14 / 20
14
しおりを挟む
先ほどと同じやり取りをする二人にまた笑いが込み上げる。彼がまた不思議そうな顔をしてこちらを見た。そろそろ質問に答えてあげないとベルナルドが可哀想かもしれない。
「この腕に抱けるくらいの犬がいいな。白くてふわふわしてて、お日様みたいにあったかい子がいい」
リールのことを思い出しながら話すと、また胸が痛んだ。そこを無意識にさする。
「ご実家の犬が、そんな子だったのか?」
目敏い問いにどきりとした。先ほどまではあんなに鈍感だったのに、どうしてこういう時だけ。
「……ああ。すごく可愛い子なんだ」
微笑みながら言うと、彼は可哀想なほどに眉尻を下げた。
「……引き離してすまない」
まっすぐな謝罪にリュカは焦った。実家で犬を飼っていたというのは嘘で、リールは一度目の人生の時にこの城で飼っていた子だ。王家に嫁いだから引き離されたわけではない。ベルナルドはちっとも悪くない。今の人生でリールと巡り合わないことを選んだのはリュカ自身なのだから。
だけど彼の素直な心が、痛みの走る胸を優しく撫でてくれた気がした。愛犬に会えなくて寂しいという気持ちを、犬が苦手な彼が理解してくれる。それだけでどうしてこうも嬉しいのだろう。
込み上げる思いを悟られたくなくて、「見くびってもらっちゃ困るな」とおちゃらけた態度を取った。
「俺は俺の意思で、ここへ来たんだ。お前に引き裂かれただなんて、露ほども思ってない。そこらへんの気の弱いオメガと一緒にされちゃ困るね」
フン、と鼻で笑ってから、ベルナルドの相好が崩れていることに気がついた。極限まで垂れた目尻に緩んだ口元。
(……なんでそんな、愛おしくてたまらない、みたいな顔)
初めて向けられる表情に心臓が忙しなく動いた。だらしない顔のままでベルナルドが呟く。
「君のそういう強いところが、僕はとても……」
そこまで言ったくせに、彼は途端に顔を赤くして、「いや、なんでもない」と口を閉ざしてしまった。すんでのところでおあずけをされて、心の中がむず痒くなる。
(なんだよ、言えよ……!)
地団駄を踏みかけてから、自分の目的を忘れていることに気がついた。好きだと言われては困るのだ。愛されてはいけないのだ。
(だけど、だけど、聞きたかった……!)
恥ずかしさがピークに達したのか、ベルナルドはここで切り上げることにしたらしい。また話そうと告げて、足早に立ち去ってしまう。名残惜しい気持ちでその背中を見送ろうとして、マークルが彼の後を追っていないことに気がついた。
「おい、行かなくていいのか?」
尋ねただけで、彼はこちらを睨みつけてくる。やはり今回も、いや一度目の人生の時以上に嫌われているらしい。
睥睨したまま、彼が口を開いた。
「つい先程、侍女から、あなたがベルナルド殿下の好みのタイプを知りたがっていると耳打ちされました」
リュカは額に手を当ててため息をついた。もう訊いたのかと呆れてしまう。恐らくベルナルドもいる場で、マークルにだけこっそりと伝えたのだろう。
「そんなにお知りになりたいのであれば、いいでしょう、お答えします。殿下の好みは、大人しく聡明で、大衆の面前で恥を晒すことなどけっしてせず、文句も言わず、暴言も吐かず、自分に極力関わってこない、部屋にこもりきりの妃だそうです」
それはお前の願望だろう。苦笑する姿を見て溜飲が下がったのか、「では」と呟いたマークルがさっさと切り上げて行った。
「部屋にこもりきりの妃か……」
奇しくも一度目の人生の時のリュカそのものだと気がついて、また苦笑が漏れた。あの状態であんなに惚れられていたのだから、あながち間違いでもないのかもしれない。
「心配しなくても、俺はあと数年でいなくなるよ」
見えなくなった従者に向けてそう呟く。
――俺の妃を侮辱することは赦さない。
先ほど、マークルを叱ったベルナルドの言葉が、今になってリュカの心に染み渡った。大事にされている。それだけのことが、こんなにも嬉しくて、悲しい。
