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バカップル
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「遅い! バカップルの友人など私にできるとは思ってもみなかったですね」
「バカップル……」
隼人さんに連れられて、リビングに来た。
大きなソファが数個あり、巨大なテレビや色々機器が置いてあったが、何が何か僕には判らない。
バカップル? 僕達の事なのだろうか?
「悩んでるね楓君、バカップルとは自分では判らないんだよ。君達は正真正銘のバカップルだ」
「やめろ。透ふざけてないで先ずは自己紹介からだ」
僕は大きなソファに腰掛けたのだけど、身体がズブズブ落ちていく!
何だろうこのソファ、硬いのかと思ったらすっごく柔らかくてふわふわだ。此処で寝ると気持ちよさそうです。すぐ隣に隼人さんが座った。
「ほらほら! この広いソファで、他にも椅子もあるのに何故ピッタリくっつくんですか? あきらかに変ですよ。お前本当に橘ですか?」
「何処からみても俺だが」
「あー わかりました。もういい諦めました。えっと楓君ですね。私は早瀬透と言います。弁護士で、橘隼人の幼馴染兼専属弁護士です」
早瀬さんは僕と向かい合い、真摯な姿勢で視線を合わせ、ゆっくり話し始めました。
「弁護士さんですか」
「そうです。今回は橘からの依頼で来ました。
楓君は養子になりたいのですか? 雰囲気とかで決めては駄目ですよ。これは大事な問題ですからね。
楓君にとっても橘にとってもね。嫌だから辞めましたなんて言うのは許されませんよ」
隼人さんが横で手を握ってくれている。自分の意思をキチンと示さなければいけないのだと思う。頑張る。
「僕は今日家を出ました。持ってたお金を全て使って、行けるとこまで行って座って居たら、隼人さんに出会えたんです。
僕には、父と母と妹が居ますが……
家族なのに、僕だけは家族では無いみたいです。
毎月五千円が、机の上に置いてあるのでそれで僕の食事と服と生活費として使っていました。
冷蔵庫も小さなのが部屋にあり、その中しか使えません。洗剤は使えますが洗濯物は風呂場で洗い隅で干して使います。
できるだけ家族には合わない様にしてました。会うと色々言われるし、睨まれるので……」
僕は、この先は言う事も無いので黙っていると。誰も何も言わず、沈黙が続いて。
「そうなんだね。それで、ご飯はどうしてたの?」
「居ない隙を見て自分で作って食べて、綺麗に片付けてました。痕跡を残すと駄目だから」
「そうか。学校ではどうなのかな? 誰かに相談とかはしたのかな?」
「してません。僕の事は、誰も気に掛けないから」
「楓君は、雰囲気もあるし顔も整っているから、誰かしら近づいては来なかったの?」
「僕、隼人さんに出会えて髪切って貰うまでは前髪も長く、顔隠してたから」
「自分でも切れたんじゃない?」
「妹が……妹が顔を見せるなと、親も同意したので」
「あー そうか。うんそうだね、わかったよ。それでは橘の事は、どう思う?」
「暖かく、安心できます……好きです」
隼人さんの握ってくれている手に、力がこもった。
「そうか、わかった。後は勝手に色々、楓君の事調べるよ。良い?」
「はい」
「じゃ今日の所は、此処までね。さっき、裕樹君が美味しそうなものキッチンに並べてたから、食べようよ!」
「帰れ!」
「沢山並べてたし、私も荷物運び手伝いましたが」
隼人さんは嫌そうな顔で、早瀬さんを見て。
「食べたら直ぐに帰れよ」
「えー 帰った後又、バカップルの続きするの? 手は出さないでね!後、面倒な事になるから」
「飯食うぞ!!」
隼人さんに何故か、抱えられて連れて行かれてる?美味しそうな匂いがどんどん近づいてきた。
「お姫様抱っこ! あり得ない……実物初めて観た」
早瀬さんは、最初は冷たそうな怖そうなイメージが強かったのに、何だか楽しそうな人みたいだ。良かった。此処は誰も僕を無視しない。嬉しいな。
「バカップル……」
隼人さんに連れられて、リビングに来た。
大きなソファが数個あり、巨大なテレビや色々機器が置いてあったが、何が何か僕には判らない。
バカップル? 僕達の事なのだろうか?
