
「べつにいいだろ。どうせ明日は一緒に出かける予定だったし。明日はうちに来られるんだろ? その時、買ったカップを一つうちに置いておけばいい」
日頃落ち着いた彼がめずらしく上機嫌な様子をかくさない。
みのりは思わず首をかしげた。
──まあいいか、喜んでくれたみたいだし。でも、なんでこんなにうれしそうなんだろう?
彼が浮かれている訳がよくわからないみのりだった。
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めちゃくちゃアダルトなのに、すごく甘酸っぱい純愛。
なんか、この二人とても好きです。
二人が大学生、社会人、夫婦、ってなっていく様子も見たい。
続編読みたいな。
もも様
お読みいただきありがとうございます!
心配症な雄基はこれからも悩むことがあると思います(例えば進学とか)。
そんな時は「進学? 華道の勉強ができる女子大に行くよ。それで住む場所なんだけど、一緒にアパートを探して、お隣同士の部屋を借りない?その方が親も関心するし」といった、楽天的なみのりの言葉ですべて解決するはずです。
また番外編を書き足した時、お付き合いいただけるとうれしいです。本当にありがとうございました!