きゅっと下唇を噛み締め、感情の波が過ぎ去るのを待った。この数日間で何度も味わってきたのだ。ほんの少し堪えれば、すぐに癒える――視界の端に、猛スピードで駆け抜けてくる男の姿が見えた。驚いて凝視すると、それがベルナルドであることが分かった。
「え、なに……」
戸惑うリュカのそばで立ち止まった彼が、膝に手を着いて呼吸を整える。一拍を置いてから、勢い良く顔を上げた。
「僕は! 僕は、部屋にこもりきりの妃など好まない!」
「えっ」
咄嗟に意味を理解できなかった。数秒遅れて、先ほどのマークルとの会話のことだと気付く。忠誠心溢れる従者はあんなことまで律儀に報告したのか。
「君が、庭園中を駆け回るようなお転婆な人であっても、僕は一向に構わない!」
「え、なに、お転婆?」
「ああ! だから! ……だから、君はここで、やりたいことをやっていいし、犬を飼っても、猫を飼ってもいい。走り回っても、木を登ってもいい。好きに過ごしてほしいんだ。のびのびと、自由に」
勢い良く語り始めた言葉は、やがてゆっくりとした口調に変わり、彼がリュカの気持ちを推し量りながら話してくれていることがよく伝わってきた。
マークルから、嫌味を言ったと報告を受けたその足でここまで全力疾走してきたのだろうか。それは自分の意思ではないと、慌てて訂正しに来てくれたのだろうか。リュカを傷付けないために。
(……なんだよ。俺だって、お前のことを傷付けたくないのは同じなのに。お前ばっかりずるいよ)
感情の波がどれだけ経っても過ぎ去らない。ベルナルドが好きだという思いがいつまでも心に居座り続ける。どんどん大きくなって破裂しそうになる。
「どんな俺でも愛せるって、そう言いたいのか?」
リュカは彼に嫌われなくてはいけないのだ。どんな姿でも愛すなんて、そんなのは困る。
「……っ、そうとも、言うかもしれない」
赤面しながらそう返してきたベルナルドに、リュカは、それでも喜んでしまった。愛されては困るのに、愛してほしかった。
「本当に好きにしていいんだな?」
「ああ、そうしてくれ」
「また国王陛下や大勢の国民の前でお前に抱きついても赦してくれるわけだ」
「……それは、また、話が別だが……」
ふふ、と笑いを漏らす。
(しないよ、そんなこと。お前の立場が悪くなるようなことは、もうしない)
嫌われるのは自分だけでいい。
「それで? お前の本当の好みはどんな奴なんだよ」
「え? あ、ああ……あまり考えたことがなかったが……」
言い淀みつつも、彼の中には答えがあるようだった。困ったように頬をかいて、それから意を決したというふうに口を開く。
「手作りの料理を……食べさせてくれる人がいい」
「料理?」
てっきり顔立ちや性格の話をされると思っていたのに、思いもよらぬ方向だった。
「ああ。僕は子どもの頃からずっと、シェフの作る宮廷料理しか食べたことがない。家庭料理というものを知らないから、できればそれを教えてくれる人がいい」
これはひょっとして、リュカの手料理が食べたいと言っているのだろうか。彼と違って平民の出であるリュカは確かに家庭料理を知っているけれど、母が作るそれを享受していただけで料理の経験が豊富なわけではなかった。
「……悪い。今のは聞き流してくれ」
こちらの心情を読み取ったのか、ベルナルドは簡単に引き下がってしまった。
「では、そろそろ行く。ここは日差しが強すぎる。君もなるべく早く室内へ」
「……ああ」
今度こそベルナルドは行ってしまった。一人残されると、確かに日差しの強さを実感する。背中に薄く汗をかいていることに気がついて退散することにした。日影に入ると、暑さが幾分ましになる。
作ってやるよ、と言ってやれば、彼を笑顔にできたのだろう。だから、言えない。彼に嫌われなくてはいけない自
分は、彼に家庭料理を教えてやることはできないのだ。絶対に。
