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77.I cherish you.②
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楽しく食事を終え、お手洗いに行っている間に彼はスマートに会計を済ませてくれていた。今日もなかなか自分の分を支払わせてはもらえそうになく。「いいからいいから」と見せられたものがあった。
「少し、ここに寄り道をしてみようか?」
そういって見せられたものの意味を尋ねる。
「それ...は?」
「今日は優里とここに泊まろうと思って、予約しておいたんだ」
...こ、ここに泊まるんですか!?しかも、今からですか??
ルームキーの出所を聞いて困惑して、みるみるうちに紅潮してゆくのが自分でも分かったけれど、彼の提案に黙って頷いた。藤澤さんが私の為にいろいろ考えてくれたことがすごく嬉しかったのだ。
ただ、行くことに対しては緊張してしまい、黙ってしまった私は彼に肩を抱かれるようにして部屋へと導かれた。
「中へどうぞ」
鍵を開けた彼から先に中へと促される。すぐさま奥の大きな窓から見える眺めに心が弾んだけれど、部屋の中心に大きく鎮座する物体を見て、身体が自分の意志とは関係なく硬直した。
戸惑う私の数メートル視線の先には綺麗にベッドメイキングをされたベッドが2つ。これを見てこの先の展開を意識しまったのは言うまでもなかった。
「優里?」
「あ、あの...」
背後から声をかけられてもなんと答えていいのやら。きっと勘のいい彼も私が固まってしまった理由は気が付いているはずで、少し私の様子をうかがっていたであろう彼の方から。
「そんなに緊張しなくても、ね?」
優しく声をかけられたと同時に無防備だった背中の中心をつつーっと一直線になぞられる感覚が走る。それにはたまらず身体がびくっと大きく反応し、自分でも信じられないような変な声が上がる。
「ひゃんっ!」
それだけで済めばよかったけれど、元来、運動音痴な私は反動で前につんのめりベッドへ勢い余ってダイブ!
「きゃぁっ!」
持っていたものはすべて放りなげるという、まさかの二次被害が発生だった。
「大丈夫!?」
一部始終を見ていた藤澤さんは慌てて私に駆けよってきてくれたけれど、顔だけ向けて涙目のまま訴える。
「ふ、藤澤...さぁ..ん....、なに...いま?」
「ごめん、ちょっとやりすぎっ...た!」
私の身体を起こしてくれながらも、彼は笑うのを必死でかみ殺しているのが分かってしまい、流石にそれには抗議した。
「もうっ、笑いすぎ...です!」
「ごめんごめん。そんなつもりじゃなかったんだけどね。まさか、あんな...風に」
彼はそれでも笑うのを堪え、私の放り出してしまったバッグと紙袋を拾い上げてくれる。
私は渡された紙袋の中身の方だけを心配して。
...チョコレート。
確認すると見た目には大丈夫そうだったのでホッとしていると、彼にも。
「中身、大丈夫?」
「ええ、まぁ...」
渡す前に中身を知られるのがばつが悪く、言葉を濁しているとそれは難なくバレていた。
「それは良かった。わざわざ持ってきてくれたチョコだしね」
「...ご存知だったんですか?」
「うん。とても大事そうに抱えていたし。もらえる事も期待していたから。なんなら、今、もらってもいいかな?」
「ど、どうぞ...」
私は無事だった紙袋を両手で差し出し、彼は目の前で中身を取り出して怪訝な顔をする。
「2つも...?」
そんな彼の問いには、仕方なく。
「一つは...昨日渡せなかった義理チョコなんです」
私に言われて箱を見た彼は納得したみたいで。二つの箱を交互に見ながら口元を緩めてくれた。
「...どうもありがとう。優里からのチョコがどんなチョコよりも1番欲しかったから、嬉しいよ」
「そんな...大袈裟です」
藤澤さんは私の顔が赤くなることをサラッといい、2つとも、今、食べるには勿体ないと部屋に備え付けの冷蔵庫にしまっていた。それから、徐に彼は奥に歩き窓際に立った。その場所に私も呼ぶ。
「優里、ちょっとこっちに来てごらん」
この頃には私のガチガチの緊張も解けており、ベッドが大きく鎮座している部屋の中を動くのに躊躇しなかった。 言われた通り窓際に立つと、藤澤さんの腕が背後から回ってきて、彼の腕の中にすっぽりと私の身体が収まる。
「ふじ...さわ...さ...ん...?」
顔だけ動かすと、彼はまっすぐ海の方を見ていた。
「ここから見える海も...綺麗だと思うよ」
私は腕を振りほどく事をせずに「はい」と小さく返事をすると、彼は私の右肩に顎を乗せる。その時の彼の目線は私と同じくらいの高さになった。
「あれ、見える?」
彼に目の前に指さされて見えたのは海辺沿いに伸びるもの。ちらほら、人が通るのが見えたので。
「何かの...道ですよね?」
自信なさげに言う私の耳元で、彼は私を見ることなくまっすぐ前に据えたまま教えてくれた。
「うん。あれは遊歩道。実はあの道は大学の頃よく通っててね」
「この辺りにお住まいだったんですか?」
彼から学生時代の話を殆ど聞くことがなかったので私には新鮮だったけれど、彼の方はどうやら私に伝えたいことがあるらしい。
「いや、違うんだ。ほら、もっと遊歩道を歩いている人をよく見てごらん?」
改めてみると、寒い冬なので裸ではない人たちが何かを持って、ちょうどその遊歩道を歩いている。
それでようやく聞かれた答えにたどり着いた。
「もしかして...サーフィンしていらしたんですか?」
「当たり。今と雰囲気が全然違うから黙っていたけれど。その...時に...わりと不特定多数の女性とも...遊んでいてね」
そうバツ悪そうに話してくれたことが、藤澤さんのイメージと重ならない。
確かにああいうものが得意な人はイメージ的にもそんな気もしたけれど、外見からして真面目なタイプの藤澤さんからは想像が全くつかなかった。
「...そんなの...信じられません」
私がすぐに否定をすると、彼は予想通りとばかりに私の手を取り、強制的に自分の耳を触らせる。
「実は当時の名残はまだ残っているんだ。ほらここに」
言われた通り、指先で耳たぶをさぐると変なへこみがあった。
「これは...?」
「ピアスの穴の痕跡。いっぱしのサーファーぶってわりと大きなシルバーのピアスをしていたから、ここだけ化膿して修復できなかったんだろうね。当時はよく海に出ていたから髪も紫外線に焼けて茶髪だったし」
「...そう..だったんですか」
へこみはピアスの穴の位置だと聞くと妙に納得する。もう過去のことなのだろうけれど、話している藤澤さんの表情が苦しそうで何も言えなくなった。もしかしたら、親しい人間以外こういうことを話したのは私だけなのではないかと思うと胸にくるものがある。彼は私が押し黙ってしまったことで、自嘲した。
「...軽蔑とかしないの?俺は優里が1番苦手で嫌いな人種だったのかもしれないのに」
彼の質問に何故?という疑問でいっぱいだった。
軽蔑とか嫌いになるとかそんな気持ちは少しも沸くわけがない私は、顔を横に振る。
「私が好きなのは今の藤澤さんですから。過去の事はどうでもいいと思います」
きっぱりと言い切った私に、はっと小さく息を漏らす藤澤さんの表情が和らぐ。
「なんか、優里には...敵わなそう」
「もう、変なこと言わないで下さい。私なんて...」
「こら。また、そうやって...自分のことを卑下しない」
「だって...」
心なしか会話が甘くなり、少し砕けた感じが私たちの距離の縮まりを感じさせた。
「俺は優里のことしか好きじゃないよ。その証拠に今日はここに連れてきたんだ。ここは特別だったから」
「私だけ...なんですか?」
その問いに彼は躊躇うことなく、優里は特別なんだ、と教えてくれた。
「だから、今日は一緒にきてくれてありがとう...」
「こちらこそ、連れてきてくれて...」
お互い感謝の言葉を言い合うとその距離の近さに、一瞬、気まずくなり、それでも...。
初めての時みたいに、触れ合うだけのキスをする。
「少し、ここに寄り道をしてみようか?」
そういって見せられたものの意味を尋ねる。
「それ...は?」
「今日は優里とここに泊まろうと思って、予約しておいたんだ」
...こ、ここに泊まるんですか!?しかも、今からですか??
ルームキーの出所を聞いて困惑して、みるみるうちに紅潮してゆくのが自分でも分かったけれど、彼の提案に黙って頷いた。藤澤さんが私の為にいろいろ考えてくれたことがすごく嬉しかったのだ。
ただ、行くことに対しては緊張してしまい、黙ってしまった私は彼に肩を抱かれるようにして部屋へと導かれた。
「中へどうぞ」
鍵を開けた彼から先に中へと促される。すぐさま奥の大きな窓から見える眺めに心が弾んだけれど、部屋の中心に大きく鎮座する物体を見て、身体が自分の意志とは関係なく硬直した。
戸惑う私の数メートル視線の先には綺麗にベッドメイキングをされたベッドが2つ。これを見てこの先の展開を意識しまったのは言うまでもなかった。
「優里?」
「あ、あの...」
背後から声をかけられてもなんと答えていいのやら。きっと勘のいい彼も私が固まってしまった理由は気が付いているはずで、少し私の様子をうかがっていたであろう彼の方から。
「そんなに緊張しなくても、ね?」
優しく声をかけられたと同時に無防備だった背中の中心をつつーっと一直線になぞられる感覚が走る。それにはたまらず身体がびくっと大きく反応し、自分でも信じられないような変な声が上がる。
「ひゃんっ!」
それだけで済めばよかったけれど、元来、運動音痴な私は反動で前につんのめりベッドへ勢い余ってダイブ!
「きゃぁっ!」
持っていたものはすべて放りなげるという、まさかの二次被害が発生だった。
「大丈夫!?」
一部始終を見ていた藤澤さんは慌てて私に駆けよってきてくれたけれど、顔だけ向けて涙目のまま訴える。
「ふ、藤澤...さぁ..ん....、なに...いま?」
「ごめん、ちょっとやりすぎっ...た!」
私の身体を起こしてくれながらも、彼は笑うのを必死でかみ殺しているのが分かってしまい、流石にそれには抗議した。
「もうっ、笑いすぎ...です!」
「ごめんごめん。そんなつもりじゃなかったんだけどね。まさか、あんな...風に」
彼はそれでも笑うのを堪え、私の放り出してしまったバッグと紙袋を拾い上げてくれる。
私は渡された紙袋の中身の方だけを心配して。
...チョコレート。
確認すると見た目には大丈夫そうだったのでホッとしていると、彼にも。
「中身、大丈夫?」
「ええ、まぁ...」
渡す前に中身を知られるのがばつが悪く、言葉を濁しているとそれは難なくバレていた。
「それは良かった。わざわざ持ってきてくれたチョコだしね」
「...ご存知だったんですか?」
「うん。とても大事そうに抱えていたし。もらえる事も期待していたから。なんなら、今、もらってもいいかな?」
「ど、どうぞ...」
私は無事だった紙袋を両手で差し出し、彼は目の前で中身を取り出して怪訝な顔をする。
「2つも...?」
そんな彼の問いには、仕方なく。
「一つは...昨日渡せなかった義理チョコなんです」
私に言われて箱を見た彼は納得したみたいで。二つの箱を交互に見ながら口元を緩めてくれた。
「...どうもありがとう。優里からのチョコがどんなチョコよりも1番欲しかったから、嬉しいよ」
「そんな...大袈裟です」
藤澤さんは私の顔が赤くなることをサラッといい、2つとも、今、食べるには勿体ないと部屋に備え付けの冷蔵庫にしまっていた。それから、徐に彼は奥に歩き窓際に立った。その場所に私も呼ぶ。
「優里、ちょっとこっちに来てごらん」
この頃には私のガチガチの緊張も解けており、ベッドが大きく鎮座している部屋の中を動くのに躊躇しなかった。 言われた通り窓際に立つと、藤澤さんの腕が背後から回ってきて、彼の腕の中にすっぽりと私の身体が収まる。
「ふじ...さわ...さ...ん...?」
顔だけ動かすと、彼はまっすぐ海の方を見ていた。
「ここから見える海も...綺麗だと思うよ」
私は腕を振りほどく事をせずに「はい」と小さく返事をすると、彼は私の右肩に顎を乗せる。その時の彼の目線は私と同じくらいの高さになった。
「あれ、見える?」
彼に目の前に指さされて見えたのは海辺沿いに伸びるもの。ちらほら、人が通るのが見えたので。
「何かの...道ですよね?」
自信なさげに言う私の耳元で、彼は私を見ることなくまっすぐ前に据えたまま教えてくれた。
「うん。あれは遊歩道。実はあの道は大学の頃よく通っててね」
「この辺りにお住まいだったんですか?」
彼から学生時代の話を殆ど聞くことがなかったので私には新鮮だったけれど、彼の方はどうやら私に伝えたいことがあるらしい。
「いや、違うんだ。ほら、もっと遊歩道を歩いている人をよく見てごらん?」
改めてみると、寒い冬なので裸ではない人たちが何かを持って、ちょうどその遊歩道を歩いている。
それでようやく聞かれた答えにたどり着いた。
「もしかして...サーフィンしていらしたんですか?」
「当たり。今と雰囲気が全然違うから黙っていたけれど。その...時に...わりと不特定多数の女性とも...遊んでいてね」
そうバツ悪そうに話してくれたことが、藤澤さんのイメージと重ならない。
確かにああいうものが得意な人はイメージ的にもそんな気もしたけれど、外見からして真面目なタイプの藤澤さんからは想像が全くつかなかった。
「...そんなの...信じられません」
私がすぐに否定をすると、彼は予想通りとばかりに私の手を取り、強制的に自分の耳を触らせる。
「実は当時の名残はまだ残っているんだ。ほらここに」
言われた通り、指先で耳たぶをさぐると変なへこみがあった。
「これは...?」
「ピアスの穴の痕跡。いっぱしのサーファーぶってわりと大きなシルバーのピアスをしていたから、ここだけ化膿して修復できなかったんだろうね。当時はよく海に出ていたから髪も紫外線に焼けて茶髪だったし」
「...そう..だったんですか」
へこみはピアスの穴の位置だと聞くと妙に納得する。もう過去のことなのだろうけれど、話している藤澤さんの表情が苦しそうで何も言えなくなった。もしかしたら、親しい人間以外こういうことを話したのは私だけなのではないかと思うと胸にくるものがある。彼は私が押し黙ってしまったことで、自嘲した。
「...軽蔑とかしないの?俺は優里が1番苦手で嫌いな人種だったのかもしれないのに」
彼の質問に何故?という疑問でいっぱいだった。
軽蔑とか嫌いになるとかそんな気持ちは少しも沸くわけがない私は、顔を横に振る。
「私が好きなのは今の藤澤さんですから。過去の事はどうでもいいと思います」
きっぱりと言い切った私に、はっと小さく息を漏らす藤澤さんの表情が和らぐ。
「なんか、優里には...敵わなそう」
「もう、変なこと言わないで下さい。私なんて...」
「こら。また、そうやって...自分のことを卑下しない」
「だって...」
心なしか会話が甘くなり、少し砕けた感じが私たちの距離の縮まりを感じさせた。
「俺は優里のことしか好きじゃないよ。その証拠に今日はここに連れてきたんだ。ここは特別だったから」
「私だけ...なんですか?」
その問いに彼は躊躇うことなく、優里は特別なんだ、と教えてくれた。
「だから、今日は一緒にきてくれてありがとう...」
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