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160.誰が為に鐘は鳴る⑯藤澤視点
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性急にその白い肌に触れたくて、頰に軽く口付けると、ピクリと彼女の身体が震えた。
「...っ」
ため息に似た甘い声を漏らすその唇に触れたくて、逃がすまいと腰を抱き、食んでゆく。最初はなんとか余裕があった。だが、彼女の身体を開けば開くほど、呼吸が忙しなく乱れ、以前のままの彼女の肢体の乱れようにいつの間にか俺の方が貪るように夢中になっている。
愛する女性とする行為がこれほどの快楽だと思いもよらなかった。
自分がこんなにも堪え性がないとは知らなかった。
ずっと我慢していたどうしようもない気持ちの昂りと、隔たりがなく交わることのあり得ないほどの快楽。そして、また、自らの手で彼女に女性としての悦びを与えられる幸せ。その狭間、愛し合っている最中の優里が涙ぐんでるのに気がつき、俺は宥めるように彼女の頬を撫でる。
「辛い...?」
「い、いえ、藤澤さんと一緒にいられるのが嬉しくて...夢、みたいで」
プルプルと小刻みに震える彼女を見て、グッと胸にくるものがあった。
「...あぁ、それなら俺も同じ気持ちだよ」
感情が昂ぶって感極まると、人というものは涙が出そうになる事を初めて知った。
彼女の身も心も、すべて。
俺は手に入れた何もかもが愛おしい。
※※※
...ん。
深い眠りに陥っても、ふと、弾みで意識が覚醒することがある。今もそれと同じ感じだと思われたのだが頰に違和感を感じた。それは想像の範疇でしかなかったが、撫でられているようなそんな感覚。いつもは覚醒しても目を開けることなく再び眠りにつくのだが、この時は薄眼を開けた。すると、俺の腕の中で寝ていたはずの優里とバッチリと目が合う。
「...眠れない?」
「少し、目が冴えてしまって...」
そんな事を話す彼女の手は、俺の顔のすぐ近くにある。
「...顔に何かついていた?」
「いえ...指輪が綺麗だったので指をかざして見ていました。多分、その時...」
そういう彼女の左手には、俺が嵌めたリングが光ったまま。そこで彼女の指が俺の頰に触れていたのだと、分かった。指輪自体、1度も彼女にあげたことがなかったから、貰ったのがよほど嬉しかったのだろう。彼女の左手を自分の方に向け、送った指輪をまじまじと眺めてみる。それはどこにでもあるシンプルなリング。特別視してもらうのはありがたいが、彼女の態度がどことなくこそばゆい。
「...指輪が嬉しい?」
そんな分かりきった質問に優里は躊躇なく。
「はい。私には、一生、縁がないと思っていたので」
「なんで、一生...?」
指輪くらいで大げさなと思われたのだが、自ら墓穴を掘ってしまったのに気がついた。
「...ごめん、俺が長い間待たせたから」
「い、いえ、そういう意味じゃ...本当に綺麗ですよね」
俺が肩を落とすと優しい彼女はフォローのつもりかリングを大袈裟に左右に振って無邪気に笑う。俺は目の前で動くその彼女の左手を捕まえた。
「本当、間に合って良かった。俺も会うまでこの左手に指輪が嵌っていたらどうしようかと」
つい、本心を漏らしてしまった俺に、彼女は先ほどとはうって変わり、少々、頬を膨らませる。
「...なんですか、それ。それを言うなら私だって、最初、ショックでした」
はい、それはごもっともなご意見で。優里の言い分の方が正しい。ごめんと素直に謝ると、彼女は珍しく俺の頭を撫でる。
「でも、ちゃんと誤解を解きに来てくれたから、許します」
彼女の言葉に真摯に反省したというのに、その仕草に堪らなかった。
「本当に可愛いな、もうっ!」
また、彼女に覆いかぶさるように抱きつくと、泣く子も黙る丑三つ時だというのに、結構、見境なく、イチャついた。彼女のスベスベのその白い肌が目の前にあるからいけないのだと、心の中で言い訳をしつつ。いろいろな意味での反動が出たのだと思われる。
それから彼女の部屋で夜を過ごし、一旦、自分の部屋へと戻ってきた。昨夜は鬱々と過ごしたこの部屋も、彼女の部屋から戻って来れば気の持ちようで別の部屋のよう思える。朝駆けにシャワーを浴びると先ほどの気だるさが抜け、心身ともにサッパリした。バスタオルを頭に被ったまま浴室から出ると、夏間近の朝陽が煌々と差しているのに気がつきカーテンを開ける。
「今日も晴れ、か」
また、日中は暑くなりそうな天気だった。そして、優里とは朝食のブッフェ会場で落ち合い、彼女と同じテーブルで一緒に食事を楽しむ。途中、お邪魔虫の田山の登場もあり散々冷やかされた。それは身から出た錆なので多少の事は目をつぶるとようやく食後のコーヒーにありつける。俺は頬杖をつきながらつい、彼女を目で追ってしまう。すると視線に気がついた優里は見るのは止めてくれと訴えてくる。それには異を唱えた。
「あのさ、俺たちこれから結婚するんだし。一緒に住むことになるんだよ?いい加減、見られるのに慣れて欲しい。俺だって包み隠さず見られるだろうし」
なんて、正論ぽく言ってはみたが、要は彼女の事を眺めていたいだけなのだ。俺と違って屁理屈を言えない彼女は「それはその...」と口籠ってしまい困っていたので、仕方なく外に目を向ける。窓から見た外の景色は、穏やかで清々しい陽射しが自然に降り注ぎ、それはそれは気持ちが良さそうだ。
「まだ、帰るのには時間があるから海の方へ行ってみない?」
景色を見ていたら外に出たくなった。せっかくなので優里も誘うと彼女は二つ返事で喜んだ。
散歩したのは海に面した遊歩道。
その道は学生の時に歩いた事がある。
こちらからはちょうど今泊まったいるホテルが見え、当時、サーフボードを抱えながら1人で眺めていた。その道を女性と2人で手を繋いで歩いているという現実は、実に感慨深い。
「すごい久しぶりにここを歩いたな、ここ...」
「前にも歩いていたことがあるんですか?」
「うん。でも、大学の時以来だから、かれこれ、10年以上前...」
「そんなに前ですか!?あ、その時、もしかしてここから、あのホテルを?」
「当たり。俺が話していたことをよく覚えていたね」
俺が以前に話していたことを彼女は忘れずにずっと覚えていてくれた。
それが無性に嬉しく、爽やかな波風を身体に受けながら、昔、話していたことや、訪れた場所など、2人で1つ1つ回想する。
「あそこに行ったね」「あんなの食べたね」「あそこが楽しかったね」
その作業は、離れていた間いかにお互いのことを忘れていなかったと再確認するにはとても役に立った。結局、2人とも殆どの出来事を覚えており、互いの顔を見合わせ、照れ笑いをしてしまう。
こんな風に、再び優里と思い出話を話せるようになるとは夢にも思わなかった。
それなのに今はこれからの将来の事を躊躇わずに彼女と話すことができる。
「今度は3人でここに来たいなぁ。この砂浜で遊んだりもしたいし」
「3人...ですか?」
「そう。俺と優里と2人の間に生まれた子供と3人でね」
これは俺の勝手な未来予想図なので子供は出来たら嬉しいし、出来なくとも構わない。
ありふれたどこにでもある家庭を今までは自分が築けるとは決して思っていなかったから。
そんな風に未来を思えるような君と出会えた運命に感謝をしたい。
だから、これからは一生をかけてずっと君だけを愛することを誓うよ。
【終わり】
「...っ」
ため息に似た甘い声を漏らすその唇に触れたくて、逃がすまいと腰を抱き、食んでゆく。最初はなんとか余裕があった。だが、彼女の身体を開けば開くほど、呼吸が忙しなく乱れ、以前のままの彼女の肢体の乱れようにいつの間にか俺の方が貪るように夢中になっている。
愛する女性とする行為がこれほどの快楽だと思いもよらなかった。
自分がこんなにも堪え性がないとは知らなかった。
ずっと我慢していたどうしようもない気持ちの昂りと、隔たりがなく交わることのあり得ないほどの快楽。そして、また、自らの手で彼女に女性としての悦びを与えられる幸せ。その狭間、愛し合っている最中の優里が涙ぐんでるのに気がつき、俺は宥めるように彼女の頬を撫でる。
「辛い...?」
「い、いえ、藤澤さんと一緒にいられるのが嬉しくて...夢、みたいで」
プルプルと小刻みに震える彼女を見て、グッと胸にくるものがあった。
「...あぁ、それなら俺も同じ気持ちだよ」
感情が昂ぶって感極まると、人というものは涙が出そうになる事を初めて知った。
彼女の身も心も、すべて。
俺は手に入れた何もかもが愛おしい。
※※※
...ん。
深い眠りに陥っても、ふと、弾みで意識が覚醒することがある。今もそれと同じ感じだと思われたのだが頰に違和感を感じた。それは想像の範疇でしかなかったが、撫でられているようなそんな感覚。いつもは覚醒しても目を開けることなく再び眠りにつくのだが、この時は薄眼を開けた。すると、俺の腕の中で寝ていたはずの優里とバッチリと目が合う。
「...眠れない?」
「少し、目が冴えてしまって...」
そんな事を話す彼女の手は、俺の顔のすぐ近くにある。
「...顔に何かついていた?」
「いえ...指輪が綺麗だったので指をかざして見ていました。多分、その時...」
そういう彼女の左手には、俺が嵌めたリングが光ったまま。そこで彼女の指が俺の頰に触れていたのだと、分かった。指輪自体、1度も彼女にあげたことがなかったから、貰ったのがよほど嬉しかったのだろう。彼女の左手を自分の方に向け、送った指輪をまじまじと眺めてみる。それはどこにでもあるシンプルなリング。特別視してもらうのはありがたいが、彼女の態度がどことなくこそばゆい。
「...指輪が嬉しい?」
そんな分かりきった質問に優里は躊躇なく。
「はい。私には、一生、縁がないと思っていたので」
「なんで、一生...?」
指輪くらいで大げさなと思われたのだが、自ら墓穴を掘ってしまったのに気がついた。
「...ごめん、俺が長い間待たせたから」
「い、いえ、そういう意味じゃ...本当に綺麗ですよね」
俺が肩を落とすと優しい彼女はフォローのつもりかリングを大袈裟に左右に振って無邪気に笑う。俺は目の前で動くその彼女の左手を捕まえた。
「本当、間に合って良かった。俺も会うまでこの左手に指輪が嵌っていたらどうしようかと」
つい、本心を漏らしてしまった俺に、彼女は先ほどとはうって変わり、少々、頬を膨らませる。
「...なんですか、それ。それを言うなら私だって、最初、ショックでした」
はい、それはごもっともなご意見で。優里の言い分の方が正しい。ごめんと素直に謝ると、彼女は珍しく俺の頭を撫でる。
「でも、ちゃんと誤解を解きに来てくれたから、許します」
彼女の言葉に真摯に反省したというのに、その仕草に堪らなかった。
「本当に可愛いな、もうっ!」
また、彼女に覆いかぶさるように抱きつくと、泣く子も黙る丑三つ時だというのに、結構、見境なく、イチャついた。彼女のスベスベのその白い肌が目の前にあるからいけないのだと、心の中で言い訳をしつつ。いろいろな意味での反動が出たのだと思われる。
それから彼女の部屋で夜を過ごし、一旦、自分の部屋へと戻ってきた。昨夜は鬱々と過ごしたこの部屋も、彼女の部屋から戻って来れば気の持ちようで別の部屋のよう思える。朝駆けにシャワーを浴びると先ほどの気だるさが抜け、心身ともにサッパリした。バスタオルを頭に被ったまま浴室から出ると、夏間近の朝陽が煌々と差しているのに気がつきカーテンを開ける。
「今日も晴れ、か」
また、日中は暑くなりそうな天気だった。そして、優里とは朝食のブッフェ会場で落ち合い、彼女と同じテーブルで一緒に食事を楽しむ。途中、お邪魔虫の田山の登場もあり散々冷やかされた。それは身から出た錆なので多少の事は目をつぶるとようやく食後のコーヒーにありつける。俺は頬杖をつきながらつい、彼女を目で追ってしまう。すると視線に気がついた優里は見るのは止めてくれと訴えてくる。それには異を唱えた。
「あのさ、俺たちこれから結婚するんだし。一緒に住むことになるんだよ?いい加減、見られるのに慣れて欲しい。俺だって包み隠さず見られるだろうし」
なんて、正論ぽく言ってはみたが、要は彼女の事を眺めていたいだけなのだ。俺と違って屁理屈を言えない彼女は「それはその...」と口籠ってしまい困っていたので、仕方なく外に目を向ける。窓から見た外の景色は、穏やかで清々しい陽射しが自然に降り注ぎ、それはそれは気持ちが良さそうだ。
「まだ、帰るのには時間があるから海の方へ行ってみない?」
景色を見ていたら外に出たくなった。せっかくなので優里も誘うと彼女は二つ返事で喜んだ。
散歩したのは海に面した遊歩道。
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「すごい久しぶりにここを歩いたな、ここ...」
「前にも歩いていたことがあるんですか?」
「うん。でも、大学の時以来だから、かれこれ、10年以上前...」
「そんなに前ですか!?あ、その時、もしかしてここから、あのホテルを?」
「当たり。俺が話していたことをよく覚えていたね」
俺が以前に話していたことを彼女は忘れずにずっと覚えていてくれた。
それが無性に嬉しく、爽やかな波風を身体に受けながら、昔、話していたことや、訪れた場所など、2人で1つ1つ回想する。
「あそこに行ったね」「あんなの食べたね」「あそこが楽しかったね」
その作業は、離れていた間いかにお互いのことを忘れていなかったと再確認するにはとても役に立った。結局、2人とも殆どの出来事を覚えており、互いの顔を見合わせ、照れ笑いをしてしまう。
こんな風に、再び優里と思い出話を話せるようになるとは夢にも思わなかった。
それなのに今はこれからの将来の事を躊躇わずに彼女と話すことができる。
「今度は3人でここに来たいなぁ。この砂浜で遊んだりもしたいし」
「3人...ですか?」
「そう。俺と優里と2人の間に生まれた子供と3人でね」
これは俺の勝手な未来予想図なので子供は出来たら嬉しいし、出来なくとも構わない。
ありふれたどこにでもある家庭を今までは自分が築けるとは決して思っていなかったから。
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だから、これからは一生をかけてずっと君だけを愛することを誓うよ。
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