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彼女の片想い*******
ムリ、絶対。3
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「……い、や」
合間に発した言葉は、ペロリと下唇を舐められて封じられた。
「……だ……めぇ」
頑張って伝えたのに、より一層深くなった口付けでうやむやにされた。
「……や、だぁ」
直接的な拒否だって、坂本くんには通じない。より貪られた。
「……もぉ……む、り」
その言葉だけは、やっと気に留めてもらえたようで。
「……イヤ。ダメ。ヤダ。の次は『ムリ』?」
おでこをコツンと合わせて言う。近すぎてピントは合わないけど、余裕綽々なのはその声色でわかる。
「なん、で……きゅう、に……」
束の間解放されて、やっと意味を持った言葉を口にできた。
「急に、じゃないよ。ずっと願っていたでしょ?」
『キスしたい』ずっと囁かれ続けたその誘惑。でも『イヤ』って『ダメ』って『ヤダ』って言ったら、ちゃんと尊重してくれていた。
「美夜ちゃんがいつも言うでしょ?『キスは……好きな人としたいから』って」
もう、いっぱいいっぱいの速さで刻んでいた鼓動が、また速度を増した気がした。
「でも、もう、そんなの関係ない。だって、その『好きな人』って、僕でしょう?」
また、首を傾げて、唇が合わさった。触れたまま、更に続きを話す。
「違ったと、しても……もう……いいよ」
角度を変えながら言い切った後。やっと体を離してくれた。
至近距離だけど、焦点が合う程に離れた坂本くんが、スッキリとした顔をしていて釈然としない。今までで一番満たされた表情で、ちょっとだけ頬を染めていた。
「その分僕が美夜ちゃんを好きだから、もういいでしょ?」
そんな馬鹿げた理屈に、否定の言葉を返そうとしたけど。飽きずに繰り出される口付けに、また飲み込まれてしまった。
いつ終わるかわからない、甘い拷問。響き続ける水音。抑えきれない吐息と嬌声。痺れてまとまらない考えの中、占めるのはさっき言い渡された言葉。
『僕が美夜ちゃんを好きだから』
幻聴かと思った。違ったとしても、嘘に決まってる。
『うそつき』って、早く返さないと。信じてしまいそうになる。だって、願いすぎた事だから。
「うそ……つ、き」
やっと絞り出せたのは、唇が腫れぼったくなって。どちらの唾液かわからないくらい交換して飲み下して。少し擦られるだけでいやらしい声が漏れて。体も支えていられないくらいになった頃。
「これで当分逃げられないね」
それが目的の1つだったらしい悪魔みたいな坂本くんが、満足げに離してくれた。
「なんで『うそ』って思うの?」
だって。りこちゃんに告白したじゃない!
私に、りこちゃんを重ねて抱いたじゃない!
その2つこそが、全てだったけど、言葉に詰まった。
何も言えないでいると、また顔が近づきそうになって慌てた。やっと、理性的に話せそうな機会がまたうやむやにされてしまう。
その時、手の中のマグカップの冷たい感触が私を助けてくれた。
「だって!だって……ずっと、コーヒー出したじゃない!」
流石に、坂本くんが驚いた顔をしている。
「……コーヒー、私飲めないもの!」
見開かれた彼の目が、何を意味しているのかなんて読み取る余裕がないまま続ける。
「ブラックコーヒー、好きなのは、りこちゃんでしょ?本当は、りこちゃんをこの部屋に呼びたかったんでしょ?本当は、りこちゃんと朝まで居たいんでしょ?」
一気に言い切った。でも、最後に責めるように口から溢れた『私はただの代わりでしょう?』っていう一言は、涙でぐちゃぐちゃで、伝わったかわからなかった。
私のしゃくり上げる声が部屋に響いて、声も涙も止まらなかった。坂本くんがどんな顔しているか、怖くて顔をあげられない。
沈黙に耳障りな私の嗚咽が割って入って、疎ましがられるんじゃないかって気が気じゃなかった。
その時。不意に温もりが私を包んだ。節度を保っていた距離が縮まって、坂本くんに抱きしめられてるんだって気づいた時には、頭の頂に何度も口付けを甘受していた。
おでこ。こめかみ。眉間。まぶた。頬に、鼻にと、どんどん口付けが降りてきた。
「ちょ……坂本くんっ!」
唇を塞がれる寸前に名前を呼んだら、ちょっと不機嫌そうに『拓眞でしょ』って注意を受けた。
