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第四章 選んだ先の未来へ向かいます!
決して大げさではないんです!
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豪華な正妃の私室に、凍りつくような静寂が広がる。
ドクドクと鳴る自分の心臓の音が、やけにうるさく暖の耳に響いた。
彼女の衝撃発言を聞いたモノアとイノトは、大きく息を呑み言葉を失っている。
正妃も目を見開いていたが、それ以上の動揺は見せなかった。
「やだなぁ。子豚ちゃんが人間なんて一目見ればわかるだろう?」
空気を読まないブラットは、先ほど暖に睨まれたことなど無かったかのように馴れ馴れしく彼女の肩に手をかけてくる。
パン! と、条件反射で勢いよく払えば「ひどいなぁ」と手をさすり痛がるふりをした。
下女であり、たった今人間だと爆弾発言をした暖が魔族の王子の手を払う。
普通なら、それはその場で殺されても文句を言えない行為だ。
モノアは顔色を青くした。
可愛い我が子を邪険にされたイノトは、血相を変えて立ち上がろうとする。
それを正妃が視線で制した。
「どうして、人間が後宮に?」
静かな声で、正妃は暖に問いかけてくる。
「私、ココニ寄コシタ、魔王……サマ。話、聞ク、オ願イ!」
自分のやってしまったことに一瞬ヒヤッとした暖だが、なんとか収まりそうなその場の気配に、ホッとしながら訴えた。
魔王の名を出せば、正妃は考えながらも頷いてくれる。
「いいでしょう。……とりあえず座りなさい。長い話になるのでしょう?」
問答無用で人間を排除しようとするわけではなく、話を聞こうという正妃の態度に暖は好感を抱いた。
(悪い人ではないのかも? ……とりあえず、第一関門は突破したってとこかしら)
促されて豪華な応接セットへと腰を落ち着けた。
その暖の隣にブラットが座ろうとしてくる。
思わず暖は、グイッと押し返した。
まずいとは思うのだが、しみついた嫌悪感は我慢できない。
「アッチ、行ッテ!」
「ヒドイ! 子豚ちゃん!」
泣きまねをするブラットに、冷たい視線を向けた。
「人間の分際で、私のブラットに、そんな態度をとるなんて――――」
さすがに我慢できなかったのだろう、イノトが怒鳴りながら立ち上がる。
彼女の口から伸びはじめた牙が、チラリとのぞいた。
「イノト、座りなさい!」
それを正妃が冷静に制する。
イノトは歯軋りしながらも腰をおろした。鋭い牙の先端が、キラリと光る。
それを見た暖は……大きく息を吐きだした。
もしもあの牙で襲われでもしたら、危ないところだ。
(危ないのは、私じゃなく魔界だけど……)
まずはそのことについて注意をするべきだと気づいた。
「話、前ニ、注意。……私、何、話シテモ、敵意向ケル、ダメ絶対! 私、強イ、自動報復防御魔法アル。私、攻撃スルト、魔界、滅ビル」
聞いた正妃たちは、ポカンとした。
「――――自動報復防御魔法?」
オウム返しに聞き返すモノアだが、その口調からは半信半疑だということが伝わってくる。
ブラットやイノトなどは、何を言っているんだという馬鹿にしたような視線を向けてきた。
「ソウ。……論ヨリ証拠!」
暖は不本意ながらブラットに近づき、自分の白い腕を彼の目の前に突き出す。
ポチャポチャとして美味しそうだと、ブラットの言った腕である。
「――――うわっ! 止めてくれ! くそっ、俺は、絶対食べたがらないぞっ!」
ようやく以前の苦しみを思い出したのか、ブラットは慌てて目をつむり暖の腕から顔を背けた。
「ダメ、証明スルカラ。ヨク見テ!」
グイグイと近づければ、ブラットは「助けて!」と悲鳴をあげる。
情けない格好で、イノトの背後に隠れた。
「人間! いい加減にしなさいっ!」
我慢できずにイノトが立ち上がる。
暖に手をあげようとして右手を頭上に振り上げた。
――――途端「キャア!!」と叫んで蹲る。
頭をおさえ「痛い、痛い」と苦しみもがきはじめた。
「ア、ア、ゴメンナサイ」
先に手を出そうとしたのはイノトだが、彼女のあまりの苦しみように暖は思わず謝ってしまう。
恐る恐る正妃を見れば、彼女は納得したように頷いていた。
「……なるほど。そなたに危害を加えようとすると、自動的に報復魔法が発動するのね?」
正妃の言葉に暖はウンウンと頷いた。
さすが正妃だ。話が早くて助かる。
「最悪、ミンナ、フッ飛ブ」
その言葉に、女性たちは全員顔色を悪くした。
「そんな大袈裟な」
ブラットだけはヘラヘラと笑うが、正妃に睨まれ口をつぐむ。
「どのくらいの威力の報復魔法なの?」
恐る恐るモノアが聞いてきた。
暖は、少し考え込む。
「"落ちたる竜王"、"エルフの失われた王"、"神を堕落させた吸血姫"、"世界を二度滅ぼしかけた魔女"、……ミンナ、一度ニ攻撃シタクライ」
――――シ~ンと、静寂がその場を包んだ。
「……やけに、具体的なのね」
「いやだなぁ、子豚ちゃん。冗談がキツイよ」
「……冗談にしても笑えないわ」
顔を引きつらせながら、モノア、ブラット、イノトの順でそう話す。
冗談でもなんでもなく、事実である。
