42 / 49
開戦。
しおりを挟む
ピー、ピー、ピー。
「最果て町の魔法少女に告ぐ。最果て町の魔法少女に告ぐ。南西の方角に魔獣が出現。危険レベル3。現場近くの魔法少女は直ちに魔力感知で魔獣を特定し、現場に急行せよ。繰り返す——」
ど、どえええー!?き、緊急指令!?せ、折角の井太利亜の海先輩との初デートなのに。
……とほほのほ。
「あれ? 朱里どん。腕時計が鳴っているよ。アラームかい? もしかして何か用事でごわすか」
「ちちちちち、違います、違います! あはははは。め、目覚ましの時間を間違えたのかなー? あは、あはははは」
「そうかい。ふふ、それなら良かったどすこい。ここの、名物『ケチャップタピオカ特盛うどん』は是非とも朱里どんに食べて欲しかったんだ」
え?嬉しい。私は先輩といられるだけでも嬉しいけど、そんな事思ってくれてたなんて。
「最近ちゃんこ番が忙しくてね、なかなか誘えなかったんだ。いやこれは言い訳だな。君を誘う勇気が出なくて、やっと今日この日を迎えられそうだよーい、はっけよーい」
ドキン!井太利亜の海先輩、私を誘うのに勇気が?
……なんで?これって私、期待しても良いの?
ビー、ビー、ビー!
……な、なんで私は魔法少女なの?好きな先輩とゆっくりデートも出来ない。なりたくて魔法少女になった訳じゃ無いのに。
「……あ、あの先輩」
むがっ!!
せ、先輩、急に私の口に大量の粗塩を詰め込んできた!?ゆ、指が唇に当たってる!やーだー!
「いいんだ、行くんだ。朱里どん。何も言わなくていい。大切な、大切な用があるんだろう? 僕はここで時間の許す限り四股を、踏んで待ってるでごわす」
このドキドキは、塩分過多による血圧上昇のせい?
それとも……先輩。私本気になっていいの?
ごくん。
「先輩! 私、すぐ戻ってきます!」
「待ってるよ、でも無理はしないで。今日がダメでも、おいどんがまた勇気を出せばいいのでごわすよ」
キャラが定まって無い所も含めて大好きです、先輩。魔獣を退治して帰ってきたら、今度は私が、私が勇気を出すんだ!
「行ってきます!」
「こんな女子ばかりのカフェで褌一丁か。これもまた一興。いってらっしゃい、子猫ちゃん」
よーし!待ってろよ!魔獣のヤロー!
恋の力を勇気に変えて。
トキメキ魔法少女の朱里ちゃんは今日も魔獣を粉微塵にするよ!
—————————
……夢、か。
夢、だよな。かー、だよねー!
二度寝すれば夢の続き見れるかな?
違う、違う!今日は私の初戦なんだから夢現から覚めなくては!
「おはよう! 今日の解説頑張っちゃうから、朱里ちゃん絶対勝ってね!」
「おはよう! 任せて! リルちゃんのアドバイスは無駄にしないよーい、はっけよい!」
「うん。そ、そうだね」
(な、なに?はっけよい?)
(寝ぼけてるな。まあ、リラックスしてるのか?)
準備運動がてら前回り受け身を連続で行いながら会場に辿り着いた私は、改めて参加者の多さに驚いた。
皆、魔王になる為に気合十分だ。
「僕達は解説席に行くよ! 朱里は突き当たりの右にあるBフロアだよ。場所わかるかい? 右と左の違いは分かる? Aの次がBだからね」
「馬鹿にすんなよ。Bの次はDだろ? 右はお前を葬り去る方の手だよ」
「絶好調そうで安心したよ!」
「く、くれぐれも無理はしないでね」
リルちゃんは苦笑いをし、クリスは笑いを堪えながら解説席へと向かった。
……Bの次はEだっけ?
『参加者の皆さん、対戦票に従って各ステージにお集まり下さい』
あの案内してる河童スーツ着てる。河童って沢山いるんだね。
私はBフロアだね。よし、早速向かおう。そうしよう。
「うわ、広いなあ。障害物もある」
武器もありって言ってたよね?必要そうなら私も具現化で武器出そうかな?
『各自、ステージのお好きな位置に配置をお願いします』
見るからに魔術師みたいな人達もいる。耳打ちをしている所から見ると仲間内かな?
とりあえず魔術に気を付けて出来る事をやるしか無い!
『カウントダウン始まります!』
「さあ、いよいよ始まります! 初日の総当たり戦、勝ち残るのは一体誰なのか?」
「河村さんが昨日とは打って変わってのハイテンションですね」
(朱里ちゃん!頑張って!)
『試合開始!!』
「おおっと! 開始早々Bフロアで爆発音が鳴り響いたぞ!」
「爆発音と共に、大きな土煙が巻き上がってます! おや? 何人もの参加者が吹き飛ばされて出てきましたね」
(朱里だな)
(朱里ちゃんだ!)
朱里ちゃんの秘策、二つ目!
細かい事は後で考える!!
攻撃は最大の防御!!
目の前の敵を全力でぶっ飛ばす!!