「悩んでるね楓君、バカップルとは自分では判らないんだよ。君達は正真正銘のバカップルだ」
「やめろ。透ふざけてないで先ずは自己紹介からだ」
僕は大きなソファに腰掛けたのだけど、身体がズブズブ落ちていく!
何だろうこのソファ、硬いのかと思ったらすっごく柔らかくてふわふわだ。此処で寝ると気持ちよさそうです。すぐ隣に隼人さんが座った。
「ほらほら! この広いソファで、他にも椅子もあるのに何故ピッタリくっつくんですか? あきらかに変ですよ。お前本当に橘ですか?」
「何処からみても俺だが」
「あー わかりました。もういい諦めました。えっと楓君ですね。私は早瀬透と言います。弁護士で、橘隼人の幼馴染兼専属弁護士です」
早瀬さんは僕と向かい合い、真摯な姿勢で視線を合わせ、ゆっくり話し始めました。
「弁護士さんですか」
「そうです。今回は橘からの依頼で来ました。
楓君は養子になりたいのですか? 雰囲気とかで決めては駄目ですよ。これは大事な問題ですからね。
楓君にとっても橘にとってもね。嫌だから辞めましたなんて言うのは許されませんよ」
隼人さんが横で手を握ってくれている。自分の意思をキチンと示さなければいけないのだと思う。頑張る。
「僕は今日家を出ました。持ってたお金を全て使って、行けるとこまで行って座って居たら、隼人さんに出会えたんです。
僕には、父と母と妹が居ますが……
家族なのに、僕だけは家族では無いみたいです。
毎月五千円が、机の上に置いてあるのでそれで僕の食事と服と生活費として使っていました。
冷蔵庫も小さなのが部屋にあり、その中しか使えません。洗剤は使えますが洗濯物は風呂場で洗い隅で干して使います。
できるだけ家族には合わない様にしてました。会うと色々言われるし、睨まれるので……」
僕は、この先は言う事も無いので黙っていると。誰も何も言わず、沈黙が続いて。
「そうなんだね。それで、ご飯はどうしてたの?」
「居ない隙を見て自分で作って食べて、綺麗に片付けてました。痕跡を残すと駄目だから」
「そうか。学校ではどうなのかな? 誰かに相談とかはしたのかな?」
「してません。僕の事は、誰も気に掛けないから」
「楓君は、雰囲気もあるし顔も整っているから、誰かしら近づいては来なかったの?」
「僕、隼人さんに出会えて髪切って貰うまでは前髪も長く、顔隠してたから」
「自分でも切れたんじゃない?」
「妹が……妹が顔を見せるなと、親も同意したので」
「あー そうか。うんそうだね、わかったよ。それでは橘の事は、どう思う?」
「暖かく、安心できます……好きです」
隼人さんの握ってくれている手に、力がこもった。
「そうか、わかった。後は勝手に色々、楓君の事調べるよ。良い?」
「はい」
「じゃ今日の所は、此処までね。さっき、裕樹君が美味しそうなものキッチンに並べてたから、食べようよ!」
「帰れ!」
「沢山並べてたし、私も荷物運び手伝いましたが」
隼人さんは嫌そうな顔で、早瀬さんを見て。
「食べたら直ぐに帰れよ」
「えー 帰った後又、バカップルの続きするの? 手は出さないでね!後、面倒な事になるから」
「飯食うぞ!!」
隼人さんに何故か、抱えられて連れて行かれてる?美味しそうな匂いがどんどん近づいてきた。
「お姫様抱っこ! あり得ない……実物初めて観た」
早瀬さんは、最初は冷たそうな怖そうなイメージが強かったのに、何だか楽しそうな人みたいだ。良かった。此処は誰も僕を無視しない。嬉しいな。
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