「この腕に抱けるくらいの犬がいいな。白くてふわふわしてて、お日様みたいにあったかい子がいい」
リールのことを思い出しながら話すと、また胸が痛んだ。そこを無意識にさする。
「ご実家の犬が、そんな子だったのか?」
目敏い問いにどきりとした。先ほどまではあんなに鈍感だったのに、どうしてこういう時だけ。
「……ああ。すごく可愛い子なんだ」
微笑みながら言うと、彼は可哀想なほどに眉尻を下げた。
「……引き離してすまない」
まっすぐな謝罪にリュカは焦った。実家で犬を飼っていたというのは嘘で、リールは一度目の人生の時にこの城で飼っていた子だ。王家に嫁いだから引き離されたわけではない。ベルナルドはちっとも悪くない。今の人生でリールと巡り合わないことを選んだのはリュカ自身なのだから。
だけど彼の素直な心が、痛みの走る胸を優しく撫でてくれた気がした。愛犬に会えなくて寂しいという気持ちを、犬が苦手な彼が理解してくれる。それだけでどうしてこうも嬉しいのだろう。
込み上げる思いを悟られたくなくて、「見くびってもらっちゃ困るな」とおちゃらけた態度を取った。
「俺は俺の意思で、ここへ来たんだ。お前に引き裂かれただなんて、露ほども思ってない。そこらへんの気の弱いオメガと一緒にされちゃ困るね」
フン、と鼻で笑ってから、ベルナルドの相好が崩れていることに気がついた。極限まで垂れた目尻に緩んだ口元。
(……なんでそんな、愛おしくてたまらない、みたいな顔)
初めて向けられる表情に心臓が忙しなく動いた。だらしない顔のままでベルナルドが呟く。
「君のそういう強いところが、僕はとても……」
そこまで言ったくせに、彼は途端に顔を赤くして、「いや、なんでもない」と口を閉ざしてしまった。すんでのところでおあずけをされて、心の中がむず痒くなる。
(なんだよ、言えよ……!)
地団駄を踏みかけてから、自分の目的を忘れていることに気がついた。好きだと言われては困るのだ。愛されてはいけないのだ。
(だけど、だけど、聞きたかった……!)
恥ずかしさがピークに達したのか、ベルナルドはここで切り上げることにしたらしい。また話そうと告げて、足早に立ち去ってしまう。名残惜しい気持ちでその背中を見送ろうとして、マークルが彼の後を追っていないことに気がついた。
「おい、行かなくていいのか?」
尋ねただけで、彼はこちらを睨みつけてくる。やはり今回も、いや一度目の人生の時以上に嫌われているらしい。
睥睨したまま、彼が口を開いた。
「つい先程、侍女から、あなたがベルナルド殿下の好みのタイプを知りたがっていると耳打ちされました」
リュカは額に手を当ててため息をついた。もう訊いたのかと呆れてしまう。恐らくベルナルドもいる場で、マークルにだけこっそりと伝えたのだろう。
「そんなにお知りになりたいのであれば、いいでしょう、お答えします。殿下の好みは、大人しく聡明で、大衆の面前で恥を晒すことなどけっしてせず、文句も言わず、暴言も吐かず、自分に極力関わってこない、部屋にこもりきりの妃だそうです」
それはお前の願望だろう。苦笑する姿を見て溜飲が下がったのか、「では」と呟いたマークルがさっさと切り上げて行った。
「部屋にこもりきりの妃か……」
奇しくも一度目の人生の時のリュカそのものだと気がついて、また苦笑が漏れた。あの状態であんなに惚れられていたのだから、あながち間違いでもないのかもしれない。
「心配しなくても、俺はあと数年でいなくなるよ」
見えなくなった従者に向けてそう呟く。
――俺の妃を侮辱することは赦さない。
先ほど、マークルを叱ったベルナルドの言葉が、今になってリュカの心に染み渡った。大事にされている。それだけのことが、こんなにも嬉しくて、悲しい。
きゅっと下唇を噛み締め、感情の波が過ぎ去るのを待った。この数日間で何度も味わってきたのだ。ほんの少し堪えれば、すぐに癒える――視界の端に、猛スピードで駆け抜けてくる男の姿が見えた。驚いて凝視すると、それがベルナルドであることが分かった。