「最果て町の魔法少女に告ぐ。最果て町の魔法少女に告ぐ。南西の方角に魔獣が出現。危険レベル3。現場近くの魔法少女は直ちに魔力感知で魔獣を特定し、現場に急行せよ。繰り返す——」
ど、どえええー!?き、緊急指令!?せ、折角の井太利亜の海先輩との初デートなのに。
……とほほのほ。
「あれ? 朱里どん。腕時計が鳴っているよ。アラームかい? もしかして何か用事でごわすか」
「ちちちちち、違います、違います! あはははは。め、目覚ましの時間を間違えたのかなー? あは、あはははは」
「そうかい。ふふ、それなら良かったどすこい。ここの、名物『ケチャップタピオカ特盛うどん』は是非とも朱里どんに食べて欲しかったんだ」
え?嬉しい。私は先輩といられるだけでも嬉しいけど、そんな事思ってくれてたなんて。
「最近ちゃんこ番が忙しくてね、なかなか誘えなかったんだ。いやこれは言い訳だな。君を誘う勇気が出なくて、やっと今日この日を迎えられそうだよーい、はっけよーい」
ドキン!井太利亜の海先輩、私を誘うのに勇気が?
……なんで?これって私、期待しても良いの?
ビー、ビー、ビー!
……な、なんで私は魔法少女なの?好きな先輩とゆっくりデートも出来ない。なりたくて魔法少女になった訳じゃ無いのに。
「……あ、あの先輩」
むがっ!!
せ、先輩、急に私の口に大量の粗塩を詰め込んできた!?ゆ、指が唇に当たってる!やーだー!
「いいんだ、行くんだ。朱里どん。何も言わなくていい。大切な、大切な用があるんだろう? 僕はここで時間の許す限り四股を、踏んで待ってるでごわす」
このドキドキは、塩分過多による血圧上昇のせい?
それとも……先輩。私本気になっていいの?
ごくん。
「先輩! 私、すぐ戻ってきます!」
「待ってるよ、でも無理はしないで。今日がダメでも、おいどんがまた勇気を出せばいいのでごわすよ」
キャラが定まって無い所も含めて大好きです、先輩。魔獣を退治して帰ってきたら、今度は私が、私が勇気を出すんだ!
「行ってきます!」
「こんな女子ばかりのカフェで褌一丁か。これもまた一興。いってらっしゃい、子猫ちゃん」
よーし!待ってろよ!魔獣のヤロー!
恋の力を勇気に変えて。
トキメキ魔法少女の朱里ちゃんは今日も魔獣を粉微塵にするよ!
—————————
……夢、か。
夢、だよな。かー、だよねー!
二度寝すれば夢の続き見れるかな?
違う、違う!今日は私の初戦なんだから夢現から覚めなくては!
「おはよう! 今日の解説頑張っちゃうから、朱里ちゃん絶対勝ってね!」
「おはよう! 任せて! リルちゃんのアドバイスは無駄にしないよーい、はっけよい!」
「うん。そ、そうだね」
(な、なに?はっけよい?)
(寝ぼけてるな。まあ、リラックスしてるのか?)
準備運動がてら前回り受け身を連続で行いながら会場に辿り着いた私は、改めて参加者の多さに驚いた。
皆、魔王になる為に気合十分だ。
「僕達は解説席に行くよ! 朱里は突き当たりの右にあるBフロアだよ。場所わかるかい? 右と左の違いは分かる? Aの次がBだからね」
「馬鹿にすんなよ。Bの次はDだろ? 右はお前を葬り去る方の手だよ」
「絶好調そうで安心したよ!」
「く、くれぐれも無理はしないでね」
リルちゃんは苦笑いをし、クリスは笑いを堪えながら解説席へと向かった。
……Bの次はEだっけ?
『参加者の皆さん、対戦票に従って各ステージにお集まり下さい』
あの案内してる河童スーツ着てる。河童って沢山いるんだね。
私はBフロアだね。よし、早速向かおう。そうしよう。
「うわ、広いなあ。障害物もある」
武器もありって言ってたよね?必要そうなら私も具現化で武器出そうかな?
『各自、ステージのお好きな位置に配置をお願いします』
見るからに魔術師みたいな人達もいる。耳打ちをしている所から見ると仲間内かな?
とりあえず魔術に気を付けて出来る事をやるしか無い!
『カウントダウン始まります!』
「さあ、いよいよ始まります! 初日の総当たり戦、勝ち残るのは一体誰なのか?」
「河村さんが昨日とは打って変わってのハイテンションですね」
(朱里ちゃん!頑張って!)
『試合開始!!』
「おおっと! 開始早々Bフロアで爆発音が鳴り響いたぞ!」
「爆発音と共に、大きな土煙が巻き上がってます! おや? 何人もの参加者が吹き飛ばされて出てきましたね」
(朱里だな)
(朱里ちゃんだ!)
朱里ちゃんの秘策、二つ目!
細かい事は後で考える!!
攻撃は最大の防御!!
目の前の敵を全力でぶっ飛ばす!!
0
あなたにおすすめの小説
俺、何しに異世界に来たんだっけ?
右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」
主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。
気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。
「あなたに、お願いがあります。どうか…」
そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。
「やべ…失敗した。」
女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!
チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活
仙道
ファンタジー
ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。
彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで
六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。
乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。
ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。
有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。
前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる