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伝導体。
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はい、どーも!
ムポポペサ大陸放送局からお送りする大人気ラジオ番組『朝から家系食べいっちゃう!?』はっじまっるよー!
メインDJの朱里でーす!いえーい!
いやはや最近めっきり寒くなってきたね!皆さん体調崩さないように気をつけてね!
今日はそんな寒がりな貴方の心を温める葉書が届いているわ。
ラジオネーム『褌と、きしめん間違えて茹で上げた』さん。
ありがとう。素敵な名前ね。早速読みたいと思います。
じゃあ聞いてください!
~~~
こんにちは朱里さん。いつも楽しくラジオ聴いてます。今日は私が精神を蝕まれてた時のお話をします。
それは暗くて深くて誰にも打ち明けられなかった心の傷トラウマの話。
私の好きなもの『恋☆どす』。嫌いなものは『河童』。正確には『恋☆どす』の河童と餅つまらせ丸なんです。
好きと嫌いが一つの作品に同居してるなんて、今にも頭がどうにかなってしまいそうでした。
まず河童の事が嫌い過ぎて夜も七時間しか眠れなくなりました。
お米も2升食べてたのが1升半になってしまい、50gも体重が減少しました。
これが私の心の傷による弊害です。
でも最近少しだけだけど、私も変われたかなと思います。
『恋☆どす』の河童は筋骨隆々の胡瓜色で、いつも胡瓜を齧ってる嫌味な河童です。
だけど私が出会った河童は、パッションピンクでヌルヌルしてて臭いけどいい奴でした。
私はまだまだ未熟だった、てことですよね?
喋り方と声の高さ、体の色と匂い、癪でねちっこい早口のツッコミ。
身体から分泌されているヌルヌルの分泌物と生意気な目つき。
背中の甲羅と薄汚れた皿。薄い膜の張った指先と黄色い嘴。
趣味嗜好、人生観、価値観。よく聞く音楽、好きな食べ物。
まだまだあるけど、たったこれだけの事が嫌でアイツの事を無下に扱ってたなんて。
大切なのは嫌いな人や、苦手な人にこそこちらから心を開く事だったんですね。
ぜひ、みんなも試してみて下さい。
そうしたら会社のムカつくあんちくしょうが、ヌーの大行進に巻き込まれて揉みくちゃにされてスッキリすると思います。
ラジオネーム『褌と、きしめん間違えて茹で上げた』
~~~
あれ?なんだかどこかで聞いた事あるような話だね。
だけど心を開くだけで、大嫌いなあの野郎がヌーの大群に巻き込まれるなら心を開かない手はないよね!
そろそろ時間だね!残念だけど今日はここまで!
貴方の心の処方薬、みんなの朱里ちゃんがお送りしました!
ばいばーい!
—————————
銀色の河童さんはクリスが胡瓜を渡すと、すこぶる上機嫌になりました。
「私はお銀、川流れのお銀よ」
「二度も吹き飛ばしてしまって本当にごめんなさい。でも怪我がなくて良かった」
「いいのよ。私も踏ん張りの効かない踵の高い靴を履いていたのだから」
「ありがとう、お銀さん。私は朱里って言います。こっちの大天使はリルリル」
「リルって呼ばれてます。よろしくお願いします」
「よろしくね。二人とも」
「あのねお銀さん、私達ピンクの河童さんは知らないけどパッションピンクの河童さんは知ってるよ!」
「それって目がチカチカする様なピンク?」
「そうそう! それに臭いは一致してるよ!」
「その河童よ! 彼がルシアよ! 生きてたのね。ぐすん」
今も生きてるかは定かではないけれど。
「実はあの河童はヌーの大群に巻き込まれて行方不明になっていて」
「ルシアがこの森から消えたのも、目の前で大量の渡鳥に攫われて大空へと飛んでいったのが原因なんだから今回もきっと大丈夫よ」
「河童さんって基本不運なんだね。でもきっと今回もきっと無事だね!」
悪運強そうだし、確かにまたひょっこり顔出して来そうだね。
「ぎゃーーーーーーー!」
「なに? この叫び声は!?」
「もしや、祠の結界に触ったのでは!?」
「本当だ! クリスちゃん水分多めに含んでるから結界の電流が体中に満遍なく行き渡ってる!」
何やってんだあいつ。
「あ。あいつはほっといて大丈夫なんで」
「じゃあこれから私の家に来てお茶しない? いい茶葉が入ったのよ」
「わあー! 嬉しい!」
クリスがずっと「た、助けてー」って言ってるけど、ほっといてお茶を頂ける事になりました。
ムポポペサ大陸放送局からお送りする大人気ラジオ番組『朝から家系食べいっちゃう!?』はっじまっるよー!
メインDJの朱里でーす!いえーい!
いやはや最近めっきり寒くなってきたね!皆さん体調崩さないように気をつけてね!
今日はそんな寒がりな貴方の心を温める葉書が届いているわ。
ラジオネーム『褌と、きしめん間違えて茹で上げた』さん。
ありがとう。素敵な名前ね。早速読みたいと思います。
じゃあ聞いてください!
~~~
こんにちは朱里さん。いつも楽しくラジオ聴いてます。今日は私が精神を蝕まれてた時のお話をします。
それは暗くて深くて誰にも打ち明けられなかった心の傷トラウマの話。
私の好きなもの『恋☆どす』。嫌いなものは『河童』。正確には『恋☆どす』の河童と餅つまらせ丸なんです。
好きと嫌いが一つの作品に同居してるなんて、今にも頭がどうにかなってしまいそうでした。
まず河童の事が嫌い過ぎて夜も七時間しか眠れなくなりました。
お米も2升食べてたのが1升半になってしまい、50gも体重が減少しました。
これが私の心の傷による弊害です。
でも最近少しだけだけど、私も変われたかなと思います。
『恋☆どす』の河童は筋骨隆々の胡瓜色で、いつも胡瓜を齧ってる嫌味な河童です。
だけど私が出会った河童は、パッションピンクでヌルヌルしてて臭いけどいい奴でした。
私はまだまだ未熟だった、てことですよね?
喋り方と声の高さ、体の色と匂い、癪でねちっこい早口のツッコミ。
身体から分泌されているヌルヌルの分泌物と生意気な目つき。
背中の甲羅と薄汚れた皿。薄い膜の張った指先と黄色い嘴。
趣味嗜好、人生観、価値観。よく聞く音楽、好きな食べ物。
まだまだあるけど、たったこれだけの事が嫌でアイツの事を無下に扱ってたなんて。
大切なのは嫌いな人や、苦手な人にこそこちらから心を開く事だったんですね。
ぜひ、みんなも試してみて下さい。
そうしたら会社のムカつくあんちくしょうが、ヌーの大行進に巻き込まれて揉みくちゃにされてスッキリすると思います。
ラジオネーム『褌と、きしめん間違えて茹で上げた』
~~~
あれ?なんだかどこかで聞いた事あるような話だね。
だけど心を開くだけで、大嫌いなあの野郎がヌーの大群に巻き込まれるなら心を開かない手はないよね!
そろそろ時間だね!残念だけど今日はここまで!
貴方の心の処方薬、みんなの朱里ちゃんがお送りしました!
ばいばーい!
—————————
銀色の河童さんはクリスが胡瓜を渡すと、すこぶる上機嫌になりました。
「私はお銀、川流れのお銀よ」
「二度も吹き飛ばしてしまって本当にごめんなさい。でも怪我がなくて良かった」
「いいのよ。私も踏ん張りの効かない踵の高い靴を履いていたのだから」
「ありがとう、お銀さん。私は朱里って言います。こっちの大天使はリルリル」
「リルって呼ばれてます。よろしくお願いします」
「よろしくね。二人とも」
「あのねお銀さん、私達ピンクの河童さんは知らないけどパッションピンクの河童さんは知ってるよ!」
「それって目がチカチカする様なピンク?」
「そうそう! それに臭いは一致してるよ!」
「その河童よ! 彼がルシアよ! 生きてたのね。ぐすん」
今も生きてるかは定かではないけれど。
「実はあの河童はヌーの大群に巻き込まれて行方不明になっていて」
「ルシアがこの森から消えたのも、目の前で大量の渡鳥に攫われて大空へと飛んでいったのが原因なんだから今回もきっと大丈夫よ」
「河童さんって基本不運なんだね。でもきっと今回もきっと無事だね!」
悪運強そうだし、確かにまたひょっこり顔出して来そうだね。
「ぎゃーーーーーーー!」
「なに? この叫び声は!?」
「もしや、祠の結界に触ったのでは!?」
「本当だ! クリスちゃん水分多めに含んでるから結界の電流が体中に満遍なく行き渡ってる!」
何やってんだあいつ。
「あ。あいつはほっといて大丈夫なんで」
「じゃあこれから私の家に来てお茶しない? いい茶葉が入ったのよ」
「わあー! 嬉しい!」
クリスがずっと「た、助けてー」って言ってるけど、ほっといてお茶を頂ける事になりました。
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