侯爵令嬢は悪役だったようです

Alice

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 レオンハルト様が危惧きぐしたとおりに、事後処理が大変だったと聞かされております。



 息子達の責任を取る為に、爵位と職を返上しようとする宰相、騎士団長、魔術師長達の説得とか、婚約していた令嬢の家が結託して逆婚約破棄を企てていた事が発覚し、仲介役として王家を挟んだ話し合いをもって白紙という落とし所で納得させ、慰謝料として領地を譲渡する事になったり。
 
 ついでにレオンハルト様を陥れようと陰謀を企てたり、悪事を働いた貴族達の処分なども同時進行で行われました。
 


 事後処理でぐったりしていたレオンハルト様からお聞きしていたのですが、あの三人はわたくしに対する不敬罪に、レオンハルト様の命令を無視して逃げたり放棄したのが反逆罪に当たる為に、廃嫡からの勘当。彼等個人の爵位剥奪はくだつの処分が降される事となったそうです。


 レオンハルト様も反省と今後の行い次第での減刑を求めてみたようですが、大変ご立腹された宰相や騎士・魔術団長は貴族の矜恃きょうじもない者は不要とか今から再教育しても遅すぎると言って耳を貸さない状況だったそうです。

 つまり、平民落ちされております。

 





 因みにローズさんは、シルヴェスト様、ガドウィン様、アーシェス様の処理と他の貴族の方の処分に追われた為にとりあえず修道院に放り込んでおけとの処分になっております。小物扱いですわね。
 一応、未だに男爵家に籍はありますし、あの三人に助けられましたわね。



「あたし、そんなつもりはなかったの。だって、気づいたらゲームの世界であたしがヒロインなら攻略しなきゃって思ったのよ。折角、自分が主役の世界に生まれたんだもん。格好良くて金持ちの男捕まえて幸せになりたかっただけなのに」

 
 それなりに愛情がある故の後悔ではなくて、言い訳ですの?
 考えなしに自分の欲望だけで他人を不幸にしていらっしゃっておいて。




「自分が主役なら、婚約者のいる男性を奪っていいとでも?」


「どーせ上手くいってなかったんでしょ。じゃなきゃ攻略出来ないでしょ、あんた達みたいに」


「上手くいくいかないじゃないの。家の為に婚姻するのよ。クローブ家に領地があるかは存じ上げませんが、貴族の婚姻では結びつきにより家を強くするもの。それによって領地が潤う事もある。どうしてもというなら愛妾になれば良かったのです」


「奥さんと愛人、二人持つとか浮気とかする男無理。あたしは一途で溺愛してくれる人がいいの。後、働きたくないからお金のある人ね」


 本当に呆れますわね。この方は何一つ変わってないのですね。




「婚約者が居ながら、親密になっている時点で浮気でしょ。いくら攻略した所で浮気男なのは変わらないわ。妾になるのは決して悪い事ではない。政略結婚でない分愛情をかけていただけるし、正妻と仲が良い方もおりますもの。二人でお互いの子を育てている方もいます」
 
 
「そう言われたら愛人でも良かったのかなぁ。でも、愛人っておっさんとかジジイってイメージしかない。やっぱりハッピーエンド目指したいし」



「もし、レオンハルト殿下やシルヴェスト様達と結ばれたとしましょう。お妃教育や公爵夫人としての教育を数年で叩き込まなきゃならないんですの。そういう覚悟はお持ちで?」

 無いとは思いますけど、一応お聞きしますわね。




「前世で学校で勉強してたんだから、楽勝とは言わないけど暗記得意だし。とりあえず貴族の名前を覚えて食事のマナーとかダンスを覚えたらいいんでしょ?後はお茶会だっけ?結婚してから残り覚えたらいいじゃん」
 


「だから、学園では何も学んでいなかったのですか?」


「ゲームのローズ・クローブは攻略者にとって明るく天真爛漫でみんなの天使だったの。ローズのスレてない態度に惹かれていって、高慢こうまんで口煩い悪役令嬢から守ってあげたいって思われてる。そこらの貴族と同じ事していたらイベントなんて発生しないわ。攻略者に、大変なのに努力してすごいねとか、頼れる人はあなただけだよって言ってあげるのがヒロインなのよ。それに攻略するのに忙しくて勉強してる暇なかったし。あちこち歩いてイベント回収しなきゃならなかったの」




 ゲーム感覚で人の人生を狂わせておいて、何も覚悟のない無責任な言葉しかこの方からは出てこないのね。




「ローズさん、今の心構えで誰かと結婚したら下手したら殺されますわよ」

 

「はぁ?いくらなんでもないわ」


「ありますわよ。もしわたくしが王妃で王太子が貴女を婚約者にすると告げてきたら、暗殺させますわ」

 
 
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