「え、なに……」
戸惑うリュカのそばで立ち止まった彼が、膝に手を着いて呼吸を整える。一拍を置いてから、勢い良く顔を上げた。
「僕は! 僕は、部屋にこもりきりの妃など好まない!」
「えっ」
咄嗟に意味を理解できなかった。数秒遅れて、先ほどのマークルとの会話のことだと気付く。忠誠心溢れる従者はあんなことまで律儀に報告したのか。
「君が、庭園中を駆け回るようなお転婆な人であっても、僕は一向に構わない!」
「え、なに、お転婆?」
「ああ! だから! ……だから、君はここで、やりたいことをやっていいし、犬を飼っても、猫を飼ってもいい。走り回っても、木を登ってもいい。好きに過ごしてほしいんだ。のびのびと、自由に」
勢い良く語り始めた言葉は、やがてゆっくりとした口調に変わり、彼がリュカの気持ちを推し量りながら話してくれていることがよく伝わってきた。
マークルから、嫌味を言ったと報告を受けたその足でここまで全力疾走してきたのだろうか。それは自分の意思ではないと、慌てて訂正しに来てくれたのだろうか。リュカを傷付けないために。
(……なんだよ。俺だって、お前のことを傷付けたくないのは同じなのに。お前ばっかりずるいよ)
感情の波がどれだけ経っても過ぎ去らない。ベルナルドが好きだという思いがいつまでも心に居座り続ける。どんどん大きくなって破裂しそうになる。
「どんな俺でも愛せるって、そう言いたいのか?」
リュカは彼に嫌われなくてはいけないのだ。どんな姿でも愛すなんて、そんなのは困る。
「……っ、そうとも、言うかもしれない」
赤面しながらそう返してきたベルナルドに、リュカは、それでも喜んでしまった。愛されては困るのに、愛してほしかった。
「本当に好きにしていいんだな?」
「ああ、そうしてくれ」
「また国王陛下や大勢の国民の前でお前に抱きついても赦してくれるわけだ」
「……それは、また、話が別だが……」
ふふ、と笑いを漏らす。
(しないよ、そんなこと。お前の立場が悪くなるようなことは、もうしない)
嫌われるのは自分だけでいい。
「それで? お前の本当の好みはどんな奴なんだよ」
「え? あ、ああ……あまり考えたことがなかったが……」
言い淀みつつも、彼の中には答えがあるようだった。困ったように頬をかいて、それから意を決したというふうに口を開く。
「手作りの料理を……食べさせてくれる人がいい」
「料理?」
てっきり顔立ちや性格の話をされると思っていたのに、思いもよらぬ方向だった。
「ああ。僕は子どもの頃からずっと、シェフの作る宮廷料理しか食べたことがない。家庭料理というものを知らないから、できればそれを教えてくれる人がいい」
これはひょっとして、リュカの手料理が食べたいと言っているのだろうか。彼と違って平民の出であるリュカは確かに家庭料理を知っているけれど、母が作るそれを享受していただけで料理の経験が豊富なわけではなかった。
「……悪い。今のは聞き流してくれ」
こちらの心情を読み取ったのか、ベルナルドは簡単に引き下がってしまった。
「では、そろそろ行く。ここは日差しが強すぎる。君もなるべく早く室内へ」
「……ああ」
今度こそベルナルドは行ってしまった。一人残されると、確かに日差しの強さを実感する。背中に薄く汗をかいていることに気がついて退散することにした。日影に入ると、暑さが幾分ましになる。
作ってやるよ、と言ってやれば、彼を笑顔にできたのだろう。だから、言えない。彼に嫌われなくてはいけない自
分は、彼に家庭料理を教えてやることはできないのだ。絶対に。
17
あなたにおすすめの小説
国を救った英雄と一つ屋根の下とか聞いてない!
古森きり
BL
第8回BL小説大賞、奨励賞ありがとうございます!
7/15よりレンタル切り替えとなります。
紙書籍版もよろしくお願いします!