「……わかった。そなたには、決して攻撃すまい」
重々しく頷く正妃に、「オ願イシマス!」と真剣に頼む暖だった。
ドクドクと鳴る自分の心臓の音が、やけにうるさく暖の耳に響いた。
彼女の衝撃発言を聞いたモノアとイノトは、大きく息を呑み言葉を失っている。
正妃も目を見開いていたが、それ以上の動揺は見せなかった。
「やだなぁ。子豚ちゃんが人間なんて一目見ればわかるだろう?」
空気を読まないブラットは、先ほど暖に睨まれたことなど無かったかのように馴れ馴れしく彼女の肩に手をかけてくる。
パン! と、条件反射で勢いよく払えば「ひどいなぁ」と手をさすり痛がるふりをした。
下女であり、たった今人間だと爆弾発言をした暖が魔族の王子の手を払う。
普通なら、それはその場で殺されても文句を言えない行為だ。
モノアは顔色を青くした。
可愛い我が子を邪険にされたイノトは、血相を変えて立ち上がろうとする。
それを正妃が視線で制した。
「どうして、人間が後宮に?」
静かな声で、正妃は暖に問いかけてくる。
「私、ココニ寄コシタ、魔王……サマ。話、聞ク、オ願イ!」
自分のやってしまったことに一瞬ヒヤッとした暖だが、なんとか収まりそうなその場の気配に、ホッとしながら訴えた。
魔王の名を出せば、正妃は考えながらも頷いてくれる。
「いいでしょう。……とりあえず座りなさい。長い話になるのでしょう?」
問答無用で人間を排除しようとするわけではなく、話を聞こうという正妃の態度に暖は好感を抱いた。
(悪い人ではないのかも? ……とりあえず、第一関門は突破したってとこかしら)
促されて豪華な応接セットへと腰を落ち着けた。
その暖の隣にブラットが座ろうとしてくる。
思わず暖は、グイッと押し返した。
まずいとは思うのだが、しみついた嫌悪感は我慢できない。
「アッチ、行ッテ!」
「ヒドイ! 子豚ちゃん!」
泣きまねをするブラットに、冷たい視線を向けた。
「人間の分際で、私のブラットに、そんな態度をとるなんて――――」
さすがに我慢できなかったのだろう、イノトが怒鳴りながら立ち上がる。
彼女の口から伸びはじめた牙が、チラリとのぞいた。
「イノト、座りなさい!」
それを正妃が冷静に制する。
イノトは歯軋りしながらも腰をおろした。鋭い牙の先端が、キラリと光る。
それを見た暖は……大きく息を吐きだした。
もしもあの牙で襲われでもしたら、危ないところだ。
(危ないのは、私じゃなく魔界だけど……)
まずはそのことについて注意をするべきだと気づいた。
「話、前ニ、注意。……私、何、話シテモ、敵意向ケル、ダメ絶対! 私、強イ、自動報復防御魔法アル。私、攻撃スルト、魔界、滅ビル」
聞いた正妃たちは、ポカンとした。
「――――自動報復防御魔法?」
オウム返しに聞き返すモノアだが、その口調からは半信半疑だということが伝わってくる。
ブラットやイノトなどは、何を言っているんだという馬鹿にしたような視線を向けてきた。
「ソウ。……論ヨリ証拠!」
暖は不本意ながらブラットに近づき、自分の白い腕を彼の目の前に突き出す。
ポチャポチャとして美味しそうだと、ブラットの言った腕である。
「――――うわっ! 止めてくれ! くそっ、俺は、絶対食べたがらないぞっ!」
ようやく以前の苦しみを思い出したのか、ブラットは慌てて目をつむり暖の腕から顔を背けた。
「ダメ、証明スルカラ。ヨク見テ!」
グイグイと近づければ、ブラットは「助けて!」と悲鳴をあげる。
情けない格好で、イノトの背後に隠れた。
「人間! いい加減にしなさいっ!」
我慢できずにイノトが立ち上がる。
暖に手をあげようとして右手を頭上に振り上げた。
――――途端「キャア!!」と叫んで蹲る。
頭をおさえ「痛い、痛い」と苦しみもがきはじめた。
「ア、ア、ゴメンナサイ」
先に手を出そうとしたのはイノトだが、彼女のあまりの苦しみように暖は思わず謝ってしまう。
恐る恐る正妃を見れば、彼女は納得したように頷いていた。
「……なるほど。そなたに危害を加えようとすると、自動的に報復魔法が発動するのね?」
正妃の言葉に暖はウンウンと頷いた。
さすが正妃だ。話が早くて助かる。
「最悪、ミンナ、フッ飛ブ」
その言葉に、女性たちは全員顔色を悪くした。
「そんな大袈裟な」
ブラットだけはヘラヘラと笑うが、正妃に睨まれ口をつぐむ。
「どのくらいの威力の報復魔法なの?」
恐る恐るモノアが聞いてきた。
暖は、少し考え込む。
「"落ちたる竜王"、"エルフの失われた王"、"神を堕落させた吸血姫"、"世界を二度滅ぼしかけた魔女"、……ミンナ、一度ニ攻撃シタクライ」
――――シ~ンと、静寂がその場を包んだ。
「……やけに、具体的なのね」
「いやだなぁ、子豚ちゃん。冗談がキツイよ」
「……冗談にしても笑えないわ」
顔を引きつらせながら、モノア、ブラット、イノトの順でそう話す。
冗談でもなんでもなく、事実である。
「……わかった。そなたには、決して攻撃すまい」
重々しく頷く正妃に、「オ願イシマス!」と真剣に頼む暖だった。
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