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小休止:とある公爵家子息の独白
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「あ、お母様」
可愛い僕の妹、フローライトが嬉しそうに呟いた。
澄んだ緑色の瞳が遠くを見つめ、喜びでキラキラと煌めいている。
白金の髪が窓からの風でふわりと揺れ、丸みを帯びた頬をくすぐった。
「…うふふ、お母様、きれい」
ほぉっと、うっとりとした溜め息を吐いたフローライトは、窓に身を乗り出すようにした。
「フローライト!危ないよ」
僕は慌てて席を立ち、窓際にいたフローライトを後ろから抱き締めた。
僕はリヒト・シャッツ・シュテアネ・シルフィード。
ゾンネ王国の筆頭公爵家であるシルフィード家の長子だ。
今年の春からガイスト王国に建立されている王立魔法学院に入学する事が決まっている。
入学まで後三ヶ月しか無く、僕はシルフィード公爵家の長子として準備を怠るわけにはいかない。既に全ての教科の家庭教師からはお墨付きを頂いているけれど、毎日自主学習に励んでいる。今も自由時間ではあるけれど自主学習をしていたところだ。
僕の妹のフローライトも講義の後、自主学習をしに僕の私室を訪れていた。勉強に疲れたフローライトが窓から外を眺めていた時に、お母様の姿を発見したようだ。
僕の私室は三階にあるから、窓から落ちたら大変だ。幾らお父様から頂いた防御の付与が付いた装飾品を身に付けていても、万が一と云う事がある。
「お母様、どちらに行かれるのかちら」
フローライトは気紛れな猫のように僕の体に身を預け、可愛らしく小首を傾げながら僕を見上げた。
ああ、可愛い。何て可愛らしさだ。妖精姫と謳われているお母様似のフローライトは、幼いながらも既にその美しさで婚約の打診を数えきれない程に請けている。
全く、身の程知らずが多くて困る。僕の愛しい妹は誰にも渡さない。お嫁になんて出させ無い。お母様命のお父様も、お母様似のフローライトを他家に嫁がせるつもりは今のところなさそうで、その辺りはほっとしているが油断大敵だ。
「あの方角だから、きっと鍛練場じゃないかな?ドレスではなかったから」
僕のお母様は一般的な貴族の夫人からはかけ離れた方だ。
貴族女性はズボンなど履かないし、汗水足らして運動も土弄りもしない。高位貴族の夫人は子育ても乳母や使用人に任せ、社交界でその役割を果たすのが主流だ。
けれど、僕のお母様は病弱を理由に邸に引きこもり、社交は一切せずに公爵夫人としての日々を送っている。
僕とフローライトは、基本的にはお母様の母乳で育ち、名目上の乳母はいても子育てはお母様が主軸となって行っている。
お母様は時間の許す限りを僕達と過ごし、時には一緒に湯浴みや同じ寝台で眠る事もある。ああ、でも、湯浴みや一緒に眠る事はお父様には秘密だ。お父様のお母様への愛は子供の僕から見ても病的で、お父様はお母様がお父様以外と深く関わる事を嫌う。
まぁ、僕もお父様の血を濃く継いだからなのか、お父様の病的で執着する特性は理解出来るからお父様に対して否定的な思いを抱く事はない。時々面倒だと思う事はあるが、それは誰しもが親に対して感じる類いの反発の範囲だと思う。
「あ、お父様…?」
フローライトが目を細めて遠くを凝視している。
庭園の奥の小さな四阿付近で、お母様は遠目でも美しい男に腕を取られて抱き寄せられているのが見えた。
スーツにクラバット姿のお父様が、お母様を抱き締めている。
キラキラと輝く金の髪は僕と同じだけど、年齢の分だけ髪が長い。お母様から贈られた白金と緑色の組紐で出来た髪紐で一つに束ねた髪がその広い背中で揺れた。
王城の仕事から帰ってきて直ぐにお母様の元に向かった事が分かるお父様の様子に、僕は苦笑を洩らした。
僕のお父様は凄い。
魔力量も魔法の知識も技術も、魔法省所属の一流の魔法使いのようで、多分この国で一番の実力者だ。それに加えて、医師としても優秀で、病弱なお母様の主治医でもある。財務大臣を担いながら、シルフィード公爵家の当主としても完璧で、その上容姿も極上だ。
ただ、一つ、お父様の短所を挙げるなら、お母様以外に興味が無い事だ。
貴族的な笑みを浮かべていても、その目は冷淡だ。お母様似のフローライトには優しい眼差しを送る事もあるし、お母様の血を継ぐ僕にも多少の情は感じてくれているのだろうけれど、お父様の中での基準はお母様かそれ以外か、だ。
「あ…っ!」
「ん?」
腕の中のフローライトが頬を染めながら口元を手で押さえた。
僕は目を凝らしてフローライトの視線の先を追い、内心で溜め息を吐いた。
遠目でも分かる程の熱烈な抱擁と口付けをお父様がお母様にしている。
いつの間にか二人の側から人払いがされていて、庭園にはお母様とお父様だけがいる状態になっているけれど、僕の私室の窓からは絶妙な距離間で見えてしまっている。
僕はフローライトの目を両手で塞ぎ、両親の姿を見えないようにした。
「お兄ちゃま…っ」
「駄目だよ、フロー」
音は聞こえないのが幸いだけれど、二人の抱擁は熱さを増すばかりだ。
幸か不幸か、僕が両親の秘め事を目撃したのはこれが初めてでは無い。
お父様はお母様への愛を隠す事はしないから、定期的にわざと人目に付く場所で事に及んでいる。そこにはお父様の思惑が有り、ただ欲望に任せて行っているわけでは無い事を僕は知っている。
だって、お父様本人から直接聞いた事だからだ。
まだ本当に小さな時に、お母様の泣き声や苦しそうな叫び声が部屋の扉越しに聞こえてきて、お母様が可哀想で、意味が分からないながらもお父様を責めた事があり、その時にお父様は対等な男として僕に話をしてくれた。
僕の最初の性教育は、お父様がしてくれたわけだけれど、正直、自分の父親ながら引いた記憶がある。
僕は小さな頃から他の子供より知能が高く、情緒も早くに発達していたから説明してくれたのだろうが、やはりどこかお父様は壊れているように思う。勿論、お父様似の僕自身が何処かお父様と同じように壊れている部分がある事を自覚してはいるのだけれど。
お母様がお父様の首に両腕を絡め、お父様がお母様を抱き上げながら四阿へと入って行く。
お母様の細い首筋に唇を充てたお父様の視線が一瞬僕を捉えて薄い唇を引き上げたのが分かった。
お父様は、息子の僕でさえ警戒している。
確かに僕は、お母様を愛している。
お父様を越えられる日が来た時、お父様からお母様を奪うと闘志を燃やすくらいにはお母様を愛している。
お父様は、そんな僕の歪んだ想いも知っていて、時々こうして発破をかけてくる。
父親を越えられるものなら越えてみろ、と。
僕のお父様はおかしい。けれど、それ以上に凄い人で敬愛している。
僕達家族は歪んでいるけれど、愛情だけは誰にも負けない幸せ家族だ。
「ほら、フロー、お勉強に戻るよ」
僕は窓を閉め、愛しい妹を抱き上げて勉強机へと足を向けた。
可愛い僕の妹、フローライトが嬉しそうに呟いた。
澄んだ緑色の瞳が遠くを見つめ、喜びでキラキラと煌めいている。
白金の髪が窓からの風でふわりと揺れ、丸みを帯びた頬をくすぐった。
「…うふふ、お母様、きれい」
ほぉっと、うっとりとした溜め息を吐いたフローライトは、窓に身を乗り出すようにした。
「フローライト!危ないよ」
僕は慌てて席を立ち、窓際にいたフローライトを後ろから抱き締めた。
僕はリヒト・シャッツ・シュテアネ・シルフィード。
ゾンネ王国の筆頭公爵家であるシルフィード家の長子だ。
今年の春からガイスト王国に建立されている王立魔法学院に入学する事が決まっている。
入学まで後三ヶ月しか無く、僕はシルフィード公爵家の長子として準備を怠るわけにはいかない。既に全ての教科の家庭教師からはお墨付きを頂いているけれど、毎日自主学習に励んでいる。今も自由時間ではあるけれど自主学習をしていたところだ。
僕の妹のフローライトも講義の後、自主学習をしに僕の私室を訪れていた。勉強に疲れたフローライトが窓から外を眺めていた時に、お母様の姿を発見したようだ。
僕の私室は三階にあるから、窓から落ちたら大変だ。幾らお父様から頂いた防御の付与が付いた装飾品を身に付けていても、万が一と云う事がある。
「お母様、どちらに行かれるのかちら」
フローライトは気紛れな猫のように僕の体に身を預け、可愛らしく小首を傾げながら僕を見上げた。
ああ、可愛い。何て可愛らしさだ。妖精姫と謳われているお母様似のフローライトは、幼いながらも既にその美しさで婚約の打診を数えきれない程に請けている。
全く、身の程知らずが多くて困る。僕の愛しい妹は誰にも渡さない。お嫁になんて出させ無い。お母様命のお父様も、お母様似のフローライトを他家に嫁がせるつもりは今のところなさそうで、その辺りはほっとしているが油断大敵だ。
「あの方角だから、きっと鍛練場じゃないかな?ドレスではなかったから」
僕のお母様は一般的な貴族の夫人からはかけ離れた方だ。
貴族女性はズボンなど履かないし、汗水足らして運動も土弄りもしない。高位貴族の夫人は子育ても乳母や使用人に任せ、社交界でその役割を果たすのが主流だ。
けれど、僕のお母様は病弱を理由に邸に引きこもり、社交は一切せずに公爵夫人としての日々を送っている。
僕とフローライトは、基本的にはお母様の母乳で育ち、名目上の乳母はいても子育てはお母様が主軸となって行っている。
お母様は時間の許す限りを僕達と過ごし、時には一緒に湯浴みや同じ寝台で眠る事もある。ああ、でも、湯浴みや一緒に眠る事はお父様には秘密だ。お父様のお母様への愛は子供の僕から見ても病的で、お父様はお母様がお父様以外と深く関わる事を嫌う。
まぁ、僕もお父様の血を濃く継いだからなのか、お父様の病的で執着する特性は理解出来るからお父様に対して否定的な思いを抱く事はない。時々面倒だと思う事はあるが、それは誰しもが親に対して感じる類いの反発の範囲だと思う。
「あ、お父様…?」
フローライトが目を細めて遠くを凝視している。
庭園の奥の小さな四阿付近で、お母様は遠目でも美しい男に腕を取られて抱き寄せられているのが見えた。
スーツにクラバット姿のお父様が、お母様を抱き締めている。
キラキラと輝く金の髪は僕と同じだけど、年齢の分だけ髪が長い。お母様から贈られた白金と緑色の組紐で出来た髪紐で一つに束ねた髪がその広い背中で揺れた。
王城の仕事から帰ってきて直ぐにお母様の元に向かった事が分かるお父様の様子に、僕は苦笑を洩らした。
僕のお父様は凄い。
魔力量も魔法の知識も技術も、魔法省所属の一流の魔法使いのようで、多分この国で一番の実力者だ。それに加えて、医師としても優秀で、病弱なお母様の主治医でもある。財務大臣を担いながら、シルフィード公爵家の当主としても完璧で、その上容姿も極上だ。
ただ、一つ、お父様の短所を挙げるなら、お母様以外に興味が無い事だ。
貴族的な笑みを浮かべていても、その目は冷淡だ。お母様似のフローライトには優しい眼差しを送る事もあるし、お母様の血を継ぐ僕にも多少の情は感じてくれているのだろうけれど、お父様の中での基準はお母様かそれ以外か、だ。
「あ…っ!」
「ん?」
腕の中のフローライトが頬を染めながら口元を手で押さえた。
僕は目を凝らしてフローライトの視線の先を追い、内心で溜め息を吐いた。
遠目でも分かる程の熱烈な抱擁と口付けをお父様がお母様にしている。
いつの間にか二人の側から人払いがされていて、庭園にはお母様とお父様だけがいる状態になっているけれど、僕の私室の窓からは絶妙な距離間で見えてしまっている。
僕はフローライトの目を両手で塞ぎ、両親の姿を見えないようにした。
「お兄ちゃま…っ」
「駄目だよ、フロー」
音は聞こえないのが幸いだけれど、二人の抱擁は熱さを増すばかりだ。
幸か不幸か、僕が両親の秘め事を目撃したのはこれが初めてでは無い。
お父様はお母様への愛を隠す事はしないから、定期的にわざと人目に付く場所で事に及んでいる。そこにはお父様の思惑が有り、ただ欲望に任せて行っているわけでは無い事を僕は知っている。
だって、お父様本人から直接聞いた事だからだ。
まだ本当に小さな時に、お母様の泣き声や苦しそうな叫び声が部屋の扉越しに聞こえてきて、お母様が可哀想で、意味が分からないながらもお父様を責めた事があり、その時にお父様は対等な男として僕に話をしてくれた。
僕の最初の性教育は、お父様がしてくれたわけだけれど、正直、自分の父親ながら引いた記憶がある。
僕は小さな頃から他の子供より知能が高く、情緒も早くに発達していたから説明してくれたのだろうが、やはりどこかお父様は壊れているように思う。勿論、お父様似の僕自身が何処かお父様と同じように壊れている部分がある事を自覚してはいるのだけれど。
お母様がお父様の首に両腕を絡め、お父様がお母様を抱き上げながら四阿へと入って行く。
お母様の細い首筋に唇を充てたお父様の視線が一瞬僕を捉えて薄い唇を引き上げたのが分かった。
お父様は、息子の僕でさえ警戒している。
確かに僕は、お母様を愛している。
お父様を越えられる日が来た時、お父様からお母様を奪うと闘志を燃やすくらいにはお母様を愛している。
お父様は、そんな僕の歪んだ想いも知っていて、時々こうして発破をかけてくる。
父親を越えられるものなら越えてみろ、と。
僕のお父様はおかしい。けれど、それ以上に凄い人で敬愛している。
僕達家族は歪んでいるけれど、愛情だけは誰にも負けない幸せ家族だ。
「ほら、フロー、お勉強に戻るよ」
僕は窓を閉め、愛しい妹を抱き上げて勉強机へと足を向けた。
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