妾の子であり、『Ω型』として生まれてきて風当たりが強く、居心地の悪い思いをして生きてきた第五王子のシオン。
成人年齢である十八歳の誕生日に王位継承権を破棄して、王都で念願の冒険者酒場宿を開店させた!
これからはお城に呼び出されていびられる事もない、幸せな生活が待っている……はずだった。
「なんで国の英雄と一緒に酒場宿をやらなきゃいけないの!」
「それはもちろん『Ω型』のシオン様お一人で生活出来るはずもない、と国王陛下よりお世話を仰せつかったからです」
「んもおおおっ!」
どうなる、俺の一人暮らし!
いや、従業員もいるから元々一人暮らしじゃないけど!
※読み直しナッシング書き溜め。
※飛び飛びで書いてるから矛盾点とか出ても見逃して欲しい。
拝啓、親愛なる王子、魔族に求婚されて元従者は花嫁と相成りそうです
石月煤子
BL
「――迎えにきたぞ、ロザ――」
とある国の王子に仕える従者のロザ。
過保護な余り、単独必須の武者修行へ赴く王子をこっそり尾行し、魔獣が巣食う「暁の森」へとやってきた。
そこでロザは出会う。
ウルヴァスという名の不敵な魔族に。
「俺の花嫁に相応しい」
(は? 今、何て言った?)
■表紙イラスト(フリー素材)はお借りしています■
病み墜ちした騎士を救う方法
無月陸兎
BL
目が覚めたら、友人が作ったゲームの“ハズレ神子”になっていた。
死亡フラグを回避しようと動くも、思うようにいかず、最終的には原作ルートから離脱。
死んだことにして田舎でのんびりスローライフを送っていた俺のもとに、ある噂が届く。
どうやら、かつてのバディだった騎士の様子が、どうもおかしいとか……?
※欠損表現有。本編が始まるのは実質中盤頃です
愛人少年は王に寵愛される
時枝蓮夜
BL
女性なら、三年夫婦の生活がなければ白い結婚として離縁ができる。
僕には三年待っても、白い結婚は訪れない。この国では、王の愛人は男と定められており、白い結婚であっても離婚は認められていないためだ。
初めから要らぬ子供を増やさないために、男を愛人にと定められているのだ。子ができなくて当然なのだから、離婚を論じるられる事もなかった。
そして若い間に抱き潰されたあと、修道院に幽閉されて一生を終える。
僕はもうすぐ王の愛人に召し出され、2年になる。夜のお召もあるが、ただ抱きしめられて眠るだけのお召だ。
そんな生活に変化があったのは、僕に遅い精通があってからだった。
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
黒獅子の愛でる花
なこ
BL
レノアール伯爵家次男のサフィアは、伯爵家の中でもとりわけ浮いた存在だ。
中性的で神秘的なその美しさには、誰しもが息を呑んだ。
深い碧眼はどこか憂いを帯びており、見る者を惑わすと言う。
サフィアは密かに、幼馴染の侯爵家三男リヒトと将来を誓い合っていた。
しかし、その誓いを信じて疑うこともなかったサフィアとは裏腹に、リヒトは公爵家へ婿入りしてしまう。
毎日のように愛を囁き続けてきたリヒトの裏切り行為に、サフィアは困惑する。
そんなある日、複雑な想いを抱えて過ごすサフィアの元に、幼い王太子の世話係を打診する知らせが届く。
王太子は、黒獅子と呼ばれ、前国王を王座から引きずり降ろした現王と、その幼馴染である王妃との一人息子だ。
王妃は現在、病で療養中だという。
幼い王太子と、黒獅子の王、王妃の住まう王城で、サフィアはこれまで知ることのなかった様々な感情と直面する。
サフィアと黒獅子の王ライは、二人を取り巻く愛憎の渦に巻き込まれながらも、密かにゆっくりと心を通わせていくが…
囚われた元王は逃げ出せない
スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた
そうあの日までは
忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに
なんで俺にこんな事を
「国王でないならもう俺のものだ」
「僕をあなたの側にずっといさせて」
「君のいない人生は生きられない」
「私の国の王妃にならないか」
いやいや、みんな何いってんの?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる