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六月二十八日火曜日 虹色の雨「おばあちゃんの正体」
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ブルブルと震えるスマホをぼんやりと見つめて、ストップをタップした。
耳をすませば、おばあちゃんが裏口から出て行く音がした。
眠い目を必死に擦って、スマホ時計を確認すると午前四時半。
このくらいだろうと目覚ましをかけたものの、おばあちゃんまだほぼ夜中だよ。
カーテンの隙間から覗いた空には、地平線の下から白く夜を追い出すような光が射しこみ始めていた。
ノソノソと起き上がって着替えてから、朝の肌寒さに気づいてパーカーを羽織る。
フードを目深にかぶった私は今や、探偵の張り込みに行く気分だ。
中庭を覗くと犬小屋には、まだ眠っているノビルの姿があった。
夕べは色々と振り回しちゃったし、疲れてるんだろうな、ごめんね。
それにしても、ノビルはおばあちゃんの前では『ただの飼い犬』を装う。
だから、あれきりノビルとは話せていない。
【明日の朝、真希ちゃんが畑に水を撒くところを見てこい。そしたら、真希ちゃんがすごい魔女だってことがわかるはずだ】
ノビルと話せたことが夢じゃないならば、畑に行けばわかるはずだ。
音を立てないように、裏口から出ると静かに外の空気を吸い込んだ。
雨上がりの少しじめっとまとわりつく外気。
肌寒いのに湿気があるのは、夕べ止んだ雨がまだ乾ききらないからだろうか。
まだ土に湿り気もあるのに、こんな日にまでおばあちゃんは水やりをするの?
ほんの十分で空は明るさを増し、優しいグラデュエーションを作り朝を迎えていた。
少し高台にある畑、気づかれぬようにかがんで見上げた。
おばあちゃんは作業をしていなかった。
ただ畑のど真ん中で両手を胸の前で組み合わせている。
まるでお祈りをしているような仕草をしばらくしていたかと思うと、今度は空に向かって万歳をするようにパッと大きく両手をあげる。
「え、」
漏れ出た声に慌てて自分の口を塞ぐ。
あれは、なに?
おばあちゃんを避けるようにして、畑一体に降り注ぐ虹色の、雨?
何か優しい声で歌っていたおばあちゃん、畑全体に降り注いだ虹色の雨は止んで。
「んんんんんん!!!」
おばあちゃんが手にした籠に、あちらこちらからお野菜が降って来る。
まるで踊るようにして、降ってきたお野菜を、嬉しそうに迎えるおばあちゃん。
「うそ、だ……」
まるで夢でも見ている気分になった私は、足元で動いている何かに気づく。
「え、え、え、いやああああああああああああああああ」
朝の畑に私の声が響き渡った。
耳をすませば、おばあちゃんが裏口から出て行く音がした。
眠い目を必死に擦って、スマホ時計を確認すると午前四時半。
このくらいだろうと目覚ましをかけたものの、おばあちゃんまだほぼ夜中だよ。
カーテンの隙間から覗いた空には、地平線の下から白く夜を追い出すような光が射しこみ始めていた。
ノソノソと起き上がって着替えてから、朝の肌寒さに気づいてパーカーを羽織る。
フードを目深にかぶった私は今や、探偵の張り込みに行く気分だ。
中庭を覗くと犬小屋には、まだ眠っているノビルの姿があった。
夕べは色々と振り回しちゃったし、疲れてるんだろうな、ごめんね。
それにしても、ノビルはおばあちゃんの前では『ただの飼い犬』を装う。
だから、あれきりノビルとは話せていない。
【明日の朝、真希ちゃんが畑に水を撒くところを見てこい。そしたら、真希ちゃんがすごい魔女だってことがわかるはずだ】
ノビルと話せたことが夢じゃないならば、畑に行けばわかるはずだ。
音を立てないように、裏口から出ると静かに外の空気を吸い込んだ。
雨上がりの少しじめっとまとわりつく外気。
肌寒いのに湿気があるのは、夕べ止んだ雨がまだ乾ききらないからだろうか。
まだ土に湿り気もあるのに、こんな日にまでおばあちゃんは水やりをするの?
ほんの十分で空は明るさを増し、優しいグラデュエーションを作り朝を迎えていた。
少し高台にある畑、気づかれぬようにかがんで見上げた。
おばあちゃんは作業をしていなかった。
ただ畑のど真ん中で両手を胸の前で組み合わせている。
まるでお祈りをしているような仕草をしばらくしていたかと思うと、今度は空に向かって万歳をするようにパッと大きく両手をあげる。
「え、」
漏れ出た声に慌てて自分の口を塞ぐ。
あれは、なに?
おばあちゃんを避けるようにして、畑一体に降り注ぐ虹色の、雨?
何か優しい声で歌っていたおばあちゃん、畑全体に降り注いだ虹色の雨は止んで。
「んんんんんん!!!」
おばあちゃんが手にした籠に、あちらこちらからお野菜が降って来る。
まるで踊るようにして、降ってきたお野菜を、嬉しそうに迎えるおばあちゃん。
「うそ、だ……」
まるで夢でも見ている気分になった私は、足元で動いている何かに気づく。
「え、え、え、いやああああああああああああああああ」
朝の畑に私の声が響き渡った。
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