『2人の時は名前で呼びあう事』
その約束は、未だ有効らしかった。
合間に発した言葉は、ペロリと下唇を舐められて封じられた。
「……だ……めぇ」
頑張って伝えたのに、より一層深くなった口付けでうやむやにされた。
「……や、だぁ」
直接的な拒否だって、坂本くんには通じない。より貪られた。
「……もぉ……む、り」
その言葉だけは、やっと気に留めてもらえたようで。
「……イヤ。ダメ。ヤダ。の次は『ムリ』?」
おでこをコツンと合わせて言う。近すぎてピントは合わないけど、余裕綽々なのはその声色でわかる。
「なん、で……きゅう、に……」
束の間解放されて、やっと意味を持った言葉を口にできた。
「急に、じゃないよ。ずっと願っていたでしょ?」
『キスしたい』ずっと囁かれ続けたその誘惑。でも『イヤ』って『ダメ』って『ヤダ』って言ったら、ちゃんと尊重してくれていた。
「美夜ちゃんがいつも言うでしょ?『キスは……好きな人としたいから』って」
もう、いっぱいいっぱいの速さで刻んでいた鼓動が、また速度を増した気がした。
「でも、もう、そんなの関係ない。だって、その『好きな人』って、僕でしょう?」
また、首を傾げて、唇が合わさった。触れたまま、更に続きを話す。
「違ったと、しても……もう……いいよ」
角度を変えながら言い切った後。やっと体を離してくれた。
至近距離だけど、焦点が合う程に離れた坂本くんが、スッキリとした顔をしていて釈然としない。今までで一番満たされた表情で、ちょっとだけ頬を染めていた。
「その分僕が美夜ちゃんを好きだから、もういいでしょ?」
そんな馬鹿げた理屈に、否定の言葉を返そうとしたけど。飽きずに繰り出される口付けに、また飲み込まれてしまった。
いつ終わるかわからない、甘い拷問。響き続ける水音。抑えきれない吐息と嬌声。痺れてまとまらない考えの中、占めるのはさっき言い渡された言葉。
『僕が美夜ちゃんを好きだから』
幻聴かと思った。違ったとしても、嘘に決まってる。
『うそつき』って、早く返さないと。信じてしまいそうになる。だって、願いすぎた事だから。
「うそ……つ、き」
やっと絞り出せたのは、唇が腫れぼったくなって。どちらの唾液かわからないくらい交換して飲み下して。少し擦られるだけでいやらしい声が漏れて。体も支えていられないくらいになった頃。
「これで当分逃げられないね」
それが目的の1つだったらしい悪魔みたいな坂本くんが、満足げに離してくれた。
「なんで『うそ』って思うの?」
だって。りこちゃんに告白したじゃない!
私に、りこちゃんを重ねて抱いたじゃない!
その2つこそが、全てだったけど、言葉に詰まった。
何も言えないでいると、また顔が近づきそうになって慌てた。やっと、理性的に話せそうな機会がまたうやむやにされてしまう。
その時、手の中のマグカップの冷たい感触が私を助けてくれた。
「だって!だって……ずっと、コーヒー出したじゃない!」
流石に、坂本くんが驚いた顔をしている。
「……コーヒー、私飲めないもの!」
見開かれた彼の目が、何を意味しているのかなんて読み取る余裕がないまま続ける。
「ブラックコーヒー、好きなのは、りこちゃんでしょ?本当は、りこちゃんをこの部屋に呼びたかったんでしょ?本当は、りこちゃんと朝まで居たいんでしょ?」
一気に言い切った。でも、最後に責めるように口から溢れた『私はただの代わりでしょう?』っていう一言は、涙でぐちゃぐちゃで、伝わったかわからなかった。
私のしゃくり上げる声が部屋に響いて、声も涙も止まらなかった。坂本くんがどんな顔しているか、怖くて顔をあげられない。
沈黙に耳障りな私の嗚咽が割って入って、疎ましがられるんじゃないかって気が気じゃなかった。
その時。不意に温もりが私を包んだ。節度を保っていた距離が縮まって、坂本くんに抱きしめられてるんだって気づいた時には、頭の頂に何度も口付けを甘受していた。
おでこ。こめかみ。眉間。まぶた。頬に、鼻にと、どんどん口付けが降りてきた。
「ちょ……坂本くんっ!」
唇を塞がれる寸前に名前を呼んだら、ちょっと不機嫌そうに『拓眞でしょ』って注意を受けた。
『2人の時は名前で呼びあう事』
その約束は、未だ有効らしかった。
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