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六月二十七日月曜日 晴れ時間「ライバル」
6/27晴れ③
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家までもうすぐの三叉路の真ん中で、桜庭ファミリーが立っていた。
真ん中に桜庭さん、向かって左には眼鏡をかけたショートボブの紀平さん。右にはカノンちゃんより背も高く体格のいい瀬良さん、いつもこの三人は一緒だ。
あれは絶対私のことを待ち伏せしてるんだ。
そう気づいて引き返したくなったけれど、そうしたら負けな気がする。
無視してやり過ごそうとしたら。
「柴田さん、一緒に帰ろ?」
瀬良さんが私の腕に絡まってきた。
「ね? たまには、私たちと帰ろうよ? 今日はカノンいないんでしょ?」
紀平さんも同じように反対の腕に手を絡めてきた。
「じゃあ、行こっか?」
桜庭さんがニッと笑って背中を向けて歩きだすと、瀬良さんと紀平さんは私を間にはさんだまま、その後を追う。
有無を言わせてもらうことなく、家の近所の神社まで連れて来られてしまった。
少し高台になっているここは、滅多に人も通らない。
つまりは通りすがりの人に助けを乞うこともできないわけだ。
困ったなあ。
「どうして柴田さんはそんなに出しゃばりなの?」
突然、今日の昼間の続きが始まったようだ。
瀬良さんが口火を切ると、紀平さんもそれに便乗してる。
「本当よね! 柴田さんが転校してこなきゃ、全ての教科はキラがトップだったのに。あと、体育? 徒競走でキラ以外の他の男子に勝てたからって調子にのんないでくれる?」
「のってないよ! ねえ、桜庭さん? 私、桜庭さんの気に障る様なことしたかな?」
さっきから腕を組み、自分一人だけ黙って他の二人に代弁させているような桜庭さんの態度に苛立っていた。
だって、こんなことさせてるのは桜庭さんに違いないんだもん。
当の桜庭さんは、呆れたようにため息をついてから、やっと口を開いた。
「学校で言ったよね? その目立つ制服、どうにかならないわけ? 近所の人に言えば制服のおさがりくらい手に入るはずよ? なのに、あなたはずっとここで三ヶ月『私は東京の私立中学から来た特別な子なの』ってアピールしてるんでしょ? 自分は特別な子だって、そう思ってない?」
「っ、そんなこと」
「あなたが転校してこなきゃ、テストのトップはキラで、二位が私だったの。小学校を始め、中間テストまではずっとそうだったの。そう決まってたの! なのに、なんで? 私、必死に勉強したのに! 田舎の学校って、レベル低いなって、そう思ってるでしょ!」
理不尽な八つ当たりに首を横に振っても、桜庭さんは尚も続けた。
「大体、あなたのお母さんって、元々からシングルマザーなんだってね? 誰の子かもしれない子を生んだから町にいられなくなったって聞いたよ? そういう人と同じ教室なんて、迷惑なの。それに、噂で聞いてるよ? あんたはお母さんに捨てられて、おばあちゃん家に来たんだって。本当は三ヶ月なんて嘘なんじゃないの?」
「違う! 誰がそんなこと言ってるの!?」
「誰が? 町の人、みーんなが、そう噂してる! 柴田の真希さんもさぞかし迷惑だろうねって。ねえ、三ヶ月と言わず、東京に帰れば? 私、毎日、毎日、柴田さんの顔を見るとムカつくの。キラと気軽に話さないでよ!」
目の前がかすんでくる。だけど、こんな人の前で泣きたくなんかない。
悔しさを閉じ込めるように、奥歯をかみ合わせて、早足で彼女たちの前を立ち去る。
「待ちなさいよ、まだ話は終わってない」
その言葉をきっかけにして、私は全力で走り出す。
追いつかれないように走って、家についた私を出迎えてくれたのは、ノビルだった。
真ん中に桜庭さん、向かって左には眼鏡をかけたショートボブの紀平さん。右にはカノンちゃんより背も高く体格のいい瀬良さん、いつもこの三人は一緒だ。
あれは絶対私のことを待ち伏せしてるんだ。
そう気づいて引き返したくなったけれど、そうしたら負けな気がする。
無視してやり過ごそうとしたら。
「柴田さん、一緒に帰ろ?」
瀬良さんが私の腕に絡まってきた。
「ね? たまには、私たちと帰ろうよ? 今日はカノンいないんでしょ?」
紀平さんも同じように反対の腕に手を絡めてきた。
「じゃあ、行こっか?」
桜庭さんがニッと笑って背中を向けて歩きだすと、瀬良さんと紀平さんは私を間にはさんだまま、その後を追う。
有無を言わせてもらうことなく、家の近所の神社まで連れて来られてしまった。
少し高台になっているここは、滅多に人も通らない。
つまりは通りすがりの人に助けを乞うこともできないわけだ。
困ったなあ。
「どうして柴田さんはそんなに出しゃばりなの?」
突然、今日の昼間の続きが始まったようだ。
瀬良さんが口火を切ると、紀平さんもそれに便乗してる。
「本当よね! 柴田さんが転校してこなきゃ、全ての教科はキラがトップだったのに。あと、体育? 徒競走でキラ以外の他の男子に勝てたからって調子にのんないでくれる?」
「のってないよ! ねえ、桜庭さん? 私、桜庭さんの気に障る様なことしたかな?」
さっきから腕を組み、自分一人だけ黙って他の二人に代弁させているような桜庭さんの態度に苛立っていた。
だって、こんなことさせてるのは桜庭さんに違いないんだもん。
当の桜庭さんは、呆れたようにため息をついてから、やっと口を開いた。
「学校で言ったよね? その目立つ制服、どうにかならないわけ? 近所の人に言えば制服のおさがりくらい手に入るはずよ? なのに、あなたはずっとここで三ヶ月『私は東京の私立中学から来た特別な子なの』ってアピールしてるんでしょ? 自分は特別な子だって、そう思ってない?」
「っ、そんなこと」
「あなたが転校してこなきゃ、テストのトップはキラで、二位が私だったの。小学校を始め、中間テストまではずっとそうだったの。そう決まってたの! なのに、なんで? 私、必死に勉強したのに! 田舎の学校って、レベル低いなって、そう思ってるでしょ!」
理不尽な八つ当たりに首を横に振っても、桜庭さんは尚も続けた。
「大体、あなたのお母さんって、元々からシングルマザーなんだってね? 誰の子かもしれない子を生んだから町にいられなくなったって聞いたよ? そういう人と同じ教室なんて、迷惑なの。それに、噂で聞いてるよ? あんたはお母さんに捨てられて、おばあちゃん家に来たんだって。本当は三ヶ月なんて嘘なんじゃないの?」
「違う! 誰がそんなこと言ってるの!?」
「誰が? 町の人、みーんなが、そう噂してる! 柴田の真希さんもさぞかし迷惑だろうねって。ねえ、三ヶ月と言わず、東京に帰れば? 私、毎日、毎日、柴田さんの顔を見るとムカつくの。キラと気軽に話さないでよ!」
目の前がかすんでくる。だけど、こんな人の前で泣きたくなんかない。
悔しさを閉じ込めるように、奥歯をかみ合わせて、早足で彼女たちの前を立ち去る。
「待ちなさいよ、まだ話は終わってない」
その言葉をきっかけにして、私は全力で走り出す。
追いつかれないように走って、家についた私を出迎えてくれたのは、ノビルだった。
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