異世界で生きていく。

モネ

文字の大きさ
上 下
110 / 128
第四章の話

ヨルダの街2日目の夜

しおりを挟む
宿に戻って、酒場でお酒を飲みながら食事をすることにした。
「あー、美味いな。最初の一杯は。」
「美味しいです!お腹空きました!」
「そうですね!たくさん歩きましたからね。」
話していると店主さんが料理を持ってきてくれた。
「お待たせ、唐揚げとフライドポテトの盛り合わせと熱々のピザだ。」
「わぁー、美味しそう!ピザがすごく大きい!」
「ワハハッ。ピザはこの店の名物だ!自慢の料理だから食ってくれ!」
「はい!いただきます!」
ハムっと食べると本当に熱々!
でもチーズがすごくたくさんでトローリと伸びる。
「んー!!熱いけど美味しい!」
「だろ?火傷しないようにな!」
「モエ、慌てず食え。火傷するぞ。」
「フフッ。美味しいですもんね、ここのピザは。」

「熱いです!美味しいです!!」
「まぁ確かに美味い。酒が進む。」
「うん、美味しいですね!あそこにある釜で作ってるみたいですね!これはうちの宿でもしてみたいな。焼きたての美味しいピザは皆さん喜びますね。」
「あっそれいいかもです。マリンの街は港町だし、魚介類も多いからシーフードピザとかもいいかもです!」
「魚介類のピザですか。それいいですね!チーズはマリンの街の牧場から美味しい物を仕入れたら絶品ピザができそうだ。」
「このキノコのアヒージョも美味しい!ブドウ酒頼みませんか?」
「そうだな。ボトルで頼もう!」
3人で大きなブドウ酒を頼んでワインパーティーを楽しんだ。

「明日はどうしますか?また街とあと街のすぐそばの森を散策してみましょうか。モエさんが興味のある薬草などがたくさんあるはずです。」
「そうだな。ここらへんでしか採れない物もあるしな。」
「はい!楽しみにしています!」
まだチーズの盛り上わせやジャガイモとキノコのチーズ焼きを頼んでブドウ酒を楽しんだ。
ここのブドウ酒がとても美味しいので飲み過ぎてしまう。
店主さんが言うにはこの宿にブドウ酒の貯蔵庫があるらしく何年も寝かせてるものがあるかららしい。
素敵だ!

3人で少し遅くまでお酒を楽しんだ後に部屋に戻った。
スックはもうお休み中でこのまま肩から下ろしてベッドに寝かせてあげた。
私は少し水を飲んで酔いを落ち着かせてからさっとお風呂を済ませた。
さっぱりして気持ちがいい。

お風呂をでて水分補給をした後にまた窓を開けて少し涼む。
ここからのヨルダの街を見たかったのだ。
やっぱり綺麗だ。
所々にランプがついていて、もう夜遅くだから建物からの灯りは少ないがとても綺麗。
夜景を見ていると、フワッとタバコの香り。
これはレンさんかな?と隣を見たら、やっぱりレンさんだった。
タバコを吸っている横顔がまた素敵だ。
「レンさん。」
「モエ。また窓開けてる。」
「気持ちいいし、夜景も見たくて。」
「飲みすぎてないか?大丈夫か?」
「はい、ありがとうございます。大丈夫です。いつもより少し飲みすぎましたけど、お水飲みました。」
「そうか。」
「レンさんはどれだけ飲んでも全然変わりませんね。」
「あぁ、そうだな。いつもこんな感じだからな。酔ったことねぇかも。」
「フフッ。お酒好きなんですね」
「あぁ、美味いしな、食いもんも進む。」
「私もお酒もお料理も好きです!ヨルダの街も楽しいですね!」
「初めてのヨルダの街楽しめてよかったな。」
「はい!まだこれから知らない街を旅できるのは楽しみです!」
「なぁ、モエ。モエはどこの街で産まれたんだ?」
「えっ?」
「ずっと気になってたんだ。モエは俺たちが知らない知識をよく知っている。それにすごく助けられてるし、旅も快適だ。作る飯も知らない物が出てきたり。異国から来たのか?」
私は黙ってしまう。
なんで答えたら良いのかわからない。
異世界から来たなんて信じてもらえるかわからないし、変な奴だと思われたら悲しい。

黙り込んでいるとレンさんが言った。
「いや、答えたくないならいいんだ。気になってただけだ。わりぃ。」
「いえ。…わからないんです。その、記憶がないので。」
「記憶がない?」
「ゴダの街の近くの森に気づいたらいたので。」
これは嘘ではない。
「それって連れ去られたとかか?って記憶ないならわかんねぇか。そうか。モエがどこの誰なのか調べたらわかると思うが。家族から捜索願いとかもでてるかもしんねぇし。」
「いえ、私はそれは望んでません。私は今のままでいいし、これからの目標もあるから。」
「そうか。悪りぃな。聞かれたくなかったよな。ごめん。」
「いえ、気になるのは当たり前です。すみません。言わずにいて。」
「いや、俺はモエはモエだから。」
「ありがとうございます。そろそろ眠りますね。」
「ああ、俺も寝るよ、おやすみ。」
「おやすみなさい。」

窓を閉めた。
少し隠し事してしまった。
なんて答えたら良いのかもわからなかったし。
でもいつかはちゃんと話さないとなのか。
でもその時レンさんはどう思うのか。
少し不安になりながら眠りについた。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

ガン飛ばされたので睨み返したら、相手は公爵様でした。これはまずい。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:1,349pt お気に入り:1,372

愛する人に裏切られたようです

恋愛 / 完結 24h.ポイント:660pt お気に入り:593

【完結】旦那様、そんなに彼女が大切なら私は邸を出ていきます

恋愛 / 完結 24h.ポイント:13,754pt お気に入り:7,792

政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~

恋愛 / 完結 24h.ポイント:15,918pt お気に入り:7,668

ヴェルセット公爵家令嬢クラリッサはどこへ消えた?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:57,559pt お気に入り:2,105

もうやめましょう。あなたが愛しているのはその人です

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:186,511pt お気に入り:2,745

望んで離婚いたします

恋愛 / 完結 24h.ポイント:89,432pt お気に入り:855

